ジャステック---IT企業の横顔

材料
2019年7月19日 9時15分

「もっと上手いやり方はないか、もっと独創的なやり方はないか、常にチャレンジしています」と語るのは、ジャステック<9717>の中谷 昇(なかたに のぼる)社長。

1971年、日本のIT産業の黎明期に創業した。IT企業としては老舗と言える。現会長を中心とする創業メンバーの当時の思いは、「ソフト開発エンジニアが技術力を発揮し、生き生きと働ける会社を作りたい」というものだった。エンジニアの派遣で成り立っていたIT業界の構造に真っ向から立ち向かい、風穴を空けるべく、プロジェクトを一括で請け負い、開発プロセスを体系化した独自の管理手法で、本来あるべき知識集約型のIT企業のモデルとなることを目指してきた。自社のエンジニアをきちんとマネジメントし、プロジェクトから得た各自の知見を共有する、何よりエンジニア自身がキャリアパスを描けるような会社を作りたい。自発性や独創性を大切にする経営理念は、現在まで脈々と受け継がれている。

中谷社長は、大手電機メーカーの出身。フランスの工場や研究所で通信系ハードウェア開発のプロジェクトに携わった後、米国にてMBAを取得し、そのまま米国にて戦略コンサルティングファームに転じた。現会長であるジャステックの神山 茂社長(当時)から声がかかったのは、その頃だった。

「海外事業を手伝ってもらえないか」

かねてから、ハードでなくソフトウェア開発に興味があった。2003年にジャステックに入社すると米国や欧州にて海外事業所の立上げやM&Aで手腕を発揮、2010年に帰国し社長に就任した。

「IT業界をより良く変えていきたい、という思いは変わりません。品質で勝負をかける、最先端の開発手法や最新技術の獲得意欲は、ジャステックのDNAです。最初に、金融業界のユーザー各社から高い評価を受け、他業界にも広がったのです」

現在も続く、大手を中心とする金融、製造、建設、電力、流通、官庁といった幅広い顧客層は、こうして広がっていった。

「会社の将来像は、ロンドンの2階建てバスのようなイメージを考えています」

まずは、国内市場で、受託開発ではまだまだ未開拓の業種である化学、薬品、キャリアのお客様を増やしていく。次に、海外市場ではM&Aも視野に入れた新技術の獲得や、AIや IoT領域の人材育成を進めていく。

「IT業界はこれまで、どう生産性を上げていくか、コストダウンするかばかりを考えてきました。欧米を見れば、ITはむしろトップラインをどう上げていくか、に活用されています。日本もそれを目指すべきだと思います」と中谷社長は熱く語っていた。

《SF》

提供:フィスコ

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