前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2019年7月26日 5時30分

■アプリックス <3727>  295円 (+80円、+37.2%) ストップ高

アプリックス <3727> [東証M]がストップ高。同社はソフト基盤技術分野から撤退しIoT分野に経営資源を集中し再建を図っている。24日取引終了後、光通信 <9435> の子会社であるスマートモバイルコミュニケーションズを株式交換で完全子会社化し、併せて光通信とも資本・業務提携することを発表、これがポジティブサプライズとなった。光通信は同社株式の16.0%を保有し、筆頭株主となることもあり、投資資金が集中している。

■アドバンテスト <6857>  4,160円 (+700円、+20.2%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。アドバンテスト <6857> がストップ高。同社が24日取引終了後に発表した19年4-6月期決算は売上高が前年同期比6.7%減661億6500万円、最終利益は同13%減の120億8400万円と減収減益だった。しかし、期初の見通しと比べ業績の落ち込み幅は小さく、同期間の受注高も底入れの兆しをみせていることで、これを好感する形で買いが流入した。株式需給面でも信用取組は売り長で直近は売り残が買い残のほぼ2倍の水準となっており、買い戻しを誘発しやすい。このほか、東京エレクトロン <8035> やディスコ <6146> など他の半導体製造装置メーカーの株価も軒並み高となった。24日の米国株市場で半導体大手のテキサス・インスツルメンツが決算を受け大幅高となり、インテルなど他の半導体関連銘柄もツレ高、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3%強の大幅上昇をみせており、これが東京市場にも強力な追い風となった。

■高橋ウォール <1994>  750円 (+100円、+15.4%) ストップ高

高橋カーテンウォール工業 <1994> [JQ]がストップ高。同社は25日午前11時30分に、19年12月期通期の連結業績予想を修正。営業利益は従来の14億9000万円から、22億6000万円(前期比2.8倍)に上方修正した。売上高予想も138億円から151億5000万円(同2.3倍)に増額修正。足もとでPCカーテンウォールの取り付け工事が順調に進んでいるほか、来期に完成を見込んでいた物件が一部今期に完成する見通しとなったことが主な押し上げ要因だとしている。

■サイバー <4751>  4,415円 (+455円、+11.5%)

東証1部の上昇率2位。サイバーエージェント <4751> が急反騰。24日大引け後、19年9月期の連結経常利益を従来予想の190億円→285億円に50.0%上方修正。減益率が33.5%減→0.2%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。全社的なコスト構造の見直しを実施したことで採算が上向くことが上振れの主因。なお、終了予定サービスの減損損失や本社移転費用の計上を踏まえ、最終利益は従来予想の20億円を据え置いた。また、同時に発表した19年9月期第3四半期累計(18年10月-19年6月)の連結経常利益は前年同期比7.8%減の231億円だった。

■アジャイル <6573>  1,374円 (+132円、+10.6%)

アジャイルメディア・ネットワーク <6573> [東証M]が急反騰。24日の取引終了後、企業向けにSNS やブログのクチコミデータと連動した流通店舗を活用したテストマーケティングサービスの提供を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。第1弾として、鹿児島県や宮崎県エリアでファミリーマートの店舗を展開する南九州ファミリーマート(鹿児島県鹿児島市)と業務提携し、店舗内で動画を活用したテスト販売やSNS投稿と連動した売り場づくりによる売れ行き分析が可能となるテストマーケティングサービスを提供するという。これにより、テスト販売時に商品に触れた消費者のSNS投稿などを把握でき、本販売時には消費者ニーズと連動した売り場づくりが可能となるとしている。

■LINE <3938>  3,415円 (+310円、+10.0%)

東証1部の上昇率4位。LINE <3938> が急騰。同社が24日取引終了後に発表した19年1-6月期決算は最終損益が266億1900万円の赤字となった。スマートフォン決済関連で大規模なキャンペーンを行うなど先行投資負担が反映されたもの。ただ、売上高は前年同期比11.5%増の1107億6000万円と2ケタ増収基調をキープしており、株価が底値圏に位置していたこともあり、トップラインの伸びを評価する買いが流入した。

■パスコ <9232>  892円 (+81円、+10.0%)

東証1部の上昇率3位。パスコ <9232> が続急騰。同社は25日、データアナリティクス大手の米ヴェリスク・アナリティクスと戦略的パートナーシップ提携に向けた覚書を締結したと発表。今後の事業展開が期待されているようだ。米ヴェリスク社は、高精細な航空写真ライブラリと人工知能(AI)を活用した画像認識により、損害保険業界向けのリスク評価や損失シミュレーションなどの空間情報とデータ分析を組み合わせたサービスを提供している企業。両社は覚書の締結に基づき、日本・アジア地域を中心に、地理的・社会的特性や各国のビジネスニーズを踏まえた空間情報ソリューションの開発に向け、共同で検討を進めるとしている。

■タムロン <7740>  2,477円 (+194円、+8.5%)

東証1部の上昇率5位。タムロン <7740> が5日続急伸。24日大引け後、19年12月期上期(1-6月)の連結経常利益を従来予想の16億円→25億円に56.3%上方修正。従来の23.4%減益予想から一転して19.6%増益見通しとなったことが買い材料視された。レンズ交換式カメラ市場の縮小の影響があったものの、監視カメラやFA用のレンズが伸び、増収を確保したことが寄与。原価低減の進展に加え、自社ブランド交換レンズ新製品の販売好調なども上振れに貢献した。なお、通期の経常利益は従来予想の59億円(前期は58.7億円)を据え置いた。

■信越化 <4063>  11,035円 (+745円、+7.2%)

東証1部の上昇率9位。信越化学工業 <4063> が5日続急伸、約3ヵ月半ぶりの年初来高値更新となった。半導体シリコンウエハー の世界トップメーカーで、塩ビ樹脂でも世界首位。同社が24日取引終了後に発表した19年4-6月期の営業利益は前年同期比12.7%増の1075億200万円と2ケタ伸長となった。収益の牽引役は半導体シリコンウエハーで、足もと回復色を強めていることが全体業績に反映されており、これが株価上昇につながった。今20年3月期営業利益は微増の4050億円を見込んでいるが上振れ余地がある。なお、今期配当は前期実績比20円増配の220円とする方針。

■栄研化 <4549>  1,860円 (+113円、+6.5%)

栄研化学 <4549> が続急伸。24日大引け後に発表した20年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比14.2%増の15.1億円に伸びて着地したことが買い材料視された。便潜血検査用試薬や尿検査用試薬・装置の海外向け販売が増加したことが寄与。販管費を抑制したことも増益に貢献した。上期計画の20.7億円に対する進捗率は73.1%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■アンリツ <6754>  2,032円 (+117円、+6.1%)

アンリツ <6754> が3日続急伸、大きく買われ2000円大台に乗せた。同社株の2000円台回復は4月26日以来ほぼ3ヵ月ぶりとなる。米国株市場ではワイヤレス機器向けテスターを手掛けるテラダインが24日にマドを開けて買われた。23日に発表した4-6月期決算が市場コンセンサスを上回り、7-9月期の見通しについてもポジティブで買いを誘導した。このテラダインの好決算は米国での5G向け計測器需要の拡大を裏付けるもので、これがアンリツの株価を刺激する格好となった。アドバンテスト <6857> などの4-6月期決算でも5G関連の半導体需要が収益押し上げに寄与していることが分かり、5G関連株に対するマーケットの視線が再び強まっている。

■日電産 <6594>  14,865円 (+650円、+4.6%)

日本電産 <6594> が大幅に3日続伸。24日取引終了後に発表した19年4-6月期決算は営業利益が前年同期比38.8%減の279億5900万円と急減した。中国景気減速の影響で産業向けやスマートフォン向けモーターが低迷した。ただ、4-6月期の業績不振は事前に織り込まれており、通期業績見通しを下方修正せずに据え置いたこともあり、目先悪材料出尽くしとの見方が買い戻しを誘った。

■日車両 <7102>  2,520円 (+95円、+3.9%)

日本車両製造 <7102> が大幅反発。24日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高218億2400万円(前年同期比28.0%増)、営業利益16億5000万円(同3.4%増)、純利益13億9300万円(同15.4%減)となり、上期計画の営業利益15億円を上回ったことが好感された。JR東海 <9022> 向けN700A新幹線電車や東京メトロ向け電車、インドネシア向け電車などの売り上げがあり鉄道車両事業が大幅な増収となったほか、輸送用機器・鉄構事業でもタンク貨車、タンクコンテナ、LPGタンクローリ、貯槽などが伸長し売上高・利益を押し上げた。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高870億円(前期比4.6%減)、営業利益27億円(同68.2%減)、純利益25億円(同72.8%減)の従来見通しを据え置いている。

■ニチレキ <5011>  1,078円 (+32円、+3.1%)

ニチレキ <5011> が大幅続伸。同社は25日、NTT東日本(東京都新宿区)及びNTTコムウェア(東京都港区)と共同で、人工知能(AI)による舗装道路診断技術を開発したと発表。これが株価を刺激したようだ。3社は共同で、舗装道路の路面点検・診断・措置を一貫して低コストで実現するソリューションを提供するため、AIによる局所損傷診断技術を開発。19年度中のサービス提供を目指すとしている。

■イー・ギャラ <8771>  1,235円 (+35円、+2.9%)

イー・ギャランティ <8771> が3日ぶり反発。25日付の日本経済新聞朝刊で「2019年4-6月期は、連結経常利益が前年同期に比べ1割程度増え、6億3000万円強となったもようだ」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、消費増税を10月に控えていることを受けて、取引先の経営環境が悪化することを懸念する企業が増加し、小売業に対して持つ売掛債権の保証を求める卸売業などが増えているという。なお、報道に対して会社側では、「当社から発表したものではない。第1四半期連結業績は予想通り推移しており、概ね報道のとおりだが、現在精査中だ」としている。なお、決算発表は7月30日を予定している。

■SUMCO <3436>  1,514円 (+36円、+2.4%)

SUMCO <3436> が5日続伸、今年4月下旬以来約3ヵ月ぶりに1500円ラインを突破してきた。半導体シリコンウエハーでは信越化学工業 <4063> と双璧。24日に信越化が好決算を発表して株価も上昇しているが、4-6月期の収益の原動力となったのが半導体シリコン事業で、同部門は前年同期比で3割の伸びを示した。SUMCOの上期決算発表は8月6日に予定されているが、信越化の決算内容をみて決算上振れへの思惑が高まり、これに先回りする形で買いが入った。

■リコーリース <8566>  3,320円 (+75円、+2.3%)

リコーリース <8566> が反発。同社は25日午後2時に、20年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は45億5900万円(前年同期比5.1%増)となり、通期計画177億円に対する進捗率は25.8%となった。売上高は820億2800万円(同4.8%増)で着地。主力のリース・割賦事業が伸びたほか、金融サービス事業も堅調だった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。

■SCSK <9719>  5,280円 (+100円、+1.9%)

SCSK <9719> が反発。同社は25日、ブレインズテクノロジー(東京都港区)と企業内検索エンジン「Neuron(ニューロン)」の販売代理店契約を締結し、サービス提供を開始したと発表した。「Neuron」は、オープンソースの「Apache Solr」をベースに、企業向けに機能強化した検索エンジン。セキュリティーを担保しながら、企業内に点在している文書を横断的に検索することができるという。

■SBG <9984>  5,604円 (+99円、+1.8%)

ソフトバンクグループ <9984> が5日続伸。ここ傘下の米携帯通信会社スプリントとTモバイルの経営統合に前進したとの観測や、米シェアオフィス大手のウィーワークIPO観測などが株価を刺激、上値指向を強めていた。米国株市場でナスダック指数が最高値を更新するなどハイテク株中心に物色人気が高まっており、このリスクオンの流れが波及している。25日は一時5700円台まで買われ6月の株式分割後の高値更新が続いた。なお、年初来高値は分割後修正値で4月16日につけた6045円であり、早晩その水準を意識する展開となる可能性がある。

■ベイカレント <6532>  5,000円 (+85円、+1.7%)

ベイカレント・コンサルティング <6532> が上場来高値を更新。25日で5連騰となりこの間に株価水準を約800円切り上げている。IT活用を強みとする総合コンサルティング会社で、高い専門性を武器に経営戦略の策定や組織改革の支援で高水準の需要を捉えている。19年3-5月期は売上高が前年同期比35%増の78億2000万円、営業利益は前年同期比2.1倍の16億4100万円と急変貌を遂げた。20年2月期営業利益は前期比14%増の51億円を見込むが増額余地を内包している。

※25日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.