9日の米国市場ダイジェスト:NYダウ38ドル高、米中交渉や金融政策の動向を注視

市況
2019年9月10日 7時40分

■NY株式:NYダウ38ドル高、米中交渉や金融政策の動向を注視

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は38.05ドル高の26835.51、ナスダックは15.64ポイント安の8087.44で取引を終了した。ムニューシン米財務長官がテレビインタビューで米中通商協議の進展に言及し買いが先行。しかし午後に入り、米中貿易摩擦の解消に対する懐疑的な見方や、12日に開催予定である欧州中央銀行(ECB)理事会での金融政策発表を見極めたいとの思惑が広がり、上げ幅を縮小してもみ合う展開となった。セクター別では、銀行や自動車・自動車部品が上昇する一方でソフトウェア・サービスや商業・専門サービスが下落した。

金属大手のアルコア(AA)は、組織再編及び経営陣の縮小を発表し上昇。格安航空会社ジェットブルー(JBLU)は、約1.3百万ドルの加速型自社株買い(ASR)の実施でバークレイズと契約し堅調推移。通信大手のTモバイル(TMUS)は、ポール・シンガー氏率いるエリオット・マネジメントが同社株を32億ドル相当取得したことが報じられたものの小動き。一方で、製薬のアムジェン(AMGN)は、肺がん治療薬の治験結果が投資家の失望を誘い下落した。

明日のアップル(AAPL)の新製品発表会では、「iPhone XS」及び「iPhone XS Max」に広角レンズを追加した更新版と、廉価版「XR」の後継機を合わせた3つの新モデルの発売が予想されている。しかし、主要端末の価格が1000ドルを超え、買替サイクルが長期化しているほか、来年以降に次世代通信規格5G対応が控えていることもあり、新型iPhoneへの需要は昨年並みと見られる。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:米中貿易協議進展への期待で円売り強まる

9日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円93銭まで下落後、107円27銭まで上昇し、107円25銭で引けた。ムニューシン米財務長官が米中閣僚協議を控えて、米中貿易協議が大きく前進したことを明らかにすると、何等かの合意期待が広がりリスク選好のドル買い・円売りが優勢となった。

ユーロ・ドルは、1.1028ドルから1.1068ドルまで上昇し、1.1047ドルで引けた。ドイツ政府は必要に応じて予算を修正する意向があると報じられると、景気悪化への懸念は緩和し、ユーロ買いが優勢となった。ユーロ・円は、117円94銭から118円51銭まで上昇。ポンド・ドルは、1.2374ドルから1.2317ドルへ軟化。英・7月国内総生産(GDP)が予想を上回る伸びとなったことや、欧州連合(EU)離脱延期法案が正式に成立したため、合意なきEU離脱への警戒感は後退し、ポンド買いは継続した。ドル・スイスは、0.9888フランから0.9923フランまで上昇した。

■NY原油:大幅続伸で57.85ドル、米中対立解消で需要増加の思惑も

NY原油先物10月限は大幅続伸(NYMEX原油10月限終値:57.85 ↑1.33)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比+1.33ドルの57.85ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは56.58ドル-58.16ドル。商・貿易を巡る米中の対立は段階的に解消されるとの期待が広がったことや、サウジアラビアのエネルギー相が減産継続の意向を表明したことから、NY原油先物は直近高値の57.76ドルを上回り、一時58ドル台前半まで買われる展開となった。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 28.63ドル +0.90ドル(+3.25%)

モルガン・スタンレー(MS) 43.11ドル +0.93ドル(+2.20%)

ゴールドマン・サックス(GS)211.98ドル +4.77ドル(+2.30%)

インテル(INTC) 51.59ドル +0.67ドル(+1.32%)

アップル(AAPL) 214.17ドル +0.91ドル(+0.43%)

アルファベット(GOOG) 1204.41ドル -0.52ドル(-0.04%)

フェイスブック(FB) 188.76ドル +1.27ドル(+0.68%)

キャタピラー(CAT) 127.25ドル +4.55ドル(+3.71%)

アルコア(AA) 20.30ドル +1.19ドル(+6.23%)

ウォルマート(WMT) 116.33ドル +1.60ドル(+1.39%)

スプリント(S) 6.91ドル +0.09ドル(+1.32%)

《SF》

提供:フィスコ

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