前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2019年9月11日 5時30分

■ノムラシス <3940>  469円 (+80円、+20.6%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。ノムラシステムコーポレーション <3940> がストップ高。同社は9日、東証1部上場の国内大手広告代理店のグループ企業からRPA開発を受注したと発表。企業名など詳細は明らかにしていないが、業績への寄与などが期待されているようだ。

■OSGコーポ <6757>  914円 (+150円、+19.6%) ストップ高

OSGコーポレーション <6757> [JQ]がストップ高。同社は家庭用を主力とする浄水器メーカーでアルカリイオン整水器も手掛ける。製販とメンテナンスを一貫して展開することで顧客需要を捉えている。9日取引終了後に発表した、19年2-7月期決算は営業利益が前年同期比41%増の3億6600万円と大幅増益を達成、これを材料視する買いを呼び込んだ。

■アイスタディ <2345>  661円 (+100円、+17.8%) ストップ高

アイスタディ <2345> [東証2]がストップ高。同社は9日取引終了後に、システム開発などを手掛けるエイム・ソフト(東京都新宿区)の株式を取得し、完全子会社化すると発表。これによるシナジーなどが期待されているようだ。株式譲渡実行日は10月1日を予定。同社は今回の買収が、人工知能(AI)ビッグデータ、IoTなどに関連する高度ITスキルを習得するための学習コースと、そのスキルを生かした転職への支援を組み合わせた「人材育成・提供」総合サービスであるiStudy ACADEMYを大きく飛躍させる足掛かりになるとしている。

■sMedio <3913>  1,093円 (+150円、+15.9%) ストップ高

sMedio <3913> [東証M]が連日のストップ高。AIディープラーニング型映像や画像解析エンジンを自社開発、顔認証やエッジ端末、IoT機器への実装に会社側は傾注する構えをみせており、今後の業容拡大に期待した買いが継続している。時価総額20億円前後と小型で信用買い残なども低水準で上値が軽い。一昨年7月には2868円に買われるなど天井の高さが魅力となっている。

■東京センチュリー <8439>  5,200円 (+700円、+15.6%) ストップ高

東証1部の上昇率3位。東京センチュリー <8439> がストップ高。同社が9日、米国航空機リース会社のアビエーションキャピタルグループの持分を取得し完全子会社化すると発表したことが買い材料視された。取得価額は約3213億円。

■ITbook <1447>  420円 (+34円、+8.8%)

ITbookホールディングス <1447> [東証M]が急反発。今月に入り4日、5日と連日のストップ高を演じる人気となり、その後は目先筋の利益確定売りが一巡するのを待って、再び投資資金が流入している。官公庁案件に高い実績があり、経営統合によりシステム開発と地盤改良分野双方で強みを発揮している。また、同社は外国人労働者の生活支援ビジネスを展開しており、今年4月から「改正出入国管理法」の施行などで収益機会が高まっている。海外ではアジア地域に橋頭保を築き、事業展開を軌道に乗せている。10日取引時間中に、カンボジア円借款事業に関わる地盤調査の受注や、ベトナム再生可能エネルギーによる発電事業に際する地盤調査の受注状況などについて開示、これが足もとの株価を刺激している。

■ビーブレイク <3986>  1,770円 (+117円、+7.1%)

ビーブレイクシステムズ <3986> [東証M]が急反発。同社は10日、日本リブレイン(浜松市)及びグループ会社を含む全12社の新基幹業務システムに、自社が手掛けるクラウドERP「MA-EYES」が採用されたと発表。これが株価を刺激したようだ。

■NATTY <7674>  4,595円 (+285円、+6.6%)

餃子居酒屋「ダンダダン酒場」を展開するNATTY SWANKY <7674> [東証M]が続急伸し、上場来高値を更新した。同社は9日取引終了後に、8月度の月次報告を公表。既存店売上高は前年同月比2.0%増となり、2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感されたようだ。同月は既存店客数が同2.3%増(7月度は0.4%増)に伸び、客単価は同0.3%減(7月度は0.8%減)に改善。店舗でのQSC(品質、サービス、清潔さ)向上に取り組んだことで、お盆休み期間を中心に来店客が増加した。なお、全店ベースの売上高は同40.8%増となった。

■日東製網 <3524>  1,484円 (+72円、+5.1%)

日東製網 <3524> が続急伸。10日付の日本経済新聞は「日米両政府は宇宙空間で人工衛星の事故が発生しないように『交通管理』の仕組みづくりで連携する」と報道。記事によると、日本は宇宙の交通網を阻害する宇宙ごみの除去技術を2020年代半ばにも確立して協力するとしており、関連銘柄として同社への関心が高まったようだ。同社は、無結節網技術を生かし、宇宙ごみ除去システムに必須の資材である「導電性網状テザー」と呼ばれる、電気を通すひも状の網の開発に宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で取り組んでいる。

■ユニプレス <5949>  1,767円 (+70円、+4.1%)

自動車用プレス部品大手のユニプレス <5949> が大幅反発。同社は9日取引終了後に、自動車部品を手掛けるメタルテック(愛知県小牧市)と資本提携すると発表。これによるシナジーなどが期待されているようだ。メタルテックは自動車用プレス部品などを国内及びタイで自動車メーカーに供給しており、ユニプレスとメタルテックは2017年から協業をスタート。自動車業界を取り巻く競争環境が激化するなか、両者間のより密接な関係を構築するため資本提携を行うとしている。なお、資本提携はメタルテックが実施する第三者割当増資により発行される普通株式1000株(議決権所有割合は33.3%)すべてをユニプレスが引き受け、この結果メタルテックはユニプレスの持ち分法適用会社となる予定だ。

■三菱UFJ <8306>  545.8円 (+20.8円、+4.0%)

メガバンクが連日の上昇。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> や三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> はそろって4日続伸。9日の米債券市場で10年債利回りは前週末に比べ0.08%高い1.644%に上昇。バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど大手銀行株が買われた。この流れが東京市場にも波及し、三菱UFJなどが上昇している。大手銀行株には売りを仕掛けていた海外ヘッジファンドなどからの買い戻しが入っているとの観測が出ている。

■明和産業 <8103>  595円 (+23円、+4.0%)

明和産業 <8103> が大幅続伸、切り返し急となっている。同社は三菱系の中堅商社だが、中低位株物色人気に乗り株価水準を大きく切り上げている。同社株の人気に火をつけたのが、8月初旬の今20年3月期第1四半期決算時に発表した強力な株主還元策だ。今期は年12円配当を計画していたが、政策保有株式の縮減に伴い計上した資金を原資に一気に56円まで高めたことが市場のサプライズを誘った。配当利回りは時価換算でも9%超と群を抜いている。株価は、これを背景に今月4日に684円まで買われ、動意直前の8月9日終値との比較で上昇率は94%とほぼ倍化した。9月4日付で貸株注意喚起の規制が入ったことでいったん利食われたが、目先筋の売り一巡を待って改めて買い直されている。直近信用倍率は0.8倍弱、日証金では逆日歩がついており、需給相場の様相を帯びている。

■ポート <7047>  986円 (+35円、+3.7%)

ポート <7047> [東証M]が大幅続伸。成果報酬型の就職情報サイトなどを運営しているが、人材や金融領域に強く、いずれも好調で収益を押し上げている。20年3月期営業利益は前期比27%増の6億8500万円と大幅な伸びを見込むが、これでも保守的で一段の上振れを指摘する声が強い。株価は8月21日に1190円の戻り高値形成後に調整を余儀なくされたが、目先売り一巡から好業績に着目した買いが改めて流入、上値指向に転じている。

■岐阜造園 <1438>  1,345円 (+45円、+3.5%)

岐阜造園 <1438> [名証2]が大幅反発。9日大引け後、株主優待制度を新設すると発表しており、株主還元の拡充を好感する買いが向かった。毎年9月末時点で200株以上を保有する株主を対象に、一律でクオカード1000円分を贈呈する。19年9月末時点の対象株主から制度を開始するとしている。

■夢真HD <2362>  884円 (+29円、+3.4%)

夢真ホールディングス <2362> [JQ]が4日続伸。9日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の3.62%にあたる270万株(金額で20億円)の自社株取得枠を5.14%にあたる405万株(金額で30億円)に変更すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。また、買い付け期間も12月19日までに延長する。

■栄電子 <7567>  425円 (+14円、+3.4%)

栄電子 <7567> [JQ]が大幅続伸。スイッチング電源やコネクターなどで優位性を持つ半導体商社。ここ在庫調整の進展を背景として世界的にメモリー市況の回復が意識されており、米国ではアプライドマテリアルズを筆頭とする半導体製造装置メーカーの株価の戻りが急。東京市場でも半導体製造装置関連は断続的な実需買いが観測されている。半導体製造装置向けデバイスを取り扱う同社の収益機会の高まりに期待した短期資金を呼び込んでいる。

■USENHD <9418>  835円 (+26円、+3.2%)

USEN-NEXT HOLDINGS <9418> が動兆。8月26日に上ヒゲで925円まで買われた後は調整を入れていたが、目先筋の利食いをこなし再上昇気配となっている。ここ人工知能(AI)関連株の一角に買いが目立つなか、AI技術と親和性の高い顔認証関連銘柄にも動意づくものが増えている。同社は医療機関向けにAIによる顔認証で受付や精算ができるシステムを開発しており、そのテーマ買いの動きに乗る。19年8月期は最終利益段階で30億円予想から60億円に上方修正した。土地譲渡契約締結に伴う繰延税金資産の追加計上によるものだが、これに伴いPERは8倍台と割安感が強まった。また、今期は4期ぶりとなる復配(5円)を計画している。

■コマツ <6301>  2,414円 (+71円、+3.0%)

コマツ <6301> 、日立建機 <6305> など建機株が高い。米大手メディアを通じてトランプ米大統領が中国と来週協議すると述べたことが伝わり、これが米中対立の構図が和らぐとの思惑につながっている。ここ米国では中国向け売上比率の高い建機最大手キャタピラーの戻り足が急となっており、東京市場でもこれに追随して中国経済の動向に左右されやすい建機セクターに物色の矛先が向いている。

■データセク <3905>  582円 (+17円、+3.0%)

データセクション <3905> [東証M]が5日続伸と上値追い基調を強めている。ソーシャルメディア分析ツールや投稿監視サービスを主力展開するが、画像分析など人工知能(AI)関連分野にも注力しており、ドローンとAIを組み合わせた交通量調査などで先駆する。8月26日にはICT・AIを活用した認知機能検査や音声分析診断などを手掛ける日本テクトシステムズ(東京都港区)と業務提携し株価を刺激する格好となった。

■国際石開帝石 <1605>  937.3円 (+26.5円、+2.9%)

国際石油開発帝石 <1605> 、JXTGホールディングス <5020> などが続伸歩調。株価はいずれも底値圏から浮上に転じている。9日にWTI原油先物価格が1ドル33セント高の1バレル=57ドル85セントと大幅続伸。これを背景に9日の米国株市場ではシェブロン、エクソンモービルなどエネルギー関連株が上昇しており、東京市場でもこの動きに追随する格好となっている。

■日本郵船 <9101>  1,771円 (+49円、+2.9%)

日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など大手をはじめ海運セクターへの買いが目立つ。今朝になってトランプ米大統領が来週中国と協議するとコメントしたことが、米大手メディアを通じて伝わり、これが日経平均の押し上げ材料となった。米中協議が進展する可能性が出てきたことで、過度な中国経済減速への警戒感が後退、同国景気の影響を受けやすい海運には追い風となっている。また、為替が足もと円安方向に振れていることも、ドル建て決済の同セクターにはポジティブ材料。

■デンカ <4061>  2,918円 (+80円、+2.8%)

デンカ <4061> が堅調な動き。同社は9日、シンガポールでMS樹脂の生産能力を増強すると発表。生産増による将来の業績への寄与などが期待されているようだ。MS樹脂は、液晶テレビ及びモニターの大画面化・狭額縁化で需要が急増しているバックライト用導光板をはじめとした光学用途や、中国などアジア地域で成長著しい化粧品用容器など非光学用途の拡大もあり、足もとでは世界的に供給能力が不足している状況。これを踏まえ、同社は約27億円を投じて生産能力を現在の7万トンから14万トンに倍増する計画で、稼働時期は2021年上半期を予定している。

■トヨタ自動車 <7203>  7,183円 (+91円、+1.3%)

トヨタ自動車 <7203> やホンダ <7267> 、マツダ <7261> など自動車株が高い。東京為替市場では、午前10時時点で1ドル=107円40銭台と9日午後5時時点に比べ40銭強の円安が進行。8月初旬以来、約1ヵ月ぶりの円安水準に振れたことが好感され、輸出関連株のトヨタなどに見直し買いが入った。また、9日に不正報酬問題で西川広人社長が辞任することを発表した日産自動車 <7201> も反発した。

■リプロセル <4978>  210円 (+2円、+1.0%)

リプロセル <4978> [JQG]が反発。同社はiPS細胞関連の研究試薬を手掛ける創薬ベンチャー。9日取引終了後、世界的な細胞機能測定システムの開発・販売企業の米アクシオン・バイオシステムズ(ジョージア州)と、国内における販売代理店契約を締結したと発表しており、これを好感した買いが流入した。アクシオン・バイオシステムズが開発・製造する細胞機能測定システムの「Maestro」シリーズとリプロセルのiPS細胞由来の高機能な神経細胞や心筋細胞の培養技術とを組み合わせることで、神経細胞のネットワーク形成や、心筋細胞の拍動を容易に実験室で解析することが可能となることから、より広範に顧客ニーズに応え、市場での更なる拡販を加速するとしている。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.