8日の米国市場ダイジェスト:NYダウ313ドル安、米中交渉への期待が弱まる

市況
2019年10月9日 7時41分

■NY株式:NYダウ313ドル安、米中交渉への期待が弱まる

米国株式相場は下落。ダウ平均は313.98ドル安の26164.04、ナスダックは132.52ポイント安の7823.78で取引を終了した。トランプ政権が中国による新疆ウイグル自治区でのウイグル人弾圧に関して、政府機関や監視カメラ企業など、28の機関・企業を禁輸措置の対象に加えたことが明らかとなり売りが先行。 一部中国政府高官へのビザ発給を制限していることも明らかになった。中国側は通商会談日程の短縮など何らかの報復措置を検討していることが伝わり、投資家心理の悪化から終日軟調推移となった。セクター別では全面安となり、特に半導体・半導体製造装置や自動車・自動車部品の下落が目立った。

再び、米国による中国への投資制限の検討が伝わり、中国オンライン小売のアリババ・グループ(BABA)、中国の検索大手バイドゥ(BIDU)などが下落。米長期金利の低下で、ウェルズ・ファーゴ(WFC)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が軒並み軟調推移。航空機大手のボーイング(BA)は、「737 MAX」の安全性に関して虚偽の主張を行ったとして、サウスウエスト航空の操縦士らに提訴され売られた。一方で、宅配ピザ会社のドミノ・ピザ(DPZ)は、10億ドルの自社株買い計画を発表し上昇した。

パウエルFRB議長は金融危機時の量的緩和とは異なると前置きした上で、バランスシート拡大の再開を表明した。近日中に詳細についての発表が行われる見通し。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:欧州通貨安を意識してドル・円は下げ渋る

8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円83銭から107円30銭まで上昇し、107円09銭で引けた。対欧州通貨での動きに連動したドル買いが優勢となった。ただ、「米国政府は政府年金基金における中国株保有制限を計画している」との報道や、ウイグル族弾圧で中国のテクノロジー企業数社を米企業との取引を禁止するリストに加えたことに続いて、中国高官の入国制限を発表したため、米中貿易協議への警戒感が上値を抑制した。

ユーロ・ドルは、1.0993ドルから1.0941ドルまで下落して1.0956ドルで引けた。高官の話として、ドイツ政府は景気が減速することを予想しているものの、景気後退入りする可能性が低く財政支援を検討していないことが明らかになると失望感からユーロ売りが加速。ユーロ・円は、117円52銭から117円13銭まで下落した。米中貿易協議への警戒感にリスク回避の円買いが強まった。ポンド・ドルは、1.2238ドルから1.2195ドルまで下落した。英国と欧州連合(EU)の話し合いがまとまらず英国の合意ない離脱の可能性が強まりポンド売りが加速した。ドル・スイスは、0.9905フランから0.9951フランまで上昇した。

■NY原油:小幅安で52.63ドル、米中協議進展への期待低下や欧米株安を嫌気

NY原油先物11月限は小幅安(NYMEX原油11月限終値:52.63 ↓0.12)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比-0.12ドルの52.63ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは51.81ドル-53.27ドル。米中協議進展への期待は低下したことや欧米株安を意識して原油先物は伸び悩んだ。為替相場がユーロ安・米ドル高に振れたことも嫌気されたようだ。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 27.63ドル -0.68ドル(-2.40%)

モルガン・スタンレー(MS) 39.82ドル -0.86ドル(-2.11%)

ゴールドマン・サックス(GS)197.37ドル -3.03ドル(-1.51%)

インテル(INTC) 49.73ドル -0.90ドル(-1.77%)

アップル(AAPL) 224.40ドル -2.66ドル(-1.17%)

アルファベット(GOOG) 1189.13ドル -18.55ドル(-1.54%)

フェイスブック(FB) 177.75ドル -1.93ドル(-1.07%)

キャタピラー(CAT) 117.97ドル -2.28ドル(-1.90%)

アルコア(AA) 18.49ドル -0.76ドル(-3.95%)

ウォルマート(WMT) 117.58ドル +0.35ドル(+0.30%)

スプリント(S) 6.13ドル +0.01ドル(+0.16%)

《SF》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.