IoT企業 社長の横顔---GMOクラウド

材料
2019年10月9日 8時09分

「IoT製品に搭載するICチップ一つひとつにセキュリティを入れていきたいんです」と語るのはGMOクラウド<3788>の青山満(あおやま みつる)社長。同社の将来的な目標はセキュリティを中心としたIoTプラットフォームをリードする企業になること。サーバにアクセスしてくる一つひとつのIoT製品を識別可能な状態で一元管理できるプラットフォームを提供する。対象は、自動車や家電ばかりではなく、酪農業にまで及ぶ。Longview社を含む3社との協業では、牧場で牛の耳や首輪にセンサーを取り付けることで、牧場主が頭数を確認したり、脱走を検知したりするアグリテクノロジーへの活用を目指す。

中学生の頃、テレビで見たNASAのスペースシャトルに惹かれ、大学では工学部で流体力学を専攻した。卒業後、エンジニアとして入社した航空計器メーカーでは新製品開発に没頭した。開発したフライトレコーダーは、日本の宇宙開発プロジェクトにも採用された。

趣味はスノーボード。しかし、このスノーボードが現在の会社の原点にあったとは意外だ。エンジニアとしての仕事に取り組む傍ら、当時はまだ日本では高価だったスノーボードを購入するため、米国と日本を行き来していた。そのうち、並行輸入業務をはじめ、ビジネスは当たったが、輸入元が商品を出さなくなった。持ち前の行動力が発揮された。「自分でスノーボードのメーカーを立ち上げたんです。」

しかし、結果として築いたのはスノーボードの在庫の山だった。大量の在庫を何とか処分したいと試行錯誤しているうちに見つけたのがインターネットだった。しかし、当時の技術では、ECサイトの構築も非常に手間がかかった。万事休していたときに出会ったのが、当時のアイルの社長。一年で新規プロジェクトを立ち上げる契約で入社し、現在のクラウド・ホスティング事業の前身となるレンタルサーバー事業を、見事立ち上げた。

「実は、『レンタルサーバー』という言葉を最初に使ったのも私なんです。今思えば、商標登録しておけば良かった。当時は米国でも、ウェブ・ホスティングという言葉しかなかったですから」

同社では、クラウド・ホスティング事業をはじめ、国内シェア50%以上で海外市場でも堅調なSSLサーバ証明書を発行するセキュリティ事業、工場やビルのメーター点検・管理サービス等のソリューション事業を有し、さらにこの3つの事業のシナジーを活かして本格的にIoT事業に注力していく。「米国のIoT企業は発想のスケールが違います。経営理念にも掲げましたが、コトをITで変えていく。社会に役立つ企業でありたいという気持ちは事業立上げ当時から変わっていません。今後も新しい分野に挑戦していきます」と青山社長は熱く語っていた。

《SF》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.