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2019年10月15日 15時30分
特集

平山 Research Memo(10):付加価値の高い人材サービスと外国人労働者の積極活用で年率20%の高成長を目指す

■成長戦略

2. 成長戦略

今後の市場環境としては、米中貿易摩擦の長期化がリスク要因となるものの、同要因を除けば国内における製造請負・派遣市場は年率6.4%成長、技術者派遣市場は同8.7%成長とそれぞれ安定した成長が見込まれており、平山ホールディングス<7781>にとっては追い風が続くとの認識だ。こうしたなか同社は、成長戦略として以下の5つのポイントを重点施策として取り組んでいく方針としている。

(1) 新規事業と既存事業の融合による高付加価値サービスの創造

同社では既存事業である製造請負・派遣、技術派遣、コンサルティングサービスを基盤として、製造請負・派遣においては、IoTを活用した工場の稼働管理システムの導入など、システム化を図ることで競争力強化を図り、シェアを拡大していく戦略となっている。また技術者派遣では、ニーズの高いAI・IoT分野の人材採用に注力し、売上拡大と利益率の向上に取り組んでいく。コンサルティングサービスでは、前述した労働災害防止支援サービス「HAio」も活用しながら請負案件の顧客開拓を進めていく。

IoTの活用に関しては、現在、大手企業の国内外工場においてIoTを導入し、海外工場を国内からリアルタイムで稼働管理する実証実験を進めている。国内外工場の現場改善コンサルティングを同時並行で行うことが可能となるため、独自の高付加価値サービスとして競合との差別化要因になるものと考えられる。

(2) サービス事業(小売、外食、宿泊、物流等)の顧客拡大

FUN to FUNにおいてサービス業領域における顧客の開拓に注力し、売上規模の拡大を図っていく。現在は食品製造業界向けが売上高の約6割を占めているが、小売・外食・宿泊業界における人材不足も深刻化しており、こうした領域において外国人労働者の積極活用を図っていくほか、人間的な付加価値が求められる職種については人材育成も強化し、旺盛な需要を取り込んでいく戦略となっている。既に、スーパーマーケット向けでは外国人労働者の活用が進んでおり、店舗数の拡大が続いているほか、2019年6月期からは宿泊施設の清掃業務や地下鉄構内の販売店スタッフ等の受注実績も出始めており、今後の売上拡大が期待される。

(3) エンジニア派遣の領域拡大に伴う高付加価値人材の育成と多様な人材採用

IoTやAI等の製造現場への導入が拡がるなかで、エンジニアの需要も多様化してきており、各レイヤーのスペシャリストを育成することで、事業規模を拡大していく。例えば、製造現場でIoTシステムやRPAを活用できる人材のほか、AI開発、組込みソフトウェア、フィールドメンテナンス分野などの人材育成に注力していく。特にAI開発分野では、2025年にE(エンジニア)資格取得者100名を目標としている。

人材採用については国内外で積極的に進めていく方針で、国内では2021年6月期以降に採用拠点を現在の2拠点(大宮、大阪)から7拠点に順次拡大していく計画となっている。一方、海外からの技術者採用についてはミャンマー及びベトナムの大学との連携をさらに強化し、2023年6月期までに合計100名の新卒採用を予定している。

(4) 外国人労働者の受入管理受託サービスを全職種で展開

2019年4月に改正出入国管理法が施行されたことにより、子会社の平山グローバルサポーター(以下、平山GS)で展開している外国人労働者受入管理受託サービスの需要拡大が見込まれており、これらの需要を取り込んでいく。外国人労働者の送り出し国としてベトナム、フィリピン、ミャンマー、インドネシアの4ヶ国とネットワークを構築しており、4ヶ国の外国人労働者を受入先となる中堅・中小企業に紹介していくことになる。受入先となる企業では、入国前・入国後の教育・研修ができないため、平山GSで教育・研修サービスや労務管理業務受託サービスを提供する格好となる。なお、受け入れた外国人労働者の帰国後の就職支援等も行っている。

改正出入国管理法では、人材不足を補うための外国人労働者の受け入れとして、特定技能の習得を目的とした14職種を指定しており、今後5年間で最大34.5万人の受け入れを想定している。同社グループでは既に、電気・電子業界や食品業界など複数の業種において受け入れ実績を持つが、今後、注力する職種として介護や自動車整備業を掲げており、子会社の大松サービシーズが受け入れ先となって事業を拡大していく戦略となっている。大松サービシーズでは3年後までに、自動車整備で30名、介護で300名の外国人を受け入れ、育成していくことを目標に掲げている。

自動車整備業界では、整備士を目指す若者が大きく減少し高齢化が進展する状況にあり、整備士が不足する状況になってきている。特に、中型・大型トラックの整備士不足が深刻化していることから、外国人労働者の受け入れが進めば売上拡大が期待される。また、介護業界においては超高齢化社会の到来により、2025年には介護人材が国内で34万人不足すると言われており、外国人労働者の受け入れによる体制整備が喫緊の課題となっている。政府では今後5年間で6万人の外国人労働者の受け入れを見込んでおり、ビジネスチャンスは大きいと言える。

なお、2019年7月に平山GSは(株)日立システムズと外国人労働者を受け入れる企業等に向けたサポートサービスで協業していくことを発表している。具体的には、平山GSの業務ノウハウと、日立システムズのデータセンターやコンタクトセンターなどのサービスインフラ、BPOサービスなどを組み合わせて、在留資格に応じて対処すべき事柄を自動通知するなど、外国人労働者の就労前から就労後までの管理業務を効率化することで、受け入れ企業と登録支援機関※に対する業務支援を行っていくことになる。

※ 特定技能所属機関に委託されて特定技能外国人の支援計画の作成・実施を行う機関。

(5) 国内の人材ビジネスパッケージを横展開(タイ、ベトナム、中国)

国内で蓄積してきた製造請負・派遣、現場改善コンサルティング、人材教育等のノウハウをパッケージ化し、タイ、ベトナム、中国などに横展開を進めていく。タイでは現在、人材派遣、製造請負、現場改善コンサルティング、人材教育を現地日系企業向けに展開しており、約3,000名規模の派遣を行っている。ベトナムでは日系企業を中心に現場改善コンサルティングや人材育成研修、人材管理等のサービスを行っているほか、中国では日本研修ツアー、経営改善指導、各種教育訓練、IoTシステムの導入支援などを展開している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

提供:フィスコ

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