23日の香港市場見通し:上値の重い展開か、内外環境に不透明感

市況
2019年10月23日 10時03分

23日の香港市場は、内外環境の不透明感で上値の重い展開か。外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.2%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%安とそろって反落した。主要企業の7~9月期決算発表が進むなか、業績下振れを嫌気した複数企業の急落が重しとなっている。1株利益が予想を下回った外食大手のマクドナルドと損害保険のトラベラーズは、それぞれ5.0%安、8.3%安と値を下げた。また、10-12月期の業績見通しが予想を下回った半導体大手のテキサス・インスツルメンツ(TI)は時間外取引で急落している。

欧州情勢の不透明感もくすぶる状況。英下院は22日、英国の欧州連合(EU)離脱に関連する法案を審議することを可決したが、同法案を早期に成立させる動議は否決された。ジョンソン英首相が公約に掲げる離脱期限の10月末までに法案が成立する可能性が低下し、政治的な混乱が続くと懸念されている。

他方、米中通商協議を巡っては、両国高官からの楽観見通しが相次ぐ。中国外交部の楽玉成・副部長は22日、協議が進展しているとして貿易上の問題は解決できると述べた。これに先立つ21日、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は米TVインタビューで、「通商協議が順調に進めば、12月の関税引き上げは見送られる可能性がある」と答えている。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表によれば、米中の高官は25日に電話協議するようだ。

一方、22日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.5%高と続伸。中国の重要会議を前にして、政策期待が強まっている。中国共産党の重要会議「第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)」は、近く北京で開かれる予定だ。8月の日程公表時、経済対策は討議されないとの見通しだったが、「7-9月期GDP成長率の下振れなどを受け、今回は金融・経済についても話し合われる」との観測が浮上している。

なお、英メディアは23日、中国が香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を更迭し、暫定の行政長官を据えることを検討中??と報じた。

こうしたなか、本日の香港市場は全体として上値の重い展開か。米中通商協議の進展期待は根強いものの、昨夜の米株安が重しとなりそうだ。また、香港の政治不安も意識される可能性がある。香港政府が昨日、追加の景気刺激策を公表したことはプラスだが、上述したように行政長官更迭報道がマイナス材料だ。

なお、香港では本土系企業の四半期決算シーズンに入っている。

【亜州IR】

《CS》

提供:フィスコ

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