大塚竜太氏【止まらない日経平均、11月相場“上昇加速の確度”】(2) <相場観特集>

特集
2019年10月28日 19時45分

―目先筋の利食い売りを吸収し続ける買い需要の本質とは―

週明け28日の東京株式市場はリスク選好の流れが継続、日経平均株価は6日続伸となった。前週からの連騰で過熱感も意識される場面だが、そうした思惑とは裏腹に目先筋の利益確定売りを吸収してジリジリと上値を指向している。今週はあす29日が実質月内最終日となるが、11月相場は果たしてどういうトレンドを描くのだろうか。常に最前線で相場と対峙してきたベテラン市場関係者2人にプロの視点を聞いた。

●「強調続く、決算発表を怖がらない相場で押しは買い」

大塚竜太氏(東洋証券 ストラテジスト)

東京株式市場は、押し目待ちに押し目なしの地合いが続いている。テクニカル的には過熱感も拭い切れないが、基本的に相場の強調展開は今後も続くことが予想され、仮に押し目があればそこは買い場として強気に対処すべきだ。投資家も今の上げ相場に対し半信半疑的な部分があるはずで、皆が総強気になっていないことが相場の戻り足を軽くしている。

今週は日米の金融会合を控え、この結果を見極めたいとの思惑があるが、(FRBが利上げを見送るというような)番狂わせがない限り、通過後に株式市場がリスク回避の流れに変わるということは考えにくい。また、ここから3月決算企業の上期発表が本格化するが、これについては事前に業績面の厳しさを既に織り込んでおり、市場の期待が高くないことは逆に相場全体にとって好都合だ。個別銘柄も足もとの収益は悪くても第3四半期以降に底入れというコンセンスが得られればそれでよし、というムードが漂う。

株式需給面でも風向きが変わってきた。主体別売買動向をみると、外国人投資家は10月第3週に現物、先物ともに大幅に買い越しており、全体リスクオンの流れを象徴している。今後は先物の買い戻し主体から、持たざるリスクを意識した実需買いの動きが徐々に強まることになるだろう。10月の日経平均パフォーマンスは際立っているが、この流れに乗れている中長期資金は少ないとみられ、それだけにこれから買いの勢いが加速する可能性がある。売り方にとっては、その前に買い戻さなければならないという焦りが出てくる。

日経平均の当面のレンジは、ひと押しあっても下値メド2万2500円で、上値については2万3500円前後とみている。物色対象としては引き続き半導体関連株が強く、全体相場を牽引しよう。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は最高値圏を走っており、東京市場でも市況底入れの動きを評価する相場が続きそうだ。東京エレクトロン <8035> 、信越化学工業 <4063> 、SUMCO <3436> などを継続注目しておきたい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(おおつか・りゅうた)

1986年岡三証券に入社(株式部)。88~98年日本投信で株式ファンドマネージャーを務める。2000年から東洋証券に入社し現在に至る。

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