ワコム--- 2Qは増収増益、堅調なテクノロジーソリューション事業が低調なブランド製品事業をカバー
ワコム<6727>は10月31日、2020年3月期第2四半期(19年4月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比1.4%増の469.32億円、営業利益が同10.1%増の30.10億円、経常利益が同12.5%減の25.48億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同11.8%増の22.08億円となった。
ブランド製品事業の売上高は前年同期比6.4%減の193.29億円となった。主力のクリエイティブビジネスにおいて、前期に市場投入したディスプレイ製品の新製品の拡販に努めたが、ペンタブレット製品等の販売が前年同期を下回ったことにより同ビジネスの売上高は前年同期を僅かに下回った。さらに、コンシューマビジネスとビジネスソリューションの売上高も前年同期を下回ったことから、ブランド製品事業全体としての売上高は、前年同期を小幅に下回る結果となった。また、米国の対中追加関税の直接的な課税影響や為替相場の円高影響等を受けて、前年同期での5.32億円のセグメント利益計上に対し、当第2四半期では1.70億円のセグメント損失を計上した。
テクノロジーソリューション事業の売上高は前年同期比7.8%増の276.02億円となった。スマートフォン向けの売上がサムスン社の最新モデル向け需要の早期化などにより前年同期を上回ったことやタブレット・ノートPC向けの売上も前年同期を僅かに上回ったことなどから、テクノロジーソリューション事業全体としての売上高は、前年同期を小幅に上回る結果となった。また、売上拡大等により、セグメント利益は同11.7%増の51.05億円となった。
2020年3月期通期の連結業績予想については、売上高は前期比5.0%増の940.00億円、営業利益は同25.2%増の52.00億円、経常利益が同15.7%増の48.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.9%減の32.00億円としている。それぞれ直近の予想(2019年8月2日時点)に対して、営業利益は据え置いたが、売上高は10月以降の想定為替レートを主に対ユーロ円で円高に見直したことなどにより減額(直近予想比-1.6%)、経常利益ならびに親会社株主に帰属する当期純利益も当期第2四半期で計上した営業外損益での為替差損計上等を反映して、それぞれ減額(経常利益は直近予想比-7.2%、親会社株主に帰属する当期純利益は直近予想比-7.0%)している。
《SF》
提供:フィスコ