前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2019年11月7日 5時30分

■シグマクシス <6088>  1,871円 (+312円、+20.0%)

東証1部の上昇率トップ。シグマクシス <6088> が急反騰。5日大引け後に発表した20年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比99.8%増の9.9億円に拡大して着地したことが買い材料視された。基幹業務システム(ERP)のクラウド化サービスやプロジェクト管理案件などの受注が伸びたことが寄与。通期計画の15億円に対する進捗率は66.6%に達しており、業績上振れが期待される状況にある。併せて、発行済み株式数の0.96%に相当する20万株の自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

■アイスタディ <2345>  737円 (+100円、+15.7%) ストップ高

アイスタディ <2345> [東証2]がストップ高。5日の取引終了後、東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻・松尾豊教授の研究グループなどと共同で、人工知能(AI)を用いた介護施設向け検知システムの構築に関する共同研究を開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の共同研究では、ディープラーニング技術を活用しさまざまな画像認識をエッジデバイスで実現するOllo(東京都文京区)、先端AI技術のビジネス活用を支援するIGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス(BAI、東京都千代田区)、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などを併設した複合福祉施設「サンタフェガーデンヒルズ」を運営する善光会(東京都大田区)が連携。アイスタディが企業向けLMS(学習管理システム)の開発で培った技術力と、ディープラーニング技術や動画・画像解析などを得意とする松尾研究室の知見を組み合わせることで、善光会の「サンタフェガーデンヒルズ」の入居者の行動をAIによって認識・分析し、転倒事故防止などに寄与できるシステムの開発に向けた共同研究を行うという。同時にアイスタディは、人工知能技術を活用した最先端のLMS(ラーニング・マネジメント・システム)「AI+LMS」の開発に着手したとも発表しており、これも好感されているようだ。

■ホープ <6195>  5,110円 (+675円、+15.2%) 一時ストップ高

ホープ <6195> [東証M]が急反騰、一時ストップ高に買われる人気で5000円大台を回復し、9月5日につけた上場来高値5470円奪回も視界に入ってきた。同社は自治体が保有する広告枠の販売代理及び財源確保支援事業を行う。自治体の遊休スペースを有料広告枠にすることで「資産」を創りだす自治体有料広告事業と、子育て関連情報など、自治体が住民へ配布する専門性の高い冊子を無償で制作し納品も行う経費削減支援などを展開する。このほか、売上高の4割近くをエネルギー関連(電力販売)事業で占める。6日取引開始前に19年7-9月期の決算を発表、営業損益が600万円(前年同期は1億2400万円の赤字)と小幅ながら黒字化した。これを手掛かり材料に投資資金が攻勢をかけている。

■プロパティA <3464>  1,168円 (+112円、+10.6%)

東証1部の上昇率7位。プロパティエージェント <3464> が続急騰。5日大引け後、20年3月期の経常利益を従来予想の10億円→14.5億円に45.0%上方修正。従来の27.8%減益予想から一転して4.7%増益を見込み、9期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。金融機関の融資姿勢や業界環境に対する不透明感を背景に、保守的に算出していたマンションの販売価格と販売戸数が想定より好調に推移することが寄与。コスト削減や生産性の向上も上振れに貢献する。業績上振れに伴い、期末一括配当を従来計画の21円→23円(前期は21円)に増額修正したことも評価材料となった。

■昭電線HD <5805>  1,069円 (+101円、+10.4%)

東証1部の上昇率8位。昭和電線ホールディングス <5805> が続急騰。5日の取引終了後、20年3月期の連結業績予想について、営業利益を65億円から73億円(前期比9.9%増)へ、純利益を45億円から48億円(同5.0%増)へ上方修正し、減益予想から一転して増益予想としたことが好感された。米中貿易摩擦などの影響を考慮し、売上高は1730億円(同2.4%減)を据え置いたものの、エネルギー・インフラ事業の建設関連向けや電力インフラの設備更新需要が堅調に推移する見通しであることが利益を押し上げるとしている。なお、第2四半期累計(4-9月)決算は、859億7600万円(前年同期比0.7%増)、営業利益42億7300万円(同88.8%増)、純利益28億5600万円(同2.2倍)だった。同時に、22年度を最終年度とする中期経営計画を策定したと発表。最終年度に売上高2000億円、営業利益100億円を目指すとしたことも好材料視された。

■グンゼ <3002>  5,260円 (+470円、+9.8%)

東証1部の上昇率10位。グンゼ <3002> が6連騰。株価は一時14.2%高の5470円まで上値を伸ばし、2月27日に付けた年初来高値5240円を更新した。肌着メーカー大手だが、フィルムなど非繊維事業を強化し第2の収益の柱として育成している。5日取引終了後に発表した19年4-9月期売上高は710億2700万円(前年同期比3.6%増)、営業利益が32億9000万円(同1.0%増)と増収増益を確保した。コンセンサス(営業利益31億5000万円)も上回った。インナーウェアの差異化商品やスポーツ商品が順調だったほか、半導体市場低迷の影響を受けたエンジニアリングプラスチックなどの非繊維事業の減益が続いたものの、減益幅が縮小している。今後半導体市況の回復に伴う業績拡大に期待する形で買いが流入したようだ。

■セーレン <3569>  1,496円 (+132円、+9.7%)

セーレン <3569> が続急伸。5日取引終了後、20年3月期業績の修正を発表、営業利益は従来予想の92億円から95億円(前期比10%減)に増額した。これを手掛かり材料に買いを呼び込む形となった。自動車用シートやエアバッグなどを手掛けるが、中国メーカー向け売上高の不振が株価調整要因となっていたが、今回の修正で買い安心感が台頭した。今期営業利益は依然として2ケタ減益見通しながら、株式需給面で信用倍率が0.18倍と大幅に売り長であり、修正方向が下ではなく上であったことが空売りの買い戻しを誘発した格好だ。

■三浦工 <6005>  3,635円 (+305円、+9.2%)

三浦工業 <6005> が続急伸。5日の取引終了後に発表した第2四半期累計(4-9月)連結決算が、売上高677億1400万円(前年同期比3.2%増)、営業利益87億2600万円(同8.8%増)、純利益63億9200万円(同7.7%増)となり、従来予想の営業利益83億円を上回る増益で着地したことが好感された。国内で主力の小型貫流ボイラやメディカル機器の売り上げが伸びたほか、メンテナンス事業が堅調に推移したことが牽引した。また、海外では中国ボイラ販売が低調だったが、メンテナンス事業が堅調だったことも寄与した。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高1440億円(前期比3.7%増)、営業利益175億円(同4.9%増)、純利益128億円(同4.2%増)の従来見通しを据え置いている。

■イチネンHD <9619>  1,471円 (+121円、+9.0%)

イチネンホールディングス <9619> が続急騰。5日大引け後に発表した20年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比4.0%増の35.2億円に伸び、従来の1.9%減益予想から一転して増益で着地したことが買い材料視された。主力の自動車リース関連事業で自動車リースやメンテナンスの契約台数が増加したうえ、燃料販売も堅調で仕入れ価格が安定して推移したことが寄与。工業薬品関連や化学品関連の販売が伸びたケミカル事業の収益拡大も一転増益に貢献した。

■レカム <3323>  147円 (+11円、+8.1%)

レカム <3323> [JQ]が続急伸し一時、前日比31円(22.8%)高の167円に買われた。5日の取引終了後、NTT東日本(東京都新宿区)と提携し、AI-OCRをパッケージ化したサービス及びRPAをパッケージ化したサービスを11月から提供すると発表しており、これが好材料視された。今回販売を開始する「RET'SOCR」及び「RET'Sロボ」は、NTT東日本の技術を活用したAI-OCR、及びRPAサービス。書類・証票などの書面を介したデータ入力、転記や集計、チェック業務などを人が作業を行うことなく自動化することができ、書類作成などの定型業務が多い企業やデータ入力業務に時間を要している企業では、AI-OCRで文字を読み取り、RPAにより作業を自動化することで作業の削減・自働化・簡素化が図れ、業務時間を削減することができるようになる。

■ニチアス <5393>  2,470円 (+170円、+7.4%)

ニチアス <5393> が続急伸。5日大引け後に決算を発表。「上期経常は18%減益で着地、今期配当を2円増額修正」が好感された。20年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比17.8%減の100億円に減り、通期計画の212億円に対する進捗率は47.3%となり、5年平均の45.8%とほぼ同水準だった。同時に、今期の年間配当を従来計画の72円→74円に増額修正した。

■航空電子 <6807>  2,192円 (+147円、+7.2%)

日本航空電子工業 <6807> が急反発。株価は一時、5日に比べ7.7%高に買われ年初来高値を更新した。大和証券は5日、同社株のレーティングを「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げた。目標株価は1500円から2400円に見直した。中国大手スマホメーカー向けに本格参入できる見通しが立ったことや、来期以降5G用途で携帯機器向けのコネクター需要が増えそうなことなどを評価。同証券では20年3月期の連結営業利益を前期比12%減の153億円(会社予想145億円)と見込んでおり、21年3月期の同利益は従来予想の175億円から195億円に引き上げている。

■ニチレイ <2871>  2,605円 (+160円、+6.5%)

ニチレイ <2871> が3日ぶり急反発。5日大引け後に決算を発表。「上期経常が10%増益で着地・7-9月期も17%増益」が好感された。20年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比9.6%増の153億円に伸び、通期計画の305億円に対する進捗率は50.5%となり、5年平均の49.7%とほぼ同水準だった。

■東亜建 <1885>  1,578円 (+93円、+6.3%)

東亜建設工業 <1885> が続急伸。5日大引け後(16:00)に業績修正を発表。「上期経常を30%上方修正」が好感された。20年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益を従来予想の25億円→32.5億円(前年同期は9.8億円)に30.0%上方修正し、増益率が2.5倍→3.3倍に拡大する見通しとなった。

■JR九州 <9142>  3,815円 (+135円、+3.7%)

JR九州 <9142> が3日続伸。5日の取引終了後、自社株取得枠の設定を発表しており、これを好感する買いが入った。320万株(発行済み株式数の2.0%)、100億円を上限としており、取得期間は11月6日から20年3月31日まで。今年6月の株主総会では同社の大株主である米ファンド、ファーツリー・パートナーズが自社株買いの実施を提案し否決された経緯があるが、今回新たに資本効率の向上に向け自社株買いを発表したことを市場は評価している。

■良品計画 <7453>  2,540円 (+43円、+1.7%)

良品計画 <7453> が続伸。5日の取引終了後に発表した10月度の月次概況で、直営既存店売上高が前年同月比6.2%増となり、6ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。衣服・雑貨で主力の「綿フランネルスタンドカラーシャツ」やウールシルクのニットが堅調に推移した。生活雑貨でベッド、ソファなど大型商品が前月の反動で売り上げが伸び悩んだものの、今シーズンから価格を見直した毛布や布団、キッチン用品、スタンドファイルボックスが伸び売り上げを下支えした。また、食品は月後半にテレビ番組で紹介されたカレーや低糖質シリーズの菓子が大きく売り上げを伸ばした。

※6日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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