後場に注目すべき3つのポイント~想定内のこう着といったところ

市況
2019年12月9日 12時48分

9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は続伸、想定内のこう着といったところ

・ドル・円は小動き、今週の重要イベント控え様子見

・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>

■日経平均は続伸、想定内のこう着といったところ

日経平均は続伸。107.19円高の23461.59円(出来高概算5億3000万株)で前場の取引を終えた。先週末の米国株高の流れを受けたシカゴ先物にサヤ寄せする格好から23500円を回復して始まった日経平均だったが、寄り付きの23544.31円を高値に上げ幅を縮めており、前場半ばには23360.01円まで上げ幅を縮める局面もみられた。ただし、マイナスに転じることはなく、前引けにかけては再び強含みとなっている。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは、石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟国を加えた「OPECプラス」の委員会が減産に合意したことを背景に、鉱業、石油石炭が2%を超える上昇。その他、鉄鋼、保険、海運、パルプ紙、繊維がしっかり。半面、精密機器、医薬品、水産農林、不動産が小安い。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>がけん引。一方で、テルモ<4543>、アドバンテスト<6857>、第一三共<4568>が冴えない。

日経平均は23500円を回復して始まったが、その後は方向感の掴みづらい展開となっている。もっとも、重要イベントを控えているほか、地政学リスクを若干警戒する動きもみられており、想定内のこう着といったところであろう。英国では欧州連合(EU)との関係を決める総選挙が12日に迫っている。予測困難であり、しかも金融投資にとって影響度が大きいだけに、新たなポジションは積み上げづらい。さらに、15日に米国が予定している中国製品への新たな関税の発動の行方を見極めたいところである。そのほか、北朝鮮は「重要な実験に成功した」と伝えられており、若干ながら地政学リスクを警戒する向きもあるだろう。

そのため、日経平均の足元でのレンジ相場は継続しやすく、リバランスの商いが中心になりそうである。上方修正など個別に材料の出ている銘柄等へは短期筋の値幅取り狙いの資金が向かいやすいだろう。ただし、足元で強い動きをみせていた中小型株については、重要イベントを控えて、いったん利益確定に向かわせる可能性がありそうだ。調整局面においての押し目買い意欲の強さが窺える半面、上値追いには慎重にならざるを得ないところでもある。そのほか、週末にメジャーSQを控えているため、先物市場においてもロール中心の商いとなり、仕掛け的な動きも出難いだろう。

■ドル・円は小動き、今週の重要イベント控え様子見

9日午前の東京市場でドル・円は小動き。今週開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを前に様子見ムードが広がり、狭いレンジ内で推移した。

前週末に発表された米雇用統計が堅調な内容となり、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測は遠きドル売りは後退。週明けアジア市場でドル・円は日経平均株価の堅調地合いを背景とした円売りで、小幅に上昇した。

ランチタイムの日経平均先物は上げ幅をやや縮小するものの、プラス圏の維持で日本株高継続を期待した円売りに振れやすい。ただ、引き続き重要イベントの内容を見極める展開で、目先も売り買いともに仕掛けづらい展開となりそうだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円54銭から108円66銭、ユーロ・円は120円00銭から120円18銭、ユーロ・ドルは1.1054ドルから1.1061ドルで推移した。

■後場のチェック銘柄

・大盛工業<1844>、大和重工<5610>など、8銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>

■経済指標・要人発言

【経済指標】

・日・7-9月期GDP2次速報:前期比年率+1.8%(予想:+0.6%、1次速報:+0.2%)

・日・10月経常収支:+1兆8167億円(予想:+1兆8104億円、9月:+1兆6129億円)

<国内>

・14:00 11月景気ウォッチャー調査・現状(予想:39.7、10月:36.7)

<海外>

・15:45 スイス・11月失業率(予想:2.3%、10月:2.2%)

・16:00 独・10月貿易収支(予想:+188億ユーロ、9月:+212億ユーロ)

《HH》

提供:フィスコ

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