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2020年1月21日 17時56分
市況

明日の株式相場戦略=パンデミック相場の実態と行方

きょう(21日)の東京株式市場は、全体売買代金が低調ななか日経平均は下値を試す展開となり、またもや2万4000円トビ台にある“硝子の壁”に行く手を阻まれる形で、2万3000円台に逆戻りとなった。

朝方は、前日の米国株市場が休場だったことから買いの手掛かり材料には事欠くものの、売りを誘発するような環境にも見えなかった。日経平均は薄商いのなか狭いゾーンでの小浮動に終始するかと思われたが、中国の武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎について人から人への感染が確認され、これが株式市場全体にも波紋を広げた。ただ、新型肺炎の感染拡大についてマーケットはこれを本当に懸念しているという段階ではなく、きょうも取引開始後しばらくは前日比小安い水準でもみ合っていたことがその証左ともいえる。例によってアルゴリズム取引による先物売りプログラムが作動してから日経平均は急速に下に引っ張られる形となったが、これは香港株市場の急な下げに呼応したもの。香港株と中国・上海株の下落が東京市場でもHFTの高速売買のスイッチを押した格好となった。

ただし、きょうの日経平均の動きは相場の実態とカイ離した部分が多い。中小型株は強い動きを示す銘柄が多く、東証1部の値上がり銘柄数は1000を上回り、値下がり銘柄数との差はわずか39にとどまった。日経平均は200円を超す下げとなったとはいえ、個別株に視点を落とした段階での体感温度はそれよりもだいぶ高い。更に、新興市場に目を向ければ日経ジャスダック平均は3日続伸で上昇波形成に何の陰りもなく、マザーズ指数も小幅ながらプラス圏で着地している。

個別株の物色対象は、新型肺炎が商機につながるとの思惑で買われている銘柄が目立つ。不謹慎ながらパンデミック祭りと称する市場関係者もいたくらい、シキボウ<3109>やアゼアス<3161>などをはじめマスク関連や防護服関連などが手当たり次第に物色されている。タイミング的に旧正月の春節を控えていることが思惑に拍車をかけた部分もあった。これは、地政学リスクが意識された時に防衛関連株として石川製作所<6208>や豊和工業<6203>、細谷火工<4274>などが買われるパターンと似ており、マネーゲームの色彩が強いのだが、マスクは実際に品薄状態(買うのは日本人とは限らない)にあるようで、ユニ・チャーム<8113>などは小売店からのマスクの発注が1日ベースで10倍、20倍に急増している状況という。株式投資において短期売買が悪ということは全くなく、今起きている社会現象を手掛かりにデイトレード対象として注目するのは十分意義はあるが、その際には、読みを働かせて報われるような物色対象ではないということもよく認識したうえで、機敏な対応が求められる。 

このほか、個別ではエクストリーム<6033>が底練りを続けているが、1900円近辺は待ち伏せ買い対象として好機を提供している可能性がある。スマートフォンゲーム開発支援業務を主軸に、開発企業への技術者派遣や受託開発を展開するが、足もとの業績は好調で、20年3月期上期営業利益は前年同期比6.7倍の7億7500万円と急拡大した。通期は前期比11%増の10億5000万円予想と2ケタ成長を見込むが進捗率を考慮すれば上振れる公算がある。ソーシャルゲーム関連は休火山状態で目先狙い目となっている銘柄が多いように思われる。

このほか、強い株につくということであれば、野村マイクロ・サイエンス<6254>が昨年8月下旬以降、5カ月にわたる昇り竜のようなチャートで目を引く。超純水装置メーカーで、韓国サムスンなどをはじめ半導体向けのウエートが高いが、台湾TSMCの1~3月期業績見通しが市場コンセンサスを上回るなど、風向きの変化が改めて意識される。

同じく半導体関連で継続注目したいのが、昨年12月に取り上げた冨士ダイス<6167>。同社も昨年8月以降強力な上昇波を構築しているが、年初の調整を経て再び上値慕いの動きにある。超硬合金製工具・金型メーカーで国内首位の実力を有しており、半導体市況底入れに伴い来期業績は急回復も視野に入る。

日程面では、あすは11月の毎月勤労統計(確報値)、12月の首都圏・近畿圏マンション販売、12月の全国百貨店売上高など。また、1月の月例経済報告が内閣府から発表される。海外では12月の米中古住宅販売件数、12月のシカゴ連銀全米活動指数、11月のFHFA住宅価格指数など。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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