21日の香港市場概況:ハンセン2.8%安で大幅続落、レジャー関連に売り継続

市況
2020年1月21日 18時00分

21日の香港市場は大幅に値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比810.58ポイント(2.81%)安の27985.33ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が361.36ポイント(3.19%)安の10970.13ポイントとそろって続落した。売買代金は1328億4000万香港ドルに拡大している(20日は1115億9900万香港ドル)。

新型肺炎の感染拡大を警戒。武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、中国各地に広がり、すでに複数の感染者が死亡した。当局による遺伝子検査で「ヒトからヒトへの感染」が確認されるなか、多数の医療従事者が罹患(りかん)したとも伝えられている。今週後半から始まる春節(旧正月)では市民が大移動するだけに、さらなる感染増も危ぐされた。2003年のSARS(サーズ、重症急性呼吸器症候群)まん延時には、経済活動が鈍化し、株式や不動産が大きく値下がりした経緯がある。また、米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスによる20日の香港債務格付引き下げも香港銘柄などにとってマイナス材料だ。「反政府デモに対する行政対応が欠如している」と指摘されている。

ハンセン指数の構成銘柄は全面安。民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が5.3%安、生命保険事業で中国最大手の中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が5.0%安、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が4.9%安と値下がり率上位に並んだ。中国人寿保険など生保に関しては、「新型肺炎に伴う保険金支払いが増える」との観測も流れている。

セクター別では、旅行・レジャー関連が安い。空運の中国東方航空(670/HK)が6.7%、中国南方航空(1055/HK)が6.5%、中国国際航空(753/HK)が5.9%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が4.1%、旅行予約サイトの同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が7.2%、ホテルの上海錦江国際酒店集団(2006/HK)が5.9%、カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.6%、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が3.2%ずつ下落した。

香港の消費セクターもさえない。I.T(999/HK)が5.1%安、莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が4.9%安、利福国際集団(1212/HK)が3.8%安、周大福珠宝(1929/HK)が3.4%安で引けた。

中国不動産セクターも売られる。世茂房地産HD(813/HK)が5.2%安、融創中国HD(1918/HK)が4.8%安、合景泰富集団HD(1813/HK)が4.7%安、華潤置地(1109/HK)が4.6%安、碧桂園HD(2007/HK)が4.1%安、広州富力地産(2777/HK)が3.9%安と値を下げた。

一方、本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.41%安の3052.14イントで取引を終えた。旅行・レジャー関連株が続落。保険株、消費関連株、自動車株、素材株、不動産株、運輸株、金融株、ハイテク株の一角も売られた。半面、医薬品株の物色は続いている。

【亜州IR】

《FA》

提供:フィスコ

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