話題株ピックアップ【夕刊】(1):オプトラン、アドテスト、リクルート
■オプトラン <6235> 3,520円 +360 円 (+11.4%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
オプトラン<6235>が大幅反発。21日の取引終了後、光通信用DWDM真空成膜装置(NBPF)を全面的に刷新し、新型装置の受注・出荷を開始したと発表しており、これが好感された。今回の刷新は、超多層光学薄膜のコーティングを歩留まり高く高精度に行い、5Gで求められる光通信向け狭帯域フィルター(DWDM用フィルター)の効率生産を可能にしたのが特徴。これにより、5G対応の光通信用フィルター性能を格段に向上させ、基地局間情報トラフィックの飛躍的増加に対応できるようになったとしている。
■アドバンテスト <6857> 6,300円 +240 円 (+4.0%) 本日終値
アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置株が反発、目先押し目買いが優勢となっている。前日の米国株市場ではNYダウなど主要株指数が下落したほか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶり反落したが、下落率はわずか0.08%にとどまったほか、アプライドマテリアルズやインテルなどはプラス圏で引けるなど頑強な動きとなった。台湾の半導体受託生産世界最大手TSMCが2020年の売上高に強気な見通しを示しており、これが半導体業界に追い風をもたらしている。東京市場ではここ半導体関連株の上値がやや重くなっていたが、下値では買い板が厚く、改めて見直し機運が漂っている。
■リクルート <6098> 4,353円 +166 円 (+4.0%) 本日終値
リクルートホールディングス<6098>が3日ぶりに反発に転じ、上場来高値を更新した。総合人材サービスのトップ企業として、M&A戦略などを駆使して業績拡大を続けている。求人検索サイト「インディード」が好調なほか、HRテックを積極推進して業績に反映させている。ここ大手企業中心にリストラ策を強める動きが顕在化しており、人材の流動化に伴い業界トップの同社の活躍余地が高まるとの見方も出ている。
■神戸物産 <3038> 4,420円 +150 円 (+3.5%) 本日終値
神戸物産<3038>が上値指向を強め、連日の上場来高値更新。5日移動平均線をサポートラインに一貫して上げ足を強めており、年初(大発会終値)から既に660円以上も水準を切り上げている。ディスカウント食品スーパーの「業務スーパー」をフランチャイズ展開するが、利益率の高い独自PB商品とローコスト店舗経営を武器に低価格路線を前面に押し出して消費者のニーズを捉えている。昨秋の消費税引き上げに伴い再び生活防衛意識が高まるなか、相対的優位性を発揮し、月次売上高の好調が続いている。
■ベクトル <6058> 1,223円 +37 円 (+3.1%) 本日終値
ベクトル<6058>が続伸。東海東京調査センターが21日付で、投資判断「アウトパフォーム」を継続し、目標株価1500円としたことが好材料視されたようだ。懸念材料だった人事評価クラウドサービスの「あしたのチーム」が費用適正化の進展で19年9~11月期に黒字化したことを評価。同社の一段の収支改善や東京五輪効果などにより、同センターでは20年2月期の営業利益を会社計画の前年比13%増を上回る15%増と予想。21年2月期は同27%増と増益継続を予想している。
■信越化学工業 <4063> 12,760円 +345 円 (+2.8%) 本日終値
信越化学工業<4063>が反発。きょう付けの日本経済新聞朝刊で、「次世代高速通信規格『5G』向けの半導体に使う高機能のウエハーを開発した」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、窒化ガリウム(GaN)を使う製法で、従来の製法よりも大型化しやすいのが特徴という。20年中にサンプル出荷を始めるとしており、業績への貢献が期待されているようだ。
■くら寿司 <2695> 5,450円 +140 円 (+2.6%) 本日終値
くら寿司<2695>は4日ぶりに上伸。同社は米国、台湾に加え、年内に中国に進出することを明らかにしたことが好感された。SMBC日興証券の21日のリポートによると同社はグローバル戦略説明会を開催し、「30年10月期に売上高3000億円、全世界で1000店」を目標に設定した。19年10月期の売上高は1361億円で、店舗数は国内442店、海外43店の水準にあり、中国を含む海外を中心に事業を伸ばす方針だ。この日は、同社の中国を中心とする海外展開に期待する買いが入った。
■日本電産 <6594> 15,700円 +230 円 (+1.5%) 本日終値
日本電産<6594>が反発。同社はあす23日の取引終了後に第3四半期(19年4~12月)の決算発表を予定しており、その結果が注目されている。昨年10月下旬の第2四半期決算の発表時には20年3月期の連結純利益が1350億円から1000億円(前期比9.7%減)に下方修正された。中国の市場環境に回復の兆しが見えないことなどが業績の悪化要因となった。あすの決算内容に関しては「足もとの業績数字はもちろんのこと、今後の市場環境をどうみているかに関するガイダンスが関心を集めそうだ」(アナリスト)との声が出ている。
■日経レバ <1570> 23,050円 +330 円 (+1.5%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が反発。全体低調商いのなかも売買代金は後場開始30分弱で既に600億円を超えており、全市場を通じて断トツとなっている。同銘柄は日経平均株価に連動するETFで価格変動率が2倍に設定されている。きょうは、全体相場が大方の予想に反し強調展開をみせており、空売り筋の先物買い戻しで日経平均は2万4000円台を回復、日経レバもこれに歩調を合わせて2万3000円台を回復している。
■NEC <6701> 5,040円 +65 円 (+1.3%) 本日終値
NEC<6701>が3日続伸。昨年12月26日以降、鮮烈な上昇波を形成しており、マーケットでも注目度が高まっている。通信大手では富士通<6702>が昨年夏場を境に次第高の展開をみせていたのに対しNECは出遅れていたが、ここにきて外国人投資家とみられる買いが観測され急速にキャッチアップする展開となっている。市場では「企業のDX関連投資が活発化していることで商機を捉えているほか、5Gの国内商用化を前に今後基地局インフラが加速していくことが予想され、同社はファーウェイ排除の分の受注を獲得できるとの思惑がある」(国内ネット証券アナリスト)と指摘されている。
株探ニュース