前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年5月29日 5時30分

■アップバンク <6177>  291円 (+80円、+37.9%) ストップ高

AppBank <6177> [東証M]がストップ高。同社が27日、ビーコンやアプリツール「SWAMP」を提供する3bitterの株式を取得し子会社化すると発表したことが買い材料視された。

■DLE <3686>  188円 (+50円、+36.2%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。ディー・エル・イー <3686> がストップ高。キャラクター開発・マーケティングなどIPビジネスを手掛ける。27日取引終了後、短編動画投稿プラットフォームアプリを運営するTrillerへの投資を目的とした海外子会社とファンドを設立することを発表。また同日、音楽のエンターテインメント分野などの企画・製作を手掛けるamidus(東京都渋谷区)の株式を取得し子会社化することも発表しており、これら出資によるグループ化戦略を手掛かり材料に短期資金が集結する形となった。

■フロンテオ <2158>  656円 (+100円、+18.0%) ストップ高

FRONTEO <2158> [東証M]がストップ高まで買われ年初来高値を更新した。同社は28日、日本マイクロソフトと連携し、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上で自社が独自開発した自然言語処理AI(人工知能)エンジン「KIBIT(キビット)」製品の販売・提供を開始すると発表。これが材料視されたようだ。両社が連携することで、Microsoft Azureを既に使用しているユーザー企業や、導入を検討しているユーザー企業にとってKIBIT製品の導入構築が容易になり、Microsoft Azure上での業務にAIを活用することが可能になる。まずは、KIBIT製品のなかでも引き合いが増加している電子メール監査システム「Email Auditor 19」と、日本マイクロソフトの統合ソリューション「Microsoft 365」の連携を強化するとしている。

■電通グループ <4324>  2,993円 (+422円、+16.4%)

東証1部の上昇率3位。電通グループ <4324> が4連騰。27日取引終了後に発表した第1四半期(1-3月)の連結業績は収益が2527億3700万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は246億9400万円(同2.7倍)、最終損益は153億5600万円の黒字(前年同期は25億8300万円の赤字)だった。景気悪化に対応したコスト管理に努めたことなどが寄与した。同時に20年12月通期の業績予想はいったん取り下げて未定とすると発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、業界全体の需要が落ち込むなか、20年度は大幅な収益減少もリスクシナリオとして想定している。ただ、今期予想の年95円配当は据え置く方針としたことが安心感を呼んだ。

■日エンター <4829>  277円 (+33円、+13.5%)

東証1部の上昇率5位。日本エンタープライズ <4829> が続急騰。同社はゲームや音楽などを中心にスマートフォン向けコンテンツを配信するほか、法人向けシステム開発を展開、水産物のeコマースなど新規事業にも取り組んでいる。27日取引終了後、エンブレース(東京都港区)、MICIN(東京都千代田区)と組み、オンライン診療ができるセキュアなタブレット端末を提供開始することを発表。新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、かかりつけ医などによるオンライン診療が即日開始できるとしており、これを評価する形で投資資金が流入した。

■エヌリンクス <6578>  360円 (+39円、+12.2%)

エヌリンクス <6578> [東証2]が4連騰。同社は27日大引け後に決算を発表。20年2月期の連結経常損益は1億6100万円の赤字(前の期非連結は3億7400万円の黒字)に転落した。なお、21年2月期の業績見通しは開示しなかった。

■VTHD <7593>  349円 (+36円、+11.5%)

東証1部の上昇率7位。VTホールディングス <7593> が急反騰し、一時3月6日以来の350円台を回復した。27日取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の1.7%にあたる200万株または10億円を上限に自社株買いを実施すると発表。併せて、株主優待制度を拡充し、20年3月末から洗車やガラスコーティングなどのキーパーLABOサービスの20%割引券を追加で贈呈することを明らかにしており、株主還元姿勢を評価する買いが入った。同時に20年3月期の連結決算(国際会計基準)を発表。20年3月期の最終利益は前の期比44.8%減の20億7900万円になり、21年3月期も前期比39.4%減の12億6000万円に落ち込む見通しになったが、こちらへの反応は限定的となった。なお、配当は20円と前期実績を維持する方針としている。

■マツオカ <3611>  2,227円 (+192円、+9.4%)

マツオカコーポレーション <3611> が急反発。27日取引終了後、厚生労働省から受注した布製マスク(ガーゼマスク)の売上高が約51億円となる見込みになったと発表しており、業績への寄与を期待する買いが入った。同社は日本政府の要請を受け、3月から自社海外工場で布製マスクの緊急生産を行ってきた。売上高見込みの約51億円は4月契約分も含む合計金額という。なお、連結業績に与える一定の影響が見込まれることになったが、 新型コロナウイルス感染拡大の業績に与える影響について未確定要因が多いことから、21年3月期業績予想は引き続き未定とした。

■天馬 <7958>  1,837円 (+134円、+7.9%)

天馬 <7958> が大幅高で5連騰。27日は好決算が評価され7%上昇したのに続き、28日も8%近い上昇をみせた。同社は27日取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の5.8%にあたる140万株または23億8420万円を上限に、28日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表、これを好感する買いが入った。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められたようだ。

■日本ドライ <1909>  1,662円 (+113円、+7.3%)

日本ドライケミカル <1909> が急反発。27日取引終了後に発表した20年3月期の連結経常利益が前の期比39.2%増の24億2100万円に拡大し、4期ぶりに過去最高益を更新したことが好材料視された。防災設備事業で都市再開発やリニューアルなどの大型案件の工事が進んだうえ、プラント施設の工事案件も増加した。また、メンテナンス事業では改修・補修工事案件の引き合いが継続したほか、車輌事業で電力会社向け特殊車輌を納入しており、これらも業績拡大につながった。21年3月期の業績見通しは開示しなかったが、新型コロナウイルスの影響が懸念されるなか、防災・減災を目的とした公共事業や都市部の大規模再開発などによる需要拡大の継続への期待は大きい。

■リクルート <6098>  3,849円 (+253円、+7.0%)

リクルートホールディングス <6098> が4連騰と上値追い基調。寄り付きはカイ気配で始まる人気となった。同社が27日取引終了後に発表した20年3月期決算は売上高が前の期比4%増の2兆3994億6500万円と増収を確保し、最終利益段階で同3%増の1798億8000万円と増益を達成した。新型コロナウイルスの影響が懸念されるなか、求人検索サイト「インディード」が牽引する形で成長トレンドを維持したことを評価する買いが優勢だ。ただ、4月の売上収益は前年同月比21%減と足もとは苦戦しており、上値では戻り売りも厚い。

■大塚HD <4578>  4,669円 (+279円、+6.4%)

大塚ホールディングス <4578> が大幅4日続伸、4000円台前半のもみ合いを上放れた。同社は精神神経系の医薬品を主力とする製薬大手。28日後場取引時間中に発表した20年12月期第1四半期(1-3月)決算は、抗精神病薬など主力製品が好調で売上収益が前年同期比8%増の3395億6000万円、営業利益は同73%増の539億4600万円と急拡大しており、これを材料視する買いを呼び込む形となった。

■SRAHD <3817>  2,414円 (+137円、+6.0%)

SRAホールディングス <3817> が大幅に4日続伸。27日の取引終了後に発表した20年3月期決算が、売上高436億4200万円(前の期比7.0%増)、営業利益49億4800万円(同21.3%増)となり、営業利益が従来予想の45億円を上回って着地したことが好感された。運用・構築事業及び販売事業が増加したことによる増収効果に加えて、販売管理費の効率化も寄与した。なお、同時に発表した21年3月期連結業績見通しは、売上高427億円(前期比2.2%減)、営業利益45億円(同9.1%減)と減収減益を見込む。新型コロナウイルス感染症による製造業などの収益が低下し、厳しい状況が続くことが見込まれており、同社の顧客に製造業の割合が高いことからその影響を受けるものとしている。

■ピアラ <7044>  1,602円 (+86円、+5.7%) 一時ストップ高

ピアラ <7044> [東証M]が続急伸、一時ストップ高に買われた。同社は成功報酬型のEC事業者向け販促支援を手掛け、売上高、利益ともに急成長局面にある。27日取引終了後、アイドルグループのHKT48とNGT48を傘下に持つSproot(東京都港区)と資本・業務提携することを発表、これを材料視する買いを呼び込んでいる。今後、HKT48とNGT48のネットや動画広告での収益化などをSprootと協業体制で進めていく構えにある。

■アジア投資 <8518>  252円 (+13円、+5.4%)

日本アジア投資 <8518> が大幅高で4連騰、ここにきて継続的な投資資金の流入が観測され25日移動平均線との上方カイ離を広げている。ベンチャーキャピタルでメガソーラーなどをはじめ再生可能エネルギー分野に注力している。植物工場やバイオガス発電原料の関連施設などの投資も行い業容を広げている。20年3月期営業利益は前の期比2.4倍の7億1600万円と収益も急回復歩調。信用残が直近データで135万株強あるが、昨年来一貫して減少傾向にあり、現在はピーク時の半分以下の水準で株式需給面の改善も効いている。

■アゼアス <3161>  1,014円 (+52円、+5.4%) 一時ストップ高

アゼアス <3161> [東証2]が続急伸し一時ストップ高の1112円に買われた。27日の取引終了後、集計中の20年4月期連結業績予想について、売上高が98億5000万円から99億4100万円(前の期比4.4%増)へ、営業利益が3億2600万円から4億6900万円(同65.1%増)へ、純利益が2億1800万円から3億1900万円(同48.4%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。主力の防護服・環境資機材事業でタイベック防護服のシェア拡大と新規防護服分野の市場創造に注力したことに加えて、断続的に発生する豚熱の封じ込め作業に伴う需要や、新型コロナウイルスへの対応に伴う需要に対応したことが奏功したという。

■アルテック <9972>  236円 (+12円、+5.4%)

アルテック <9972> が大幅高で4連騰。低位株の物色人気が高まるなか、出来高を伴いマドを開けて上放れてきた。産業機械商社でペットボトルの製造事業も行っている。3Dプリンターの取り扱いで高実績を持つが、直近は業界最大手であるストラタシス製の最新機種取り扱いを開始、株価を刺激している。20年11月期は営業15%増益予想でPER7倍台、PBR0.4倍未満と株価指標面でも割安感が強い。

■日立金 <5486>  1,237円 (+62円、+5.3%)

日立金属 <5486> が4日続伸。同社は27日大引け後に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。20年3月期の連結税引き前損益は406億円の赤字(前の期は430億円の黒字)に転落し、21年3月期は150億円の赤字に赤字幅が縮小する見通しとなった。

■日電産 <6594>  6,838円 (+334円、+5.1%)

日本電産 <6594> が急反発し、約3ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。27日取引終了後、大手自動車メーカーの中国・吉利汽車が5月に発表した新型電気自動車(EV)「Geometry C」にトラクションモータシステム「E-Axle」の150kWモデル「Ni150Ex」が採用されたと発表しており、これを好材料視する買いが入ったようだ。「E-Axle Ni150Ex」は昨年4月に量産開始した「E-Axle」の進化モデルで、「Geometry C」の動力性能、電費性能、音振性能の向上と車重の低減に大きく貢献しているという。同社は2030年までにEV用駆動モーター市場で世界シェア35%獲得を目指しており、E-Axleをそのけん引役に位置づけている。

■キーエンス <6861>  44,580円 (+1,840円、+4.3%)

キーエンス <6861> が1800円を超える上昇をみせ4連騰。異彩の強さを発揮して上場来高値圏を走っている。新型コロナウイルス感染症拡大による影響で世界経済が落ち込むなかFA関連セクターには逆風が強かった。しかし、ここにきて主要先進国で経済再生に向けた動きが活発化、全人代開催中の中国でも景気刺激策への思惑があり、景気底入れへの期待で風向きが変わった。同社株も貸株調達による空売りが高水準に入っていたことがうかがわれるが、5月下旬以降は買い戻しにより踏み上げ相場の様相となっている。

■芝浦機 <6104>  2,413円 (+92円、+4.0%)

芝浦機械 <6104> が大幅高で4日続伸。同社は27日取引終了後に21年3月期の配当予想を発表。年間配当は前期比114円30銭増の199円30銭に大幅増配する方針とした。年間75円(中間期と期末に37円50銭ずつ)の普通配当に加え、6月末を基準日として総額約30億円(1株当たり124円30銭)の特別配当を実施する。特別配当の実施は2月21日に公表済みだが、これを改めて材料視する買いが向かったようだ。なお、同時に発表した20年3月期の連結最終利益は前の期比79.9%増の73億3800万円となり、続く21年3月期の同損益予想は26億円の赤字に転落する見通しとなった。今期は経営改革プランの実施で構造改革費用が膨らむ見込みだ。

■大日印 <7912>  2,437円 (+88円、+3.8%)

大日本印刷 <7912> が4日続伸。同社が27日取引終了後に発表した20年3月期の連結業績は営業利益が前の期比12.8%増の562億7400万円と従来予想510億円を上回って着地したことが好感された。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を中心に情報コミュニケーション部門が好調だったようだ。市場には、前3月期の決算内容に対して「ポジティブ」と評価する見方が出ている。21年3月期の業績予想は未定とされているが、アナリストからは同利益は630億円前後と増益基調を継続するとの予想が出ている。

■ファストリ <9983>  59,110円 (+2,110円、+3.7%)

ファーストリテイリング <9983> が大幅高で9連騰と気を吐いた。売買代金も東証1部でソフトバンクグループ <9984> に次ぐ第2位にランクイン。日経平均は5月中旬以降、先物主導で戻り足を強めているが、値がさで日経平均寄与度の高い同社株の貢献度合いも大きい。新型コロナウイルスの影響で足もとの業績は逆風が強いが、収益の落ち込みをにらんで空売りを仕掛けていた筋の買い戻しに加え、日経225先物上昇に伴う裁定買いが同社の株価に浮揚力を与えている。

■ヤマハ <7951>  5,200円 (+180円、+3.6%)

ヤマハ <7951> が大幅反発。野村証券は27日、同社株のレーティングの「バイ」を継続した。目標株価は6700円(従来7100円)とした。新型コロナウイルスの影響で店舗販売がメインであるピアノを中心に販売が一時的に落ち込むが、巣ごもり消費で楽器のオンライン販売が好調となるなど、楽器・音楽の需要自体は堅調。コロナ収束後は着実な市場回復が見込めるとみている。今1-3月期に続き、4~5月も楽器市場の落ち込みは続いている。ただ、7-9月期からは日本や中国市場の回復に加え欧州市場も正常化することで、業績は急回復すると予想。会社側では21年3月期の業績は未定としているが、同証券では連結営業利益は前期比5.4%減の410億円を見込む。また、22年3月期の同利益は560億円と急回復を予想している。

■飯田GHD <3291>  1,621円 (+56円、+3.6%)

飯田グループホールディングス <3291> が5日続伸。SMBC日興証券は27日、同社株の目標株価を1400円から1800円に引き上げた。投資評価の「2」は継続した。低価格戸建て分譲住宅大手である同社が15日に発表した20年3月期の連結業績は、営業利益が前の期比14.0%減の835億1300万円となった。21年3月期の業績は未定としたが、同証券では、今3月期の営業利益を前期比16.2%減の700億円と見込んでいる。値引きなどによる実需喚起により一定の販売は確保できるとみているほか、土地仕入れ厳選化による原価抑制効果で徐々に利益は改善基調に転じると指摘。22年3月期の同利益は今期推定比15%増の805億円と回復に転じると予想している。

■ヤクルト <2267>  6,490円 (+190円、+3.0%)

ヤクルト本社 <2267> が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は27日、同社株の目標株価を7000円から7400円に引き上げたことが好感された。投資評価の「オーバーウエイト」は継続した。同証券では、新型コロナウイルスの影響は、短期的にヤクルトレディ(YL)の活動制限や球団収入の減少を通じたネガティブな影響が出るとしている。ただ、中長期的な視点では感染予防や免疫機能強化などのニーズの高まりが、同社にとって成長のチャンスになるとの考えを示している。21年3月期営業利益を前期比0.4%減の455億円(会社計画470億円)と減益を見込んでいるものの、22年3月期の同利益は今期推定比9.9%増の500億円と回復に転じると予想している。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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