ピアズ---ポストコロナで頭角を現しつつある変化適応力。スマホで注文、キャッシュレス決済のオーダーシステムを提供

材料
2020年6月19日 8時25分

ポストコロナの状況下で注目すべき企業を追う特集は、「働き方革新」を掲げ日本の労働力不足に立ち向かうピアズ<7066>の2回目だ。

同社は4月末以降、ポストコロナのニューノーマル社会に適したサービスを矢継早に打ち出している。最初の矢は、飲食業界向けに顧客自らの携帯電話でオーダーから決済まで出来るセルフオーダーシステムの導入支援を行う子会社を設立したことだった。

子会社の名前は「XERO(ゼロ)」。今回のサービス提供開始のリリースはタイミングが良すぎて、かえって拙速な印象を与えたかもしれないが、そもそも設立の狙いは、コロナ対策というよりは、現在の日本が抱える労働市場における需給ギャップにあった。

2030年には644万人に上るとみられる人手不足だが、産業別に見ていくと、とりわけ飲食

業界(サービス業)における需給ギャップが最も深刻であり、その数は400万人にも及ぶと言われる。年々深刻さを増す業界の人出不足の最中に起こったのが、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大であり、その後の非常事態宣言による営業自粛による打撃であった。

「XERO」の扱う主な商材は、飲食店にQRコードを設置しこれを読み取ることで顧客自身のスマートフォンからオーダーが可能となり、また支払いの決済まで自分のスマートフォンでキャッシュレスにて行える、セルフオーダーシステムだ。「モバイルオーダー決裁サービス」と呼んでいる。

同システムの導入により、飲食店舗に従事する従業員にとっては、顧客自身がセルフで注文オーダーをすることで都度注文を伺う稼働を削減することができ、優先順位の高い別の業務に注力することができるようになる。店舗内の省人化によるコスト削減が可能となるわけだ。さらに、スマートフォンを利用している新規顧客の囲い込みや、メニューの多言語化による訪日外国人顧客の取り込みによる売上の増加も見込める。

一方、顧客にとっては、定員の呼出しやオーダー待ちといったストレスが無くなり、自分のタイミングで自身のスマートフォンから追加オーダー等が可能となる。

もともと、日本の生産性が低いのはサービス産業であり、「早い、うまい、安い」の薄利多売のキャッチコピーや、「おもてなし」の美名のもとに、長い間、安い給料での長時間勤務やシフトなど、悪条件での雇用が正当化されてきた。人があふれていた時代は終わり、すでに働き手は貴重な資源となっている。新たなテクノロジーを導入し、普及させながら同時に本来の人間力も向上させることで、サービス業界の生産性を高め、働き手も幸せになることこそ現代日本が行うべき働き方である、というのがピアズの主張するところだ。

コロナ危機を大きなチャンスとして、サービス業界での「働き方革新」には、「ゼロ」の提供するようなテクノロジーによる抜本的な解決が最も望まれているのではなかろうか。

《ST》

提供:フィスコ

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