前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年7月3日 5時30分

■クレアHD <1757>  159円 (+21円、+15.2%)

クレアホールディングス <1757> [東証2]が6連騰し、年初来高値を更新した。1日の取引終了後、子会社クレアが販売するダチョウ抗体を配合した 新型コロナウイルス感染症対策商品「V BLOCK SPRAY」などに関して、パースジャパン(東京都文京区)と売買基本契約書を締結したことを発表しており、これが好感された。パースジャパンは、病院内における患者のアメニティ環境の構築を手掛け、特に病院向けテレビレンタルでは業界最大手クラスの実績を有している。今回の売買契約を締結したことにより、クレアが同商品を安定的に販売し、収益をねん出できる効率的な商流の構築につながるとしている。なお、同商品の販売実績を積み上げたうえ、業績に重大な影響を与えることが判明した場合、速やかに開示するとしている。

■Aバランス <3856>  814円 (+106円、+15.0%) 一時ストップ高

Abalance <3856> [東証2]が急反騰、商いも増勢でマーケットの注目を集めた。法人向けソフト開発を祖業とするが、現在は太陽光発電事業に経営資源を注いでいる。政府が打ち出した「ムーンショット型研究開発制度」では、ターゲットの1つに「地球環境再生のために、持続可能な資源循環の実現による、地球温暖化問題の解決(Cool Earth)と環境汚染問題の解決(Clean Earth)を目指す」という目標が掲げられており、同社はその関連有力株との位置づけで、株価の先高を見込んだ投資資金が流入した。6月中旬にマドを開けて急騰したが、ここで日足一目均衡表の雲抜けを果たしており、中期的にも13週・26週移動平均線のゴールデンクロス接近で注目されやすいタイミングにあった。

■スーパーV <3094>  786円 (+100円、+14.6%) ストップ高

スーパーバリュー <3094> [JQ]がストップ高。同社は埼玉県を中心に食品スーパーホームセンターを併設した複合店舗を展開。外出自粛による「巣ごもり消費」に加え、東京に勤務している「埼玉都民」の需要がテレワークで地元に回帰するとの期待が浮上している。同社の4月の既存店売上高は前年同月比12.6%増、5月は同14.2%増と好調。業績拡大期待で同社株には買いが集まった。

■リテールPA <8167>  1,838円 (+206円、+12.6%)

東証1部の上昇率トップ。リテールパートナーズ <8167> が急反騰。2日10時30分ごろ、21年2月期の連結業績予想について、売上高を2283億円から2363億円(前期比3.3%増)へ、営業利益を40億円から62億5000万円(同39.9%増)へ、純利益を26億円から42億5000万円(同89.7%増)へ上方修正すると発表しており、一転して増収増益見込みとなったことが好感されたようだ。第2四半期累計期間において、マスクや消毒液などの衛生用品や内食需要の高まりによる売り上げが大きく伸長し、また特売の自粛による売上総利益率の上昇などが業績を大きく押し上げる見込みとなった。

■MTI <9438>  728円 (+56円、+8.3%)

東証1部の上昇率4位。エムティーアイ <9438> が続急伸。同社は1日、自社の基礎体温記録アプリ「ルナルナ 体温ノート」が、オムロン <6645> グループのオムロンヘルスケアの婦人電子体温計「MC-652LC」とデータの連携を開始したと発表。これにより、国内すべての転送機能付き婦人体温計との連携が可能になったといい、ユーザ数の更なる拡大などが期待されたようだ。また同日には、埼玉県杉戸町や埼玉県秩父市、岡山県玉野市、山口県田布施町、兵庫県小野市、兵庫県多可町、広島県庄原市で母子手帳アプリ「母子モ」の提供を開始したことも明らかにしている。

■エスプール <2471>  780円 (+56円、+7.7%)

東証1部の上昇率5位。エスプール <2471> は大幅反発。1日取引終了後、集計中の第2四半期累計(19年12月-20年5月)連結業績予想について、売上高を96億3300万円から97億5900万円(前年同期比17.6%増)へ、営業利益を7億8800万円から9億9100万円(同29.9%増)へ、純利益を5億900万円から6億8800万円(同38.7%増)へ上方修正しており、これを好感した買いが流入した。売上高は、新型コロナウイルス感染症の拡大で一部業務の縮小や延期があったものの、ロジスティクスアウトソーシングサービスで、巣ごもり需要によりEC通販業務が増加したことなどが牽引した。損益面では、人材アウトソーシングサービスの増収効果に加えて、派遣スタッフの募集費などの販管費や、障がい者雇用支援サービスで農園の建設費用を抑えたことなどが寄与した。なお、20年11月期通期業績予想は、景気動向などに伴う不確定要素があるとして従来見通しを据え置いている。

■富士製薬 <4554>  1,206円 (+68円、+6.0%)

東証1部の上昇率10位。富士製薬工業 <4554> が急反発。1日の取引終了後、20年9月期の連結業績予想について、純利益を4億9200万円から16億6400万円(前期比43.8%減)へ上方修正すると発表しており、これが好感された。第2四半期累計期間の末日時点で投資有価証券の評価損を見込んでいたが、その後対象有価証券の時価が回復したことから、投資有価証券の評価損11億7200万円を戻入計上するという。なお、売上高338億3000万円(同6.8%減)、営業利益25億7100万円(同38.4%減)については、従来見通しを据え置いている。

■総医研HD <2385>  555円 (+25円、+4.7%)

総医研ホールディングス <2385> [東証M]が大幅高。1日の取引終了後、集計中の20年6月期の連結業績予想について、売上高が80億円から90億円(前の期比18.9%増)へ、営業利益が8億8000万円から10億円(同15.5%増)へ、純利益が5億8000万円から6億5000万円(同17.5%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。中国の流通企業である杭州高浪との資本・業務提携効果もあり、化粧品事業で「モイストクリームマスクPro.」を中心とする中国市場向け商品の販売が拡大傾向で推移したことが要因としている。また、業績上振れに伴い、従来4円を予定していた期末一括配当を5円に引き上げるとあわせて発表した。

■ヤマトHD <9064>  2,446円 (+91円、+3.9%)

ヤマトホールディングス <9064> が大幅続伸。年初来高値近辺で強い動きをみせた。新型コロナウイルス感染拡大への警戒感が国内外で高まるなか、市場ではコロナ耐性の強い銘柄に改めて着目する動きが出ている。移動制限が復活する可能性も取りざたされるなか、個人消費も再び“巣ごもり消費”の傾向を強めるとの見方が強まっており、EC市場拡大で潤うセクターに注目が集まりやすい。同社はEC市場拡大に伴う配送需要の増加が追い風となるほか、コロナショック後に顕在化している人件費の低下が収益押し上げ要因になるとみられている。

■H2Oリテイ <8242>  720円 (+16円、+2.3%)

エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> が反発。1日の取引終了後に発表した6月度の売上速報で、全店合計売上高が前年同月比10.0%減と前月の同64.1%減から大きく減収率が縮小しており、これが好感された。5月21日にほぼ全面的に営業を再開したものの、6月中も時短営業となり、集客につながる催事や販促施策の自粛を継続したことが響いた。ただ、来店客の集中を避けるために前倒ししたクリアランスなどが売り上げを底上げした。

■ビープラッツ <4381>  2,165円 (+49円、+2.3%)

ビープラッツ <4381> [東証M]が反発。1日取引終了後、サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats」が明電システムソリューションが提供する「MEIDEN SOLUTION PASS」に採用されたと発表しており、これを好感する買いが入った。MEIDEN SOLUTION PASSは、明電システムソリューションが販売する労働災害をVRで疑似体験できる「VR 安全体感サービス」の各種コンテンツや関連機器など取り扱うマーケットプレイス。6月25日に発表したNTTデータ <9613> の電気事業者向けクラウドサービス「ECONO-CREA」に続く採用で人気が高まっている。

■エスクロAJ <6093>  197円 (+4円、+2.1%)

エスクロー・エージェント・ジャパン <6093> が反発。同社が1日、WILLCOと業務提携し、専門家事務所向け人材サービスを開始すると発表したことが買い材料視された。

■オービック <4684>  18,950円 (+320円、+1.7%)

オービック <4684> が4日ぶりに反発。2日付の日本経済新聞朝刊で「オービックの2020年4-6月期の連結営業利益は前年同期比1割増の115億円程度になったもようだ」と報じられており、これを材料視する買いが入った。記事によると、大企業や中堅企業向けに業務効率改善のためのクラウドサービスが伸びたという。同社株はIT系グロース株として人気が根強く、全体相場が膠着状態にある中、上場来高値圏で頑強な動きを続けた。

■SBG <9984>  5,630円 (+79円、+1.4%)

ソフトバンクグループ <9984> が3連騰、東証1部上場企業のなかで断トツの売買代金をこなし、上値指向を継続。新型コロナウイルス感染拡大による投資先企業の価値減少などが収益に大きなダメージを与えたものの、保有株売却などで財務不安への思惑は後退、自社株買いなどに前向きなこともあり、株価は空売り玉を飲み込む形で上値指向が強い。「6月下旬以降にリリースされた国内外の証券会社リポートで概ね強気の目標株価が設定されていることも買い安心感につながっている」(国内証券アナリスト)という。

■ユニチャーム <8113>  4,465円 (+62円、+1.4%)

ユニ・チャーム <8113> をはじめ中京医薬品 <4558> [JQ]、マナック <4364> [東証2]、興研 <7963> [JQ]などのマスク・除菌剤関連や赤外線サーモグラフィーを手掛ける日本アビオニクス <6946> [東証2]など新型コロナウイルス対策関連銘柄が急動意。2日昼過ぎ、東京都内で新たに100人以上の感染者を確認したと複数のメディアが報じており、これを手掛かり材料に関連銘柄に再び関心が向かったようだ。ただ、買い一巡後は伸び悩む銘柄もあった。

■ケイアイ不 <3465>  1,740円 (+24円、+1.4%)

ケイアイスター不動産 <3465> が3日続伸。同社が1日、不動産・建設業界に特化した人材派遣・紹介事業を開始すると発表したことが買い材料視された。

■テルモ <4543>  4,078円 (+52円、+1.3%)

テルモ <4543> が反発。同社は1日、MICIN(東京都千代田区)と糖尿病治療支援システムの共同開発を開始したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。このシステムは、個々の患者の血糖値や食事・運動・服薬などの情報に基づき糖尿病治療を支援することを目的としたデジタル治療。デジタル治療とは、医学的エビデンスに基づいたソフトウェアによる治療介入で、疾病の管理だけでなく、予防・治療を支援する治療法で、患者ひとりひとりに合わせた個別化医療を支援できること、受診する間の診療空白期間にも介入支援できること、蓄積されるデータで治療法の向上を図れることなどから、特に慢性疾患での活用が期待されている。

■任天堂 <7974>  48,290円 (+500円、+1.1%)

任天堂 <7974> が4日ぶり反発。国内外で新型コロナウイルス感染第2波への警戒感が強まっている。レジャー分野でゲーム関連は巣ごもり消費の象徴となっており、「ニンテンドースイッチ」の需要活況な同社に追い風が改めて意識された。ソフトでは「あつまれ どうぶつの森」が大ヒットしており、再び外出自粛の思惑が浮上するなか、コロナ耐性の強い銘柄として個人投資家など短期筋の買いに厚みが加わった。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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