センチメントが急激に悪化、まずは決算ピーク通過を待ちたい【クロージング】

市況
2020年7月31日 15時49分

31日の日経平均は大幅に6営業日続落。629.23円安の21710.00円(出来高概算16億7800万株)で取引を終えた。終値では6月15日の大陰線で付けた以来の安値水準となった。米アップルの時間外の上昇等を背景に朝方こそ小じっかりで始まったが、決算が嫌気されたアドバンテスト<6857>がストップ安を付けたことから過度な楽観ムードが大きく後退。先物主導による断続的なインデックス売りに押される流れとなり、時間とともに下落幅を広げる波乱の展開となった。追加の自社株買いを発表して朝方買われていたソフトバンクG<9984>が下げに転じたことも重石となっている。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が2000を超えており、全体の9割を占める全面安商状。セクターでは東証33業種全てが下げており、ゴム製品、海運、鉱業、パルプ紙、鉄鋼、金属製品、保険などの弱さが目立っている。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテストのほか、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG、ファナック<6954>、信越化<4063>、中外薬<4519>など軒並み大きく値を下げている。

日経平均は底堅く始まったが、結局はデッドクロスした5日線に上値を抑えられ、反対に支持線として意識されていた節目の22000円を割り込んでいる。6月半ば安値とのダブルボトム形成が意識されやすいところであるが、これまで相場をけん引していたハイテク株等への利益確定の流れが強まっており、押し目買いを意識させてくるムードではない。また、一目均衡表では雲上限を割り込み、遅行スパンは実線を割り込んだことから、下方シグナルを発生させている。センチメントが急激に悪化しており、まずは決算ピークが通過することを待ちたいところである。

悪い決算内容は織り込み済みながらも決算を受けて売り直されるほか、期待されていた決算に届かないと一気に売りが集中する流れとなっている。決算期待の買いは入りづらく、決算後を見極めることになりそうだ。また、新型コロナウイルス感染症については、来週にも今回の4連休期間における結果が表れてくると考えられる。既に過去最高を更新している状況であり、経済活動再開に伴う景気回復への期待が後退することにもつながろう。物色についてはインデックスに振らされやすい主力ところを避け、下値リスクの小さい中小型株を探ることになりそうだ。

《AK》

提供:フィスコ

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