フェローテックホールディングス---1Q売上高微減、電子デバイス事業は順調に推移
フェローテックホールディングス<6890>は14日、2021年3月期第1四半期(20年4月-6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比2.3%減の205.26億円、営業利益が同25.5%減の15.60億円、経常利益が同68.5%減の5.63億円、親会社株主に帰属する四半期純損失が10.96億円(前年同期は13.26億円の利益)となった。
半導体等装置関連事業の売上高は前年同期比0.1%増の138.87億円、営業利益は同55.7%減の7.36億円となった。主力の真空シールは、半導体および有機ELパネルなどの製造装置内に装着され密封空間を保持する機能部品であるが、半導体や有機ELパネルメーカーの設備投資が調整局面から回復の兆しがみられた。また、半導体のウエーハプロセスに使用されるマテリアル製品(石英・セラミックス等)は、各国のロックダウンによるリモートワーク等の拡大により、PCやサーバー用途の各種メモリの価格が回復し、デバイスメーカー各社の設備投資や生産活動が再開されたため、需要は前年並みの水準となった。シリコンウエーハ加工は、一定の水準で推移したが、設備償却費が負担となった。半導体製造装置、有機ELパネル製造装置などの部品洗浄は、堅調に推移した。
電子デバイス事業の売上高は同6.4%増の34.67億円、営業利益は同23.7%増の8.83億円となった。主力のサーモモジュールは、自動車温調シート向けが北米および中国市場での自動車販売数の減少により、軟調となった。5G用の移動通信システム機器、PCR等の医療検査装置向けは計画通りに推移した。パワー半導体用DCB基板は、順調に売上を伸ばしており、車載用のAMB基板は、数多くの顧客において認定取得中であり、年内に量産化を計画している。磁性流体は、スピーカー向けとスマートフォン用途の需要は一定の水準で推移した。
未定としていた2021年3月期通期について、同日、業績予想を発表した。売上高が前期比4.1%増の850.00億円、営業利益が同8.1%増の65.00億円、経常利益が同29.0%増の55.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.0%減の15.00億円としている。また、2021年3月期末日を基準日とする剰余金の配当について、未定としていた期末配当を1株当たり12.00円とし、年間配当を24.00円とすることを発表した。
《YM》