スカラ---20年6月期は売上収益微減も、SaaS/ASP事業の月額ストック売上収益は累積的に増加

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2020年8月17日 15時22分

スカラ<4845>は14日、2020年6月期連結決算(IFRS)を発表した。Non-GAAP 指標に基づく経営指標等については、売上収益が前期比0.5%減の170.25億円、営業利益が同51.5%減の10.45億円、税引前利益が同52.3%減の10.18億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同54.4%減の4.31億円となった。

SaaS/ASP事業の売上収益は前期比3.6%増の41.23億円、セグメント利益は同68.1%減の2.24億円となった。顧客ニーズへの柔軟な対応により月額のストック売上収益は累積的に増加した。特に主力サービスである「i-ask」やその他Webサービスをはじめとした各サービスの導入、また導入済みサービスの機能拡張の受注に注力するとともに、地方創生に関する事業にも力を入れており、地方自治体へのサービスの導入も増加している。

SFA事業の売上収益は前期比0.6%減の48.14億円、セグメント利益は同48.7%減の4.73億円となった。主力商品であるCRM/SFAソフトウェア「eセールスマネージャー」の販売は、特に新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発出後は低調に推移した。教育・コンサルティングサービスも、集合研修やセミナー等の開催の延期・取り止め等が発生した。

フィールドマーケティング事業の売上収益は前期比0.5%減の39.36億円、セグメント利益は同35.0%減の2.07億円となった。主力サービスである定期フィールドビジネスや人材派遣ビジネスにおいて、緊急事態宣言発出中は多くの顧客が活動自粛したため売上は伸び悩んだ。緊急事態宣言解除後は顧客も徐々に活動を再開しており、それに伴い売上も一定程度は回復したが、結果として減収となった。

カスタマーサポート事業の売上収益は前期比17.6%減の22.61億円、セグメント利益は同27.2%増の0.86億円となった。電力小売事業者よりコンタクトセンターの運営、人材採用、コスト削減までの総合コンサルティング業務を受注した他、企業のカスタマーコンサルティング業務の受注や、スカラコミュニケーションズのサービス利用顧客のカスタマーサポート業務を受注した。また、利益率の低い案件を縮小するなどの業務効率化を行っており、より利益率の高いサービス提供に注力した。

2021年6月期通期の連結業績予想(IFRS)は、売上収益が前期比23.6~41.3%減の100.00~130.00億円、営業利益が同231.8~274.6%増の31.00~35.00億円、税引前利益が同241.5~285.5%増の31.00~35.00億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同803.0~927.5%増の29.00~33.00億円と、減収ながらも増益を見込んでいる。

また同社は、同社が保有する全てのソフトブレーン<4779>の普通株式を譲渡し、その対価として取得する現金資産を、中期経営計画「COMMIT5000」の実現に向けたグループの関連事業に関するM&Aや新規事業開発、エンゲージメント・CVCファンド等に積極的に活用し、クライアントやパートナー企業との価値共創プラットフォームの実現に注力していくとしている。

売上収益は、本株式譲渡により2021年6月期第2四半期よりSFA事業およびフィールドマーケティング事業が非継続事業となるため減少するが、2021年6月期第3四半期に株式の売却益が計上される予定という。

ソフトブレーングループを除く2021年6月期第2四半期以降の継続事業のうち、2020年6月期から継続している既存事業で、投資事業以外の主にSaaS/ASP事業、カスタマーサポート事業、EC事業を構成するスカラコミュニケーションズ、スカラサービス、レオコネクト、コネクトエージェンシー、スカラプレイスの5社の当連結会計年度におけるNon-GAAP指標ベースの売上収益合計は74.02億円(前期比2.7%減)、営業利益合計は15.32億円(前期比0.9%増)、税引前利益合計は15.32億円(前期比1.1%増)と、コロナウイルス感染拡大の中では堅調に推移している。来期においては、大型案件の受注や投資効果によるサービス提供の効率化により、業績向上を見込んでいる。

※ IFRSから同企業集団が定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したもの。なお、各セグメント数値については、IFRSでの数値を記載。業績予想数値については、調整項目はなし。

《NB》

提供:フィスコ

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