前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年10月1日 5時30分

■バイク王 <3377>  308円 (+80円、+35.1%) ストップ高

バイク王&カンパニー <3377> [東証2]がストップ高。9月29日の取引終了後、20年11月期の経常利益(非連結)を従来予想の3億7000万円(前期比3.1%増)から8億5000万円(同2.4倍)へ大幅上方修正すると発表しており、これを好感する買いが入った。業者向けのホールセール販売で足もとのオークション相場が上昇していることに加え、小売り部門も各施策や市場の回復を背景に業績が好調に推移しているという。上期業績の好調も反映した。また、指標面では前日終値ベースの予想PERが15.2倍から5.8倍に急低下し、割安感が強まったことも手がかり材料となったようだ。

■NTTドコモ <9437>  3,885円 (+672円、+20.9%)

東証1部の上昇率2位。NTTドコモ <9437> が3日続急騰。9月29日はストップ高で大引けに買い物を残したが、30日も上値を見込んだ買いが集中した。NTT <9432> がTOBを実施し同社の完全子会社化を目指すことを正式発表し、TOB価格は1株3900円に決定(買い付け期間は9月30日から11月16日まで)したことを受け、これにサヤ寄せする形で水準を切り上げた。NTTとの一体化で5Gなど成長分野への投資を加速させるとともに、携帯電話料金値下げに取り組む構え。

■KYCOM <9685>  936円 (+150円、+19.1%) ストップ高

KYCOMホールディングス <9685> [JQ]がストップ高。独立系ソフト開発会社で受託開発を主力としており、通信や公共向けを中心に実績が高い。データ関連サービスでも強みを発揮する。菅首相の政策骨子のひとつである行政のデジタル化推進では「デジタル庁」創設に向けての動きが今後関連銘柄に恩恵が及ぶとの見方が強く、同社もその一角。信用買い残は20万株程度で株式需給面でも軽さがあり、上値を見込んだ投資資金の攻勢が続いている。

■ウェッジHD <2388>  150円 (+22円、+17.2%)

昭和ホールディングス <5103> [東証2]とウェッジホールディングス <2388> [JQG]が高い。9月29日の取引終了後、両社の子会社であるグループ・リースに対して、Jトラスト <8508> 傘下のJトラストアジアがタイで提起した会社更生申立訴訟に勝訴したと発表しており、これを材料視する買いが入った。Jトラストアジアが18年1月10日に会社更生申立訴訟を提起し、19年8月15日付で同申立が棄却され、同年11月26日に控訴が申し立てられ係争中だった。その判決が9月29日に出され、JTAの請求は全て棄却されたという。なお、Jトラストアジアは最高裁判所への上訴の許可を求める申し立てを行うことを検討するとしている。

■バーチャレク <6193>  714円 (+100円、+16.3%) ストップ高

バーチャレクス・ホールディングス <6193> [東証M]がストップ高。9月29日の取引終了後、非開示だった21年3月期の連結業績見通しを発表。売上高は53億円(前期比10.9%減)と減収を見込むものの、経常損益は4000万円の黒字(前期は1億9100万円の赤字)に浮上する見通しとなり、これを好材料視する買いが入った。IT&コンサルティング事業、アウトソーシング事業ともに一部のクライアントで新型コロナウイルス感染症の影響による委託業務の縮小や開発投資の抑制があり、売上高は2ケタ減となる予想。一方、利益面では前期にIT&コンサルティング事業で計上したタイムインターメディアの大型システム開発案件における品質トラブルに伴う損失がなくなるほか、販管費を含めた徹底したコスト削減も寄与し、黒字に転換する見込みだ。

■ジーエヌアイ <2160>  3,740円 (+510円、+15.8%) 一時ストップ高

ジーエヌアイグループ <2160> [東証M]が続急騰。遺伝子解析に強みを持つバイオベンチャーで中国を開発拠点としている。9月29日取引終了後、肝線維症治療候補薬「F351」第2相臨床試験の最終報告会が上海で9月26日に開催され、F351が肝線維症患者にとって安全かつ効果的であると結論づけたことを発表。これを手掛かり材料に物色人気が集中した。

■アルファクス <3814>  748円 (+100円、+15.4%) ストップ高

アルファクス・フード・システム <3814> [JQG]がストップ高。9月30日前場の取引終了後、外食産業専用セミセルフレジ 「セルフショット」の導入例として、アークランドサービスホールディングス <3085> が運営するとんかつ専門店「かつや」への導入を紹介しており、これが刺激材料となったようだ。現在、国内414店の「かつや」及びからあげ専門店「からやま」へのセミセルフレジ導入を進めているという。

■Jフロント <3086>  758円 (+67円、+9.7%)

東証1部の上昇率5位。J.フロント リテイリング <3086> が急反発。9月29日の取引終了後、21年2月期の連結税引き前損益が256億円の赤字(前期は371億円6100万の黒字)になりそうだと発表。従来予想の359億円の赤字から赤字幅が縮小する見通しとなり、これが好感された。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、訪日外国人消費の減退、国内消費の低迷など厳しい事業環境が継続したものの、6月中旬以降、百貨店・パルコ事業で一部を除き全店で通常通りの営業を再開した結果、来店客数や売り上げ、店舗賃貸収入が段階的に回復していることを反映した。また、投資抑制や経費削減に加え、人件費や広告宣伝費などの縮小も上振れに貢献する見込みだ。

■グリー <3632>  510円 (+43円、+9.2%)

東証1部の上昇率7位。グリー <3632> が急反発。9月29日の取引終了後、発行済み株式数(自社株を除く)の8.9%にあたる2000万株または120億円を上限に自社株買いを実施すると発表しており、これを好感する買いが入った。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められたようだ。なお、買い付け期間は10月1日から21年9月22日までとしている。

■Mスター <4765>  506円 (+41円、+8.8%)

モーニングスター <4765> [JQ]が続急伸。9月29日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受け、10月19日にジャスダック市場から本則市場の東証1部または同2部へ市場変更することになったと発表したことが好感された。東証1部への変更が有力視されている。また、同時に公募増資と自己株処分、株式売り出しも発表した。570万株の公募に加え108万1000株の公募による自己株処分、550万株の売り出し、上限184万1000株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う。公募・自己株処分・売り出しの発行・処分・売出価格は10月7日から12日のいずれかの日に決定する。東証の所属部も、発行・処分・売出価格の決定以降に決まる予定だ。

■ピックルス <2925>  3,280円 (+245円、+8.1%)

東証1部の上昇率10位。ピックルスコーポレーション <2925> が大幅高に買われ4日続急伸、連日で年初来高値を更新した。9月29日の取引終了後に発表した21年2月期上期(3-8月)の連結決算は、売上高243億9800万円(前年同期比13.3%増)、経常利益18億5400万円(同25.7%増)だった。9月25日に上方修正した数値と同じ内容となったが、大幅な増収増益を改めて評価する買いが入ったようだ。内食需要や健康志向の高まり、キムチがテレビ番組で取り上げられたことなどを受け、主力のキムチ製品を中心に販売が大きく伸びた。また、悪天候による原料価格の変動の影響を受けたものの、増収効果に加え、商品規格の見直しや生産アイテムの集約による生産効率化などで吸収し、2ケタ増収増益を達成した。経常利益の対通期計画進捗率は8割近くに達しており、更なる上振れ期待もあるようだ。

■農業総研 <3541>  751円 (+44円、+6.2%)

農業総合研究所 <3541> [東証M]が続急伸。産地直送野菜の委託販売事業を手掛けており、20年8月期は新型コロナウイルスの影響もあって、4000万円の営業赤字に落ち込む見通しだが、株価的には織り込みが進んでいる。直売所導入店舗の増勢が続くなか21年8月期は黒字転換が有望視されている。菅首相が骨子のひとつに掲げる政策として農業関連株に物色の矛先が向きやすくなっている。

■キッズSHD <7084>  1,919円 (+95円、+5.2%)

Kids Smile Holdings <7084> [東証M]が5日続伸。9月29日の取引終了後、教育事業に関してヒューリック <3003> と業務提携契約を締結すると発表しており、これを好感した買いが入った。今回の業務提携を通じて、両社が教育事業をメインとしたシナジーを創出することにより、両社の事業の発展と企業価値の向上に取り組むとしている。なお、同件による21年3月期の業績への影響は軽微としている。

■サムティ <3244>  1,579円 (+63円、+4.2%)

サムティ <3244> が4日続伸。9月30日前場の取引終了後、20年11月期の連結経常利益予想を従来の122億円~146億円から131億円~146億円へレンジ予想の下限を引き上げると発表しており、これを好感する買いが向かった。足もとの賃貸マンションやオフィスビルの売買契約状況を踏まえて業績予想を見直した。第4四半期(9-11月)は賃貸マンション及びオフィスビルを41物件、約445億円(うち、17物件、約300億円については、売買契約締結済み)を売却する見込みという。なお、同時に発表した20年11月期第3四半期累計(19年12月-20年8月)の同利益は前年同期比60.8%減の51億5900万円だった。

■Ciメディカ <3540>  8,680円 (+330円、+4.0%)

歯愛メディカル <3540> [JQ]が大幅続伸し、年初来高値を更新した。9月29日の取引終了後、韓国に歯科関連通信販売事業を展開する合弁会社を設立すると発表しており、これを好感する買いが入った。歯科技工用石膏などの歯科材料の輸入で同社と取引実績があるDK MUNGYO、韓国で大規模歯科医院を経営しているKo Chol Su氏と共同出資で「Ci Korea」を設立する。同社の出資比率は70%。合弁会社を通じ、韓国で同社オリジナルの低価格・高品質の歯科関連商品を中心に販売拡大を図るという。

■クシム <2345>  926円 (+30円、+3.4%)

クシム <2345> [東証2]が大幅続伸。9月29日の取引終了後、子会社のイーフロンティアがクラウドにアップロードするだけで簡単にデジタルリマスターを実現する「AI リマスター」サービスを10月2日から開始すると発表しており、これが好感されたようだ。高信頼・低遅延通信が可能となる技術革新を背景に動画コンテンツの更なる高解像度での配信が期待されるなか、AI技術を駆使して過去の映像資産を活用する3つの技術(AI超解像、フレームダブラー、スーパースロー)を「Remaster.AI」サービスとして提供する。AIにより静止画やビデオテープの動画などをデジタルリマスターで綺麗に蘇らせるという。

■ギークス <7060>  1,324円 (+41円、+3.2%)

ギークス <7060> が5連騰し、直近9月3日につけた戻り高値1330円をクリアしてきた。日足一目均衡表も雲を抜けており、値運びが軽くなっている。同社はフリーランスのIT人材を企業とマッチングさせる仲介ビジネスを主力としているが、巣ごもり消費を背景としたeコマース関連で需要を捉え好調だ。また、ゲーム開発事業は受託に特化し、業績への貢献が見込まれている。21年3月期は前期比12%減の6億円を計画するが上方修正の可能性も意識されている。

■プロパテDB <4389>  2,219円 (+56円、+2.6%)

プロパティデータバンク <4389> [東証M]が4連騰。不動産運用管理ソフトをクラウドで提供、特にREIT向けで強みを発揮する。不動産業界は業務効率化の観点でICT化が課題となっており、同社は不動産デジタルトランスフォーメーション(DX)を担う関連有力株に位置づけられる。業績も好調で21年3月期営業利益は前期比16%増の3億7000万円を見込むが上振れる可能性もある。今月初旬に上場来高値2318円をつけた後にいったん調整を入れたが、中旬を境に売り物が枯れ急速に買い直された。時価は最高値更新を射程圏に入れている。

■Mipox <5381>  370円 (+8円、+2.2%)

Mipox <5381> [JQ]が続伸。9月29日、独自の可視光偏光技術とリアルタイム位相演算処理を融合し、半導体結晶ウエハー内部に存在する貫通転位プロファイルを高感度かつリアルタイムに可視化するXS-1シリーズの最新機種として「XS-1 Sirius」を開発したと発表しており、これが材料視された。同製品は産業技術総合研究所、名古屋大学と共同開発したもので、10月から装置の販売と同製品を用いた観察サービスの提供を開始するとしている。

■ニーズウェル <3992>  985円 (+18円、+1.9%)

ニーズウェル <3992> が4日続伸。一時8%近い上昇で1043円まで駆け上がる場面があった。2017年9月21日に分割後修正値で1003円の上場来高値をつけているが、3年ぶりにここを上回り青空圏に入った。金融を中心とした業務系ソフトや組み込みソフトを展開、基幹系システムの開発を得意とし、RPAとAI技術を融合させたソリューションでも優位性を持つ。地銀再編の動きなどを背景に収益機会が高まるとの見方から継続的な買いが流入した。

■シャープ <6753>  1,298円 (+21円、+1.6%)

シャープ <6753> が全般軟調地合いのなか3日続伸と頑強な値運びをみせた。株価は前週9月24日に急落したが、今週は立ち直り足もとでは25日移動平均線とのマイナスカイ離をほぼ解消する形となっている。同社は9月29日、シミュレーションによって同社が販売する空気清浄機機能を搭載したエアコン「エアレスト」がウイルス飛沫粒子を効果的に捕集できることを確認したと発表した。新型コロナウイルス感染が引き続き警戒されるなか、空気清浄機の需要は拡大傾向にあるだけに、株高を後押しする材料となった。

■OKI <6703>  1,130円 (+14円、+1.3%)

沖電気工業 <6703> が反発。9月30日付の日本経済新聞朝刊で「OKIは物流部門を独DHLグループに売却する」と報じられており、これを材料視する買いが入ったようだ。記事によると、10月1日付で倉庫など国内50ヵ所の関連施設や車両を譲渡し、従業員約140人をDHLに移籍させるという。DHLのノウハウで製品の配送などを効率化し、物流コストを削減することが期待されている。

※30日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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