アンジェス Research Memo(7):アライアンス戦略による新規事業への展開も視野に入れる(1)

特集
2020年12月1日 15時07分

■今後の成長戦略

アンジェス<4563>は長期ビジョンとして、「世界で認知される遺伝子治療・核酸医薬のスペシャリストとなること」、また、「治療法のない病気の新薬を実用化すること」の2点に取り組むことで遺伝子医薬のグローバルリーダーになることを目指している。

黒字化の時期に関しては、開発パイプラインの進捗状況次第となる。特に、米国でHGF遺伝子治療用製品の開発に成功した場合には、数十億円規模のマイルストーン収益(既に受領した契約一時金含む)が得られる見通しとなっているため、その動向には注目しておきたい。

今後の事業展開を進めていくうえでの基本戦略としては、1)「コラテジェン」の事業価値最大化、2)ポスト「コラテジェン」の育成、3)新規事業領域への展開の3点を掲げ、その取り組みを強化していく方針となっている。

1. 「コラテジェン」の事業価値最大化

「コラテジェン」の国内戦略に関しては「潰瘍の改善」に関する市販化後調査を進め2024年の本承認と同時に、「安静時疼痛の改善」に適応拡大を図ることで、薬価の見直しを図りたい考えだ。また、米国では臨床試験を進め早期の販売承認を目指していくとともに、米国の開発状況を見ながら欧州でも上市に向けた開発を進めていく方針となっている。日米欧以外の国や地域でもイスラエルやトルコに続く新たな導出先を開拓していく。さらには、適応症拡大のための基礎試験や臨床研究も今後推進していくことにしている。

同社ではこうした戦略を進めることで「コラテジェン」の事業価値最大化を図っていく方針であり、海外での上市や適応拡大が進んだ段階で、売上高も本格的な拡大期に入るものと予想している。

2. ポスト「コラテジェン」の育成

「コラテジェン」に続く第2の柱を育成し、成長基盤の強化を図っていく。高血圧症を対象としたDNAワクチンや椎間板性腰痛症を対象としたNF-κBデコイオリゴなど現在、臨床試験を進めている開発品の早期POC取得と導出活動に注力していくほか、キメラデコイの早期プロジェクト化を目標としている。また、新型コロナウイルス感染症ワクチンやVasomuneと共同開発するARDSを対象疾患としたTie2受容体アゴニスト化合物に関しても、今後の開発状況次第で収益に貢献することが期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NB》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.