前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年12月8日 5時30分

■メディアS <4824>  684円 (+100円、+17.1%) ストップ高

メディアシーク <4824> [東証M]がストップ高。7日午前11時45分ごろに発表した第1四半期(8-10月)連結決算が、売上高6億3200万円(前年同期比22.2%増)、営業利益7100万円(同4.7倍)、純利益3200万円(同3.4倍)と大幅増益となり、営業利益が通期計画を上回って着地したことが好感された。法人事業で、RPAなど各種企業向けツール導入のほか、主に国内の法人クライアントに対するシステムコンサルティング業務による売り上げを計上したことが寄与した。また、コンシューマー事業で、スマートフォン向けアプリ「バーコードリーダー/アイコニット」が累計3200万ダウンロードを達成し、広告収入のほかスマホ向けゲームなど各種情報サービスによる売り上げを計上したことも貢献した。

■エイチーム <3662>  1,112円 (+150円、+15.6%) ストップ高

東証1部の上昇率3位。エイチーム <3662> がストップ高に買われ年初来高値を更新した。4日の取引終了後、第1四半期(8-10月)連結決算を発表しており、営業利益3億7800万円(前年同期比2.5倍)、純利益2億5800万円(同3.4倍)と大幅な増益となったことが好感された。結婚式場情報サイト「ハナユメ」が前下期に続き新型コロナウイルスの影響を受けたほか、既存ゲームアプリが減少傾向にあったことで、売上高は74億9300万円(同8.0%減)となった。ただ、自転車専門通販サイトを展開するEC事業で、「3密」を避ける外出手段として自転車需要が高く推移したほか、引き続きオペレーション効率の改善及び在庫管理の徹底、品揃えの見直しなどが奏功して大幅な増収増益となったことが業績に貢献した。なお、21年7月期通期業績予想は、売上高335億円(前期比5.5%増)、営業利益5億円(同60.7%減)、最終利益2億円(前期5億1900万円の赤字)の従来見通しを据え置いている。

■ナトコ <4627>  1,294円 (+160円、+14.1%)

ナトコ <4627> [JQ]が続急騰。前週末4日の取引終了後、集計中の20年10月期連結業績について、売上高が156億円から162億4700万円(前の期比8.2%減)へ、営業利益が10億6000万円から14億4100万円(同6.6%減)へ、純利益が7億円から10億2700万円(同5.0%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。塗料事業及びファインケミカル事業で国内外での受注が想定以上だったことに加えて、製造原価の低減や経費削減に努めたことが寄与した。

■アイル <3854>  1,567円 (+169円、+12.1%)

東証1部の上昇率5位。アイル <3854> が急反騰。前週末4日の取引終了後、「Shopify(ショッピファイ)」の提供するパートナープログラム「Shopify Experts(ショッピファイエキスパート)」に認定されたと発表しており、これが好感された。Shopifyは、国内に限らず海外へのオンライン販売も、専門知識がないなかで手軽に始められる、クラウド基盤のマルチチャネルコマースプラットフォーム。今回の認定により、アイルは「Shopify」のアカウント開設やプラグイン追加、ブランディング、ディレクション、デザイン、サイト制作、運用サポートといったフロント業務支援から、「Shopify」とネットショップ一元管理サービス「CROSS MALL(クロスモール)」とのAPI連携によるバックヤード支援まで、ネットショップ運営を一貫して支援するとしている。

■山王 <3441>  1,636円 (+135円、+9.0%)

山王 <3441> [JQ]が3連騰。21.3%高の1820円まで急騰する場面があった。電子機器用デバイスの金メッキ加工を手掛けており、インフラ整備の進む高速通信規格5G基地局向け需要などを取り込んでいる。21年7月期は中国現地法人が連結から外れたことに伴う売上高の減少が利益面にも反映されるが、時価予想PERは依然として20倍前後にとどまり割高感が意識される水準にはない。信用買い残の整理も進んだことで株式需給面からは上値が軽い。また、新エネルギー関連の一角としてマークする動きもある。東京工業大学や産業技術総合研究所と共同研究を進めている電界メッキによる水素透過膜とその製造方法について今年4月に特許を取得しているが、コストを抑えた水素精製装置を製造するための有力技術として注目されている。

■日本駐車場 <2353>  141円 (+10円、+7.6%)

東証1部の上昇率7位。日本駐車場開発 <2353> が大幅3日続伸。前週末4日の取引終了後に発表した第1四半期(8-10月)連結決算で、売上高60億4100万円(前年同期比5.0%増)、営業利益11億800万円(同26.1%増)、純利益10億2800万円(同24.1%増)と大幅増益となったことが好感された。テーマパーク及び別荘宿泊の集客強化や、20年5月に那須高原りんどう湖ファミリー牧場を経営する那須興行を取得したことが増収につながった。また、駐車場事業における時間貸併用物件の稼働が完全には回復していないものの、テーマパーク事業の来場者増やスキー事業のコストコントロールの徹底により大幅増益を確保した。なお、21年7月期通期業績予想は、売上高235億円(前期比2.3%増)、営業利益33億円(同23.5%増)、純利益19億円(同58.1%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、上限を400万株(発行済み株数の1.21%)、または5億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は20年12月9日から21年2月26日までで、株主還元及び資本効率の向上と経営環境の変化に応じた機動的な資本政策の遂行を図ることが目的としている。

■凸版 <7911>  1,608円 (+103円、+6.8%)

東証1部の上昇率9位。凸版印刷 <7911> が続急伸。前週末4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、純利益を220億円から500億円(前期比42.6%減)へ上方修正したことが好感された。同社及び子会社が保有するリクルートホールディングス <6098> 株式の一部を売却したことに伴い、特別利益が941億円発生したほか、不採算事業の生産拠点最適化をはじめとする構造改革に関連する費用が発生することが要因としている。なお、売上高1兆4400億円(前期比3.1%減)、営業利益400億円(同39.8%減)は従来見通しを据え置いている。同時に、1600万株(発行済み株数の4.62%)、または200億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は20年12月7日から21年9月30日までで、株主還元の強化を資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とするためという。

■アイオデータ <6916>  1,028円 (+60円、+6.2%)

アイ・オー・データ機器 <6916> が続急伸。前週末4日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を40万株(発行済み株数の3.02%)、または5億円としており、取得期間は20年12月9日から21年3月31日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主還元策の一環として実施するとしている。

■カナモト <9678>  2,268円 (+96円、+4.4%)

カナモト <9678> が3日ぶり大幅反発。同社は4日取引終了後に、21年10月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比5.3%増の150億円としていることや、年間配当計画を前期比5円増の70円としていることが好感されたようだ。売上高は同6.3%増の1903億円を見込む。新型コロナウイルス感染症が経済活動に与える影響には依然不透明感があるものの、国内営業基盤の拡充や海外展開、内部オペレーションの最適化により、一層の業務効率化と生産性向上を図り、収益力を強化するとしている。なお、20年10月期通期の連結決算は売上高が前の期比0.9%減の1790億5300万円、営業利益が同20.1%減の142億5000万円で着地した。

■ポールHD <3657>  1,007円 (+36円、+3.7%)

ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス <3657> が4日ぶりに反発。4日の取引終了後に発表した第3四半期累計(2-10月)連結決算が、売上高192億300万円(前年同期比1.9%増)、営業利益22億3100万円(同13.2%減)、純利益15億3500万円(同4.1%増)となり、最終増益となったことが好感された。主力のデバッグ・検証事業で、子会社CRESTの先行費用がかさんだことが響き、営業利益は減益を余儀なくされたが、ネットサポート事業でECやQRコード決済関連業務が拡大したことや、採用効率化による収益改善が進んだこと、更に前期の投資有価証券評価損がなくなったことが最終損益を押し上げた。なお、21年4月期通期業績予想は、売上高287億4400万円(前期比10.0%増)、営業利益35億8700万円(同1.6%増)、純利益23億4100万円(同30.9%増)の従来見通しを据え置いている。

■あさひ <3333>  1,582円 (+33円、+2.1%)

あさひ <3333> が反発。7日午後1時ごろに発表した11月度の月次営業速報で、既存店売上高が前年同月比21.6%増となり、2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。客数が同5.8%増となったほか、客単価も同15.0%増と2ケタ増したことが寄与した。

■薬王堂HD <7679>  2,427円 (+46円、+1.9%)

薬王堂ホールディングス <7679> が反発。同社は岩手県を地盤にドラッグストアを展開している。前週末4日の取引終了後に発表した11月度の月次速報で、既存店売上高が前年同月比7.8%増と2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客単価も同6.6%増と引き続き好調なほか、客数が同1.1%増となったことも寄与した。

■ALBERT <3906>  6,650円 (+110円、+1.7%)

ALBERT <3906> [東証M]が続伸。ビッグデータ解析や自動運転分野などAI絡みの開発案件に強く、現在、需要が急増しているデータサイエンティストの育成で業界他社に先駆している。足もとの業績も好調でコロナ禍にもかかわらず20年12月期営業利益は前期比53%増の2億9000万円を見込むほか、21年12月期もビッグデータ解析などAI活用の案件が高水準で大幅な伸びが期待できる状況にある。

■フェニックスB <6190>  617円 (+10円、+1.7%)

フェニックスバイオ <6190> [東証M]が反発。前週末4日の取引終了後、国立成育医療研究センターとの共同研究の成果である先天性遺伝子疾患モデルキメラマウスのうち、「OTC遺伝子欠損ヒト肝細胞キメラマウス」の商業利用について、利用許諾契約を締結したと発表しており、これが好感された。同契約は、国立成育医療研究センターから提供された患者の肝細胞を移植したモデル動物を同社が作製し、これを商業利用に用いた場合、利用料を支払うもの。なお、同件が21年3月期業績に与える影響は軽微としている。

■三菱ケミHD <4188>  645.3円 (+9円、+1.4%)

三菱ケミカルホールディングス <4188> が続伸。SMBC日興証券は4日、同社株の投資評価「2」を継続するとともに、目標株価を620円から630円へ小幅に引き上げた。同証券では、同社を「総合化学セクターの中で最も構造価格に期待できる銘柄」と評価している。その一方で、財務体質が最大の懸念事項とみているほか、MMAの需給見通しも厳しいと予測しており、同社株は期待と懸念が交錯する状況にあるとも指摘している。

■前田建 <1824>  871円 (+12円、+1.4%)

前田建設工業 <1824> が5日続伸。7日、フランスのスエズ社と日本国内における上下水道事業のコンセッションに関する業務提携契約を締結したと発表しており、これが好感された。同契約は、上下水道セクターでのコンセッションをはじめとする官民連携事業の獲得・運営に向けたもので、長期的な協力関係を構築する契約。両社は現在、優先交渉権者の選定手続きが進んでいる宮城県の上工水一体運営事業への取り組みを第1弾として、それぞれの経験とノウハウを生かし、社会課題の解決に貢献するとしている。

■バローHD <9956>  2,566円 (+32円、+1.3%)

バローホールディングス <9956> が反発。大和証券が4日付で、投資判断を「2」から「1」とし、目標株価を3000円から3400円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。スーパーマーケットで中核を担うバローの改革と新型コロナウイルスに伴う巣ごもり消費を受けて、第2四半期累計営業利益は前年同期比2.2倍の163億2600万円と大幅に伸長。スーパーマーケットは更なる競争力向上を図るべく、10月30日からPB(売上構成比はバローで約15%)を刷新したほか、製造機能を生かした商品開発にも注力している。好業績が巣ごもり消費の恩恵だけではない点に注目すれば、株価の上昇余地は大きいとしている。

■コマツ <6301>  2,702円 (+30円、+1.1%)

コマツ <6301> が続伸。世界に先駆けて新型コロナウイルスを克服した形の中国では経済の回復期待が高まっており、各種経済指標の発表を受け中国関連銘柄への見直しも進む流れにある。前週末の米国株市場では建機世界トップのキャタピラーが大幅高で3連騰、過去最高値圏で強調展開にある。これを受け東京市場でも中国向けウエートの高い建設機械セクターに追い風が吹いた。

※7日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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