IPOの好調から個人主体による中小型株物色は活発【クロージング】

市況
2020年12月18日 16時04分

18日の日経平均は反落。43.28円安の26763.39円(出来高概算12億9699万株)で取引を終えた。17日の米国市場では追加経済対策を巡り与野党が合意に近いと楽観的見方が強まったほか、モデルナの新型コロナワクチンの緊急使用に関し米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会の会合を控え勧告への期待からNYダウ、S&P500、ナスダックがいずれも最高値を更新。この流れを受けた上昇も意識されてはいたが、為替市場での円高が重荷となる格好から、引き続きこう着感の強い相場展開となった。一方でIPOの好調から個人主体による中小型株物色は活発となり、マザーズ指数は上昇。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり、値下がり数が拮抗。セクターでは精密機器、空運、その他金融、石油石炭、鉄鋼、電力ガス、非鉄金属が堅調。半面、ゴム製品、不動産、その他製品、機械、陸運、サービス、保険が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、テルモ<4543>、オリンパス<7733>、リクルートHD<6098>、ファーストリテ<9983>、ソニー<6758>が堅調。半面、東エレク<8035>、ダイキン<6367>、エムスリー<2413>、アドバンテスト<6857>、セコム<9735>、バンナムHD<7832>が重石となった。

日経平均の日中値幅は117円程度と、引き続き狭いレンジ内でのこう着となった。ただし、こう着ながらもリバランスの売買がみられており、出来高及び売買代金は前週のメジャーSQ時を上回っている。明確にバリューシフトという流れではないが、米ファイザーは、新型コロナウイルスのワクチンの日本国内での使用に向け、18日に厚生労働省に承認を求める申請を行ったと伝わっており、特例承認を求めているようである。米国同様に承認が早まるようだと、売り込まれていた銘柄への買い戻しに向かわせやすく、反対に強い基調が続いていた銘柄に対しては利益確定といったところであろう。この流れが来週以降も続くかを見極める必要はありそうだ。

また、今週はIPOの好調が目立った。IPOラッシュで資金分散してしまうといった声も聞かれていたが、これまでの中小型株の強い相場によってキャッシュポジションは高まっていたようである。来週もIPOが多く予定されているが、好調が続くことで資金回転が効きやすくなり、これが他の中小型株へも広がることが意識されやすいだろう。足元で調整していた時価総額上位の中小型株などへは、年末にかけてリバウンド狙いの資金が向かいやすいだろう。

《AK》

提供:フィスコ

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