前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年1月20日 5時30分

■東レ <3402>  668.5円 (+30.3円、+4.8%)

東レ <3402> が大幅高で4日ぶりに反発。SMBC日興証券が18日付で同社株を投資評価「1」、目標株価830円で新規にカバレッジを開始しており、これが好材料視されたようだ。新型コロナウイルス感染症の影響による航空機の需要減を主因に、20年6-7月ごろは同社株について投資評価の引き下げが相次いだが、21年3月期上期決算での炭素繊維複合材料事業の赤字及び減損損失、セパレータの出荷数量の2ケタ減を経て、株式市場での期待は既に低下したと判断。一方、風力発電用途の炭素繊維については、ブレード(羽根)の大型化に起因するガラス繊維からの代替を主因に、成長が加速する局面とみており、世界的にカーボンニュートラルを志向する傾向が強まることで、風力発電機の設置が一段と増加する可能性もあるとしている。また、現在の規模は小さいが、水素自動車向けの高成長にも期待しており、エネルギー関連での出荷増はバリュエーション指標の上昇にも寄与すると見込んでいる。

■フェニクスB <6190>  635円 (+29円、+4.8%) 一時ストップ高

フェニックスバイオ <6190> [東証M]が大幅反発、一時ストップ高。18日の取引終了後、農薬など化学品の安全性評価で残留農薬研究所(茨城県常総市)と業務提携したと発表しており、これが好感された。残留農薬研究所は、農薬に特化した安全性評価の受託試験施設。今回の提携は、農薬などの化学品の安全性評価に関するフェニクスB製品の受託試験業務を同研究所に委託するとともに、この分野でのPXBマウス(ヒト肝細胞を持つキメラマウス)の更なる市場拡大を目指すことを目的としたもの。なお、同件が21年3月期業績に与える影響は軽微としている。

■ヨコオ <6800>  3,335円 (+135円、+4.2%)

ヨコオ <6800> が大幅高。SMBC日興証券が18日付で、投資評価「1」を継続し、目標株価を3400円から4000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。無線通信機器(FC&MD)が宅配業者のPOS端末向けなどを中心に好調を維持するなか、同証券では車載通信機器(VCCS)が新型コロナウイルス感染症からの反動増に加えて長年停滞してきた収益性が上向き始めた点に注目。また、回路検査用コネクタ(CTC)は第3四半期まで低迷も、第4四半期には回復へ転じ始めるとみており、同社の中長期成長性を再認識すべき局面になりつつあると指摘している。

■ベイカレント <6532>  18,830円 (+730円、+4.0%)

ベイカレント・コンサルティング <6532> が大幅続伸。水戸証券は18日、同社株のレーティングの「A」を継続するとともに目標株価を2万1800円から2万3000円に引き上げた。同社は総合コンサルティングファームで、AI・IoT、RPAなどのデジタルトランスフォーメーション(DX)関連のコンサルティングを強化している。新型コロナ下でも、顧客ニーズは強く21年2月期の連結営業利益は前期比49.3%増の120億円と会社計画(110億円)からの上振れを予想。22年2月期の同利益は174億円と一段の増益を見込んでいる。

■ブイキューブ <3681>  3,280円 (+125円、+4.0%)

ブイキューブ <3681> が3日ぶり大幅反発。18日の取引終了後、BtoBマーケティングの総合支援サービス「GAX(ガックス)」を提供開始したと発表しており、これが好感された。同サービスは、2016年から蓄積してきたマーケティングに関する知見をもとに、BtoB市場で事業展開する顧客向けに、マーケティング組織の立ち上げ、戦略立案、施策の実行、部署連携まで総合的に支援するという。

■レーザーテク <6920>  15,210円 (+530円、+3.6%)

レーザーテック <6920> 、東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> など半導体製造装置メーカーが総じて買い優勢。18日の米国株市場は休場だったが、欧州株市場では総じて朝安後に切り返す展開となり、独市場では半導体大手のインフィニオン・テクノロジーズが投資判断引き上げなどを背景に買われ全体相場に貢献した。半導体市況の改善は世界的に意識されており、東京市場でも関連株は押し目買い意欲旺盛な展開が続いている。

■Jパワー <9513>  1,727円 (+52円、+3.1%)

Jパワー <9513> が大幅続伸、5日移動平均線を足場に戻り足を強めている。電力の卸業務を主力とし石炭火力や水力を軸としているが、脱炭素化が世界的なテーマとなるなか、洋上風力発電への展開や二酸化炭素(CO2)削減技術への取り組みでも先駆している。市場で注目されているのが秋田沖の洋上風力発電のほか、同社独自ノウハウを駆使したCO2を地中に貯留する技術で、海底などに回収・貯留する次世代技術にマーケットの関心が高い。

■ファストリ <9983>  92,970円 (+2,760円、+3.1%)

ファーストリテイリング <9983> が大幅反発。ここ先物を絡め同社株のボラティリテイが高まっているが、19日はインデックス買いに加え、個別の材料も物色人気に拍車をかけた。19日付の日本経済新聞が、ユニクロがスマートフォンを使った決済サービスに参入すると報じたことが、株価を刺激する格好となり、大口個人投資家などの短期資金が参戦したことで上げ幅が大きくなった。

■日経レバ <1570>  31,400円 (+900円、+3.0%)

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が大幅反発。前日18日に5日移動平均線を7営業日に下回ったが、19日はすかさず切り返してマイナスカイ離を解消した。日経レバは日経平均に連動するETFで変動率が2倍に基本設定されているが、昨年11月に入ってからの上昇相場では、5日移動平均線を下回っても数日で5日移動平均線上に復帰する上値指向の強さを維持している。19日は、日経平均が先物主導の買いで後場寄り一段高に買われており、これに連動する形となった。

■タケエイ <2151>  1,440円 (+41円、+2.9%)

タケエイ <2151> が3日続伸、昨年来高値に買われた。2018年1月29日以来約2年ぶりの高値圏に浮上した。首都圏を中心に建設関連の廃棄物回収・処理および再資源化などを展開するが、新エネルギー関連ではバイオマス発電事業に注力しており、脱炭素のテーマで注目されている。東北のバイオマス発電子会社3社が既に収益に大きく貢献しているほか、横須賀にはタケエイグリーンリサイクルを傘下に置いている。更に、来期は福島県の田村バイオマスエナジーが戦列化し業績成長期待が高まる見込みにある。

■ユーグレナ <2931>  831円 (+21円、+2.6%)

ユーグレナ <2931> が反発。18日の取引終了後、ジェイアール四国バス(香川県高松市)が高知県で運行している「大栃線」で、ユーグレナの次世代バイオディーゼル燃料「ユーグレナバイオディーゼル燃料」の使用が開始されたと発表しており、これが好材料視された。燃料となるユーグレナバイオディーゼル燃料は、ユーグレナのバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントから輸送され、JR四国バスに提供されたもの。微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)と使用済み食用油を原料に使用し、バス自体の内燃機関を変更することなく使用することが可能としている。

■オプテックスG <6914>  2,033円 (+38円、+1.9%)

オプテックスグループ <6914> が3日ぶりに反発。傘下のオプテックスは19日、ビーコン(無線技術を利用した伝達技術)機能を搭載した自動ドアセンサーを活用したシェアリングサービス「OMNICITY(オムニシティ)」の運用を2月から開始すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。これにより、通行者のスマートフォンに情報発信することができる自動ドアセンサーを設置した施設や店舗のエントランスが新しいメディアとなり、自動ドアのオーナーはデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用したマーケティングやプロモーション施策を手軽に実現することが可能。また、設置したメディアをサービサーにシェアし、新たなビジネス機会を生み出すことができるという。

■ダイキン <6367>  23,285円 (+270円、+1.2%)

ダイキン工業 <6367> が3日ぶりに反発。19日付の日本経済新聞朝刊で、「2023年、ベルギーに研究開発拠点を新設する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、開発などにあたる技術者を欧州全体で3割増やし、環境に配慮した暖房機を開発するという。現在、ベルギーの工場で働いている技術者を新拠点に移すほか、新規にも雇用して人員を増やすとしており、空気から熱を取り出し、温水をつくって部屋を暖めるヒートポンプ暖房の新製品を開発するとしている。

※19日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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