前週末5日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

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2021年2月8日 5時20分

■シンバイオ <4582>  895円 (+150円、+20.1%) ストップ高

シンバイオ製薬 <4582> [JQG]がストップ高に買われた。4日の取引終了後に発表した21年12月期業績見通しは、売上高91億5100万円(前期比3.1倍)、最終損益11億4900円の黒字(前期は40億9000万円の赤字)といずれも過去最高を更新する見通しとなり、これを好材料視する買いが向かった。これまでエーザイ <4523> に販売委託していた抗がん剤「トレアキシン」を自社販売へ移行することで国内の製品売り上げが拡大することが収益を大きく押し上げる。併せて、23年12月期に売上高123億円、最終利益17億7800万円を目指す中期経営計画も発表している。

■UACJ <5741>  2,314円 (+382円、+19.8%) 一時ストップ高

東証1部の上昇率トップ。UACJ <5741> が5連騰、一時ストップ高の2332円に買われた。4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を5500億円から5600億円(前期比9.0%減)へ、営業利益を35億円から80億円(同21.0%減)へ、最終損益を95億円の赤字から65億円の赤字(前期20億3800万円の黒字)へ上方修正したことが好感された。足もとのアルミ地金価格の上昇による棚卸評価関係の好転や操業度の改善などで、売上高及び各段階の損益が想定を上回る見通しという。なお、同時に発表した第3四半期累計(20年4-12月)決算は、売上高4074億3900万円(前年同期比12.0%減)、営業利益30億7500万円(同45.4%減)、最終損益46億8500万円の赤字(前年同期5億6000万円の黒字)だった。

■マツダ <7261>  960円 (+150円、+18.5%) ストップ高

東証1部の上昇率2位。マツダ <7261> がストップ高で5連騰。4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を2兆8500億円から2兆9000億円(前期比15.5%減)へ、営業損益を400億円の赤字から収支均衡(前期436億300万円の黒字)へ、最終損益を900億円の赤字から500億円の赤字(同121億3100万円の黒字)へ上方修正したことが好感された。グローバル販売台数の見通しは従来予想の130万台を据え置いたものの、足もとの実勢や今後の見込みを反映して市場別内訳を見直したほか、販売促進費及び車種構成の改善や固定費の抑制が順調に進捗していることなどが要因としている。なお、同時に発表した第3四半期累計(20年4-12月)決算は、売上高1兆9594億円(前年同期比23.3%減)、営業損益319億9800万円の赤字(前年同期323億4500万円の黒字)、最終損益782億4800万円の赤字(同323億7500万円の黒字)だった。

■Uアローズ <7606>  2,019円 (+254円、+14.4%)

東証1部の上昇率4位。ユナイテッドアローズ <7606> が大幅5日続伸。同社は4日取引終了後に、21年3月期第3四半期累計(20年4-12月)の連結営業損益が34億7000万円の赤字(前年同期は88億8600万円の黒字)になったと発表。ただ、10-12月期に限れば33億7000万円の黒字となっており、これが好感されたようだ。秋冬商品の在庫調整を抑制した効果などから、売上総利益率が段階的に回復している。なお、第3四半期累計の連結売上高は前年同期比22.9%減の917億9900万円となった。通期業績予想については、売上高1283億円(前期比18.5%減)、営業損益65億円の赤字(前期は87億5800万円の黒字)とする従来見通しを据え置いている。

■ファーマF <2929>  3,075円 (+385円、+14.3%)

ファーマフーズ <2929> [東証2]が3連騰。一時前日4日比15.2%高の3100円に買われた。4日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、2月12日付で東証2部から東証1部市場へ指定されることになったと発表しており、TOPIX連動ファンドなどによる買い需要を先取りする形で買われたようだ。同社は、機能性食品素材の開発が主な事業。21年7月期連結業績予想は、売上高400億1400万円(前期比2.6倍)、経常利益21億4800万円(同2.7倍)を見込む。

■冶金工 <5480>  2,027円 (+214円、+11.8%)

東証1部の上昇率8位。日本冶金工業 <5480> が大幅に5日続伸。同社は4日取引終了後に、21年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは前期比27.3%減の57億円(従来予想は49億円)に引き上げた。売上高見通しも同17.9%減の1120億円(従来予想は1080億円)に上方修正。自動車関連や生産用機械などの設備投資が底打ちし、ステンレス特殊鋼の需要が回復傾向になることなどが主な要因だとしている。加えて、期末配当を従来計画比15円増額の30円にすると発表。中間配15円をあわせた年間配当は45円(従来計画は30円)となる。

■リコー <7752>  913円 (+92円、+11.2%)

東証1部の上昇率9位。リコー <7752> が続急騰、一時105円高の926円まで駆け上がる場面があった。同社が4日取引終了後に発表した20年4-12月期決算は最終損益が224億7100万円の赤字と低迷した。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に商用印刷の需要が低調で減損損失計上なども響いた。ただ、営業損益ベースで10-12月は3四半期ぶりに黒字を確保するなど回復色をみせている。株価は業績低迷を織り込み済みで年初から戻り足を強めていたが、ここにきて空売りの買い戻しに拍車がかかり上げ足を一気に強めた。信用倍率は直近データで0.38倍と大幅に売り長で、これに機関投資家の貸株調達による空売りなども加わったとみられ踏み上げ相場の様相をみせた。

■日テレHD <9404>  1,377円 (+129円、+10.3%)

東証1部の上昇率10位。日本テレビホールディングス <9404> が急反騰。4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を3790億円から3870億円(前期比9.3%減)へ、営業利益を220億円から295億円(同31.6%減)へ、純利益を120億円から200億円(同34.5%減)へ上方修正したことが好感された。メディア・コンテンツ事業でスポット収入が回復傾向にあり想定を上振れたほか、コストコントロールの進捗が寄与した。なお、第3四半期累計(20年4-12月)決算は、売上高2837億6600万円(前年同期比10.5%減)、営業利益242億3700万円(同21.6%減)、純利益168億1300万円(同30.3%減)だった。

■NTTデータ <9613>  1,701円 (+148円、+9.5%)

エヌ・ティ・ティ・データ <9613> が急反発、一時11.6%高の1733円まで買われる人気となり昨年来高値を更新。時価は2001年5月以来19年9ヵ月ぶりの高値をつけた。NTTグループのシステムインテグレーターで業界最大手に位置するが、業績面では強みとする官公庁や金融業界向け案件獲得に加え、不採算案件の減少による利益率改善が寄与している。4日取引終了後に発表した20年4-12月期決算は営業利益が前年同期比14%増の1069億1000万円と2ケタ成長を確保しており、これを評価する買いを呼び込む格好となった。

■TBSHD <9401>  2,289円 (+199円、+9.5%)

TBSホールディングス <9401> が急反発。4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を3173億円から3214億円(前期比9.9%減)へ、営業利益を41億円から85億円(同35.1%減)へ、純利益を261億円から285億円(同5.6%減)へ上方修正したことが好感された。企業の広告出稿が前年末に向け活況となったことや、通販・動画配信などの巣ごもり需要増加が維持されたことなどで、第3四半期累計(20年4-12月)決算が売上高・利益ともに想定を上回ったことが要因としている。なお、第3四半期累計決算は、売上高2382億2300万円(前年同期比11.6%減)、営業利益121億7000万円(同5.3%増)、純利益324億7200万円(同2.6倍)だった。

■ニッパツ <5991>  854円 (+73円、+9.4%)

ニッパツ <5991> が大幅5日続伸。同社は4日大引け後に決算を発表。21年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比92.0%減の10.8億円に大きく落ち込んだ。しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の30億円→70億円(前期は212億円)に2.3倍上方修正し、減益率が85.9%減→67.1%減に縮小する見通しとなった。

■日水 <1332>  493円 (+41円、+9.1%)

日本水産 <1332> が急反発。同社は5日午後1時頃に、21年3月期第3四半期累計(20年4-12月)の連結経常利益が前年同期比13.0%減の187億9600万円になったと発表。ただ、10-12月期に限れば前年同期比3.8%増の98億3700万円となっており、これが好感されたようだ。家庭向け食品が国内外で引き続き堅調だったほか、業務用やコンビニ向けの販売も徐々に改善していることなどが寄与した。なお、第3四半期累計の連結売上高は前年同期比5.6%減の4972億円となった。通期業績予想については、売上高6500億円(前期比5.8%減)、経常利益185億円(同28.3%減)とする従来見通しを据え置いている。

■オカムラ <7994>  1,067円 (+86円、+8.8%)

オカムラ <7994> が大幅に5日続伸。4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を2360億円から2420億円(前期比4.4%減)へ、営業利益を113億円から130億円(同2.9%減)へ、純利益を87億円から100億円(同1.5%増)へ上方修正したことが好感された。第3四半期(20年10-12月)の売上高及び営業利益がともに過去最高を計上し、計画を上振れて着地したことに加えて、第4四半期もオフィス環境事業、商環境事業で需要が堅調に推移すると見込まれることが要因としている。なお、同時に発表した第3四半期累計(4-12月)決算は、売上高1670億3600万円(前年同期比5.8%減)、営業利益61億200万円(同4.3%増)、純利益55億3600万円(同10.7%増)だった。

■カドカワ <9468>  3,900円 (+280円、+7.7%)

KADOKAWA <9468> が大幅6日続伸。同社は4日取引終了後、サイバーエージェント <4751> とソニー <6758> を引受先とする第三者割当増資を実施することを発表、1株3515円で284万4950株の新株を発行、サイバーとソニーにそれぞれ半分ずつ(142万2475株)割り当てる。約100億円の資金を調達しIPビジネスなどの業容拡大に充てるほか、サイバーやソニーの有するプラットフォーム活用など協業に向けた動きも期待される。これがサプライズとなり物色人気が集中する格好となった。また、同日に21年3月期業績の上方修正を発表、営業利益は従来予想の105億円から140億円(前期比73%増)に大幅増額し、年間配当も従来計画の30円から20円上乗せし50円(前期実績30円)に引き上げた。これも株価上昇を後押ししている。

■LIXIL <5938>  2,774円 (+191円、+7.4%)

LIXIL <5938> が急反発し、昨年来高値を更新した。同社は5日午後1時頃に、21年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは前期比7.8%増の345億円(従来予想は70億円)に引き上げた。売上収益も同8.9%減の1兆3800億円(従来予想は1兆3500億円)に上方修正した。国内リフォーム向けの売り上げなどが想定以上に伸びたほか、デジタルツールの活用などから販管費が減少したことが利益を押し上げるとしている。

※5日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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