前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年2月12日 5時30分

■ユニマRC <9707>  1,390円 (+300円、+27.5%) ストップ高

ユニマット リタイアメント・コミュニティ <9707> [JQ]がストップ高の1390円に買われた。主要株主であるユニマットライフ(東京都港区)が9日の取引終了後、同社の非公開化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格1400円にサヤ寄せする格好となった。ユニマットライフは現在、親会社であるユニマットホールディングと合わせてユニマRC株式の18.18%を所有しているが、全株式を取得し非公開化し協働して事業を推進することが、グループの企業価値向上に資すると判断したという。買付予定数は433万7373株(下限147万1500株、上限設定なし)で、買付期間は2月10日から3月25日まで。なおTOB成立後、ユニマRCは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は、同社株式を2月9日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■ミズホメディー <4595>  1,961円 (+400円、+25.6%) ストップ高

ミズホメディー <4595> [東証2]がストップ高。10日正午ごろ、21年12月期の単独業績予想を発表し、売上高75億9500万円(前期比80.6%増)、営業利益20億5800万円(同4.9倍)、純利益15億900万円(同4.9倍)と大幅増益を見込み、年間配当を前期比38円増の48円を予定していることが好感された。インフルエンザ検査薬は前期並みを見込むものの、「全自動遺伝子解析装置Smart Gene」の普及に伴い「スマートジーン新型コロナウイルス検出試薬」の需要の増加を見込むことが業績を牽引する。なお、20年12月期連結業績は、売上高42億500万円(前の期比34.6%減)、営業利益4億1600万円(同62.5%減)、純利益3億600万円(同65.0%減)と大幅な減収減益だったが、従来予想の営業利益2億3500万円は上振れて着地した。スマートジーン新型コロナウイルス検出試薬が従来予想を上回ったことに加えて、経費全般にわたる節減効果や売上高構成の変化の影響などで利益は上振れたとしている。

■ASTI <6899>  2,055円 (+400円、+24.2%) ストップ高

ASTI <6899> [東証2]がストップ高。9日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を400億円から440億円(前期比3.3%減)へ、営業損益を収支均衡から7億円の黒字(同27.1%減)へ、最終損益を収支均衡から7億円(同28.8%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、車載電装品及びワイヤーハーネスにおける販売の減少から減収減益を余儀なくされるが、自動車をはじめとする納入先企業の生産が下期に入り回復基調となったことから上方修正したという。なお、同時に発表した第3四半期累計(20年4-12月)決算は、売上高304億7500万円(前年同期比11.2%減)、営業利益2億1900万円(同75.0%減)、最終利益1億6900万円(同81.4%減)だった。

■クルーズ <2138>  1,670円 (+300円、+21.9%) ストップ高

クルーズ <2138> [JQ]がストップ高。ソーシャルゲーム開発を祖業とするが、現在は低価格のブランド衣料品を扱うeコマース事業を主力展開し業績立て直しを図っている。同社が9日取引終了後に発表した20年4-12月期決算は営業損益が19億1400万円の黒字(前期実績は3億5100万円の赤字)と回復色を鮮明とした。個人向けアパレルeコマース市場は年々急拡大しており、同社が展開する「SHOPLIST」が若い女性層を中心とする顧客ニーズの取り込みに成功している。これがポジティブサプライズとなり投資マネーが集中した。

■KYB <7242>  3,110円 (+504円、+19.3%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。KYB <7242> がストップ高。同社は油圧機器の総合メーカー大手で自動車向け衝撃緩衝器では世界屈指の商品競争力を持っている。9日取引終了後、21年3月期業績予想の上方修正を発表、営業利益は従来予想の40億円から116億円(前期実績は402億円の赤字)に3倍近い増額修正で市場の注目を集めた。中国や米国での自動車販売の回復が急で売上高が会社見通しを上回ったほか、免震・制振用オイルダンパーに関する製品保証引当金の繰り入れ及び取り崩しを行った影響が反映される。利益予想の大幅増額を受け、これを好感する投資資金の流入が加速した。

■武蔵精密 <7220>  1,981円 (+314円、+18.8%)

東証1部の上昇率2位。武蔵精密工業 <7220> が続急騰。2月に入り75日移動平均線をターニングポイントに戻り歩調を強めていたが、10日は買い人気が集中し、大陽線を立て一時20.4%高の2007円まで駆け上がり昨年来高値を大幅更新した。ホンダ系の自動車部品会社だが、中国や北米などでの自動車販売好調を受け収益環境はフォローの風が強い。9日取引終了後に21年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の15億円から50億円(前期比31%減)に大幅増額しており、これに投資マネーが飛びつく形となった。同社の上場来最高値は18年5月につけた2132.5円(修正済株価)だが、2000円大台回復となれば、早晩この水準も意識されることになりそうだ。

■ケイアイ不 <3465>  3,180円 (+501円、+18.7%) ストップ高

東証1部の上昇率3位。ケイアイスター不動産 <3465> がストップ高。一次取得層向け分譲住宅の大手で都内及び北関東を中心に展開する。企業のテレワーク導入の動きに伴い戸建て分譲住宅の売れ行きが好調で業績は会社側想定を上回って推移している。9日取引終了後、21年3月期業績予想の修正を発表、営業利益段階で従来予想の71億円から118億円(前期比84%増)に大幅増額しておりサプライズを呼んだ。また、好業績を背景に配当も従来計画の88円から139円に大幅増額、前期実績は76円でそこから63円の大幅増配となる。これにより、9日終値ベース換算で配当利回りは約5.2%という高い水準となり、PERも6倍強と割安感が際立った。

■住友ゴ <5110>  1,174円 (+145円、+14.1%)

東証1部の上昇率6位。住友ゴム工業 <5110> が急反騰。一時15.1%高の1184円とマドを開けての大陽線を形成、昨年6月11日以来8ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。同社が9日取引終了後に発表した20年12月期決算は、自動車向けタイヤ需要の回復が会社の想定を上回り、減収ながら営業利益が前の期比17%増の387億100万円と2ケタ伸長を達成。株主還元に積極的な姿勢をみせており、前期配当も従来計画に10円上乗せし35円とし、更に今期については前期比15円増配の50円に引き上げることを発表。一方でPBRは0.6倍台と極めて割安水準に放置されており、一気に物色人気化した。

■デジハHD <3676>  1,487円 (+160円、+12.1%)

東証1部の上昇率9位。デジタルハーツホールディングス <3676> が4日続急騰。12%超高の1492円まで一気に水準を切り上げ、1月22日につけた昨年来高値1385円を抜き去り新高値に買われた。2019年2月以来となる1500円台乗せが目前。モバイル向けゲームソフトの不具合検査を主力とするが、非ゲーム分野の育成にも力を入れている。ウェブサイトや業務システムなどIT全般にかかわるソフトウェアの検証などエンタープライズ事業に傾注し需要を捉えている。同社が9日取引終了後に発表した20年4-12月期決算は営業利益が前年同期比11%増の11億8300万円と2ケタ伸長を確保、これを手掛かり材料に投資資金が攻勢をかけた。株式需給面では信用買い残が薄く、直近信用倍率は1.1倍台で上値が軽い。

■インテージH <4326>  1,288円 (+111円、+9.4%)

インテージホールディングス <4326> が3日ぶり急反騰。同社は9日大引け後に決算を発表。「今期経常を41%上方修正」が好感された。21年6月期第2四半期累計(7-12月)の連結経常利益は22.5億円となった。併せて、通期の同利益を従来予想の29億円→41億円に41.4%上方修正した。

■住友大阪 <5232>  3,655円 (+290円、+8.6%)

住友大阪セメント <5232> が4日続急伸。9日の取引終了後、上限を170万株(発行済み株数の4.41%)、または50億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は10日から6月30日までで、資本効率の向上を通じた株主の利益還元を図るためとしている。また同時に、21年3月期の連結業績予想について、最終利益を100億円から110億円(前期比0.7%増)へ上方修正したことも好材料視された。売上高2341億円(同4.5%減)、営業利益150億円(同7.0%減)は従来見通しを据え置いたものの、第3四半期(20年4-12月)の業績が順調に推移したことに加えて、第4四半期(1-3月)に政策保有株式の一部を売却したことによる売却益の発生を踏まえて見直したとしている。なお、第3四半期決算は、売上高1757億2200万円(前年同期比3.4%減)、営業利益114億2000万円(同6.1%増)、純利益81億4900万円(同5.6%増)だった。

■シマノ <7309>  26,375円 (+1,815円、+7.4%)

シマノ <7309> が続急伸。一時2000円を超える上昇で、最高値2万6600円にツラ合わせした。時価総額は2兆4000億円台に膨らんでおり、これはニトリホールディングス <9843> を上回る。コロナ禍で移動手段やレジャーとしての自転車 需要が好調で自転車部品の世界トップメーカーである同社の収益機会が高まっている。9日取引終了後に発表した20年12月期決算は営業利益が前の期比22%増の827億100万円と大幅な伸びを達成、続く21年12月期も前期比27%増の1050億円を見込んでいることでこれを好感する買いを呼び込む格好となった。

■サトーHD <6287>  2,571円 (+176円、+7.4%)

サトーホールディングス <6287> が8日続急伸。9日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を1025億円から1060億円(前期比8.9%減)へ、営業利益を36億円から51億円(同31.6%減)へ、純利益を94億円から104億円(前期18億8200万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。第3四半期において、新型コロナウイルス感染症の影響で停滞していた経済活動に一部再開の動きがみられ、特に日本や米国の一部小売業、中国の製造業などで想定よりも早いペースで引き合いが増加したことが要因としている。なお、第3四半期累計(20年4-12月)決算は、売上高792億7100万円(前年同期比9.7%減)、営業利益37億7700万円(同33.1%減)、純利益116億400万円(同2.8倍)だった。

■タカラトミー <7867>  980円 (+60円、+6.5%)

タカラトミー <7867> が急反発。同社は9日大引け後に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)経常は37%減益・通期計画を超過」が好感された。21年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比36.9%減の74.5億円に落ち込んだが、通期計画の55億円に対する進捗率が135.6%とすでに上回り、さらに4年平均の116.1%も超えた。同時に発表した「0.53%を上限に自社株買いを実施」も買い材料。発行済み株式数(自社株を除く)の0.53%にあたる50万株(金額で5億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は2月10日から3月31日まで。

■ライフネット <7157>  1,575円 (+93円、+6.3%)

ライフネット生命保険 <7157> [東証M]が4日続急伸。9日の取引終了後、マネーフォワード <3994> [東証M]と業務提携契約を締結すると発表しており、これが材料視されたようだ。同社は、パートナー企業のブランド力と顧客基盤を活用して、生命保険商品を提供するホワイトレーベルの拡大を図っており、今回マネフォと「マネーフォワードの生命保険」を今夏をめどに販売する予定だとしている。なお、同時に発表した21年3月期第3四半期累計(20年4-12月)の決算は、経常収益151億4400万円(前年同期比23.7%増)、経常損益17億1400万円の赤字(前年同期16億9900万円の赤字)だった。

■フジテック <6406>  2,678円 (+137円、+5.4%)

フジテック <6406> が5連騰し昨年来高値を更新。9日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を1650億円から1690億円(前期比6.7%減)へ、営業利益を107億円から133億円(同0.6%減)へ、純利益を75億円から93億円(同6.2%減)へ上方修正し、あわせて従来30円を予定していた期末配当予想を40円に引き上げると発表したことが好感された。中国での新設工事や日本でのモダニゼーション工事の増加により売上高が計画を上回ったことに加えて、中国新設工事の採算性向上や香港、シンガポールにおけるアフターマーケット事業の堅調などが利益を押し上げる。また、年間配当は60円となり、前期実績に対しては10円の増配になる予定だ。なお、第3四半期累計(20年4-12月)決算は、売上高1239億8700万円(前年同期比7.8%減)、営業利益100億3700万円(同2.5%増)、純利益70億9800万円(同2.7%減)だった。同時に21年3月末時点の株主から株主優待制度を新設すると発表しており、これも好材料視された。毎年3月末時点株主名簿に連続して記載された2単元(200株)以上保有の株主に対して、特設サイトで食品、電化製品、寄付などの商品と交換できる優待ポイントを保有株数と保有期間に応じて3000~2万5000ポイント贈呈する。

■ATグループ <8293>  1,615円 (+81円、+5.3%)

ATグループ <8293> [名証2]が9日の取引終了後に決算を発表。「今期経常を31%上方修正」が好感された。21年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比0.9%減の88.1億円となった。しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の83億円→109億円(前期は110億円)に31.3%上方修正し、減益率が24.6%減→0.9%減に縮小する見通しとなった。

■ホンダ <7267>  3,130円 (+153円、+5.1%)

ホンダ <7267> が急反発し、昨年来高値を更新した。9日取引終了後、21年3月期連結利益予想の増額修正と増配を発表したことが好感された。売上高は13兆500億円から12兆9500億円(前期比13.3%減)に修正したものの、営業利益は4200億円から5200億円(同17.9%減)、純利益は3900億円から4650億円(同2.0%増)に見直した。研究開発費の効率化やコスト削減などが寄与する。同時に、今期の年間配当は従来予想の68円から82円(前期は112円)に増配することも明らかにしている。

■グロブライド <7990>  4,445円 (+215円、+5.1%)

グローブライド <7990> が急反発。10日午後2時ごろ、21年3月期の連結業績予想について、売上高を920億円から990億円(前期比12.2%増)へ、営業利益を48億円から68億円(同88.2%増)へ、純利益を26億円から40億円(同3.6倍)へ上方修正し、あわせて35円を予定していた期末配当予想を40円に引き上げたことが好感された。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、同社の提案するフィッシングなど自然志向の商品が「3密」を避ける健全なスポーツ・レジャーとして再認識され、需要が急速に回復したことが要因としている。なお、第3四半期累計(20年4-12月)決算は、売上高754億1600万円(前年同期比13.7%増)、営業利益71億1300万円(同2.3倍)、純利益46億7400万円(同2.4倍)だった。

■テレ朝HD <9409>  2,284円 (+109円、+5.0%)

テレビ朝日ホールディングス <9409> が4日続急伸。同社は9日大引け後に決算を発表。「今期経常を88%上方修正」が好感された。21年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比57.9%減の124億円に大きく落ち込んだ。しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の80億円→150億円(前期は320億円)に87.5%上方修正し、減益率が75.0%減→53.2%減に縮小する見通しとなった。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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