話題株ピックアップ【夕刊】(2):アルチザ、エアウォータ、西松建

注目
2021年3月5日 15時18分

■エア・ウォーター <4088>  1,837円  +35 円 (+1.9%)  本日終値

エア・ウォーター<4088>がしっかり。きょう付けの化学工業日報で感染症対策製品の好調が報じられており、「マスク、手指消毒剤といった衛生材料のほか、病院向けに陰圧空気装置、紫外線殺菌装置といった医療機器の販売が大きく伸び、コロナ禍で苦戦する病院設備工事や医療用ガスの苦戦を補っている」としていることが好感された。また、足もとでは新型コロナワクチン接種に必要な注射針のサンプル提供も進むとしており、業績への貢献が期待されている。

■西松建設 <1820>  2,811円  +25 円 (+0.9%)  本日終値

西松建設<1820>がしっかり。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が4日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を2750円から3000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。21年3月期は土木の複数工事で収益性前提を保守的に見直したことから250億円から185億円へ下方修正し前期比26.9%減と減益を見込むが、22年3月期はこの影響がなくなることや、土木マージン上昇を見込むことから、営業利益229億円(前年比23.8%増)へ改善を予想している。

■東祥 <8920>  1,852円  -90 円 (-4.6%)  本日終値

東祥<8920>などスポーツクラブ関連が安い。全般相場の下落に加えて、政府はきょう午後8時に新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で発令している緊急事態宣言を2週間延長すると正式に決定するとみられていることから、コロナ禍の影響の更なる長期化で業績への影響を懸念した売りが出ているようだ。

■ラクーンHD <3031>  1,820円  -70 円 (-3.7%)  本日終値

ラクーンホールディングス<3031>は大幅安。4日の取引終了後に発表した第3四半期累計(20年5月~21年1月)連結決算は、売上高32億4600万円(前年同期比28.2%増)、営業利益9億5900万円(同82.0%増)、純利益6億3000万円(同86.4%増)と大幅増益となったものの、目先の材料出尽くし感が強まっているようだ。マスク・除菌グッズといったコロナ特需商材の流通額は落ち着いたものの、通常のアパレル・雑貨の流通額が順調に成長し、「スーパーデリバリー」の流通額が同64.3%増と高い成長率を継続したことが大幅な増収増益の背景にある。また、フィナンシャル事業の保証履行額の減少に伴う売上原価の減少効果も寄与した。なお、21年4月期通期業績予想は、売上高44億5000万~46億円(前期比28.0~32.3%増)、営業利益11億8000万~12億7000万円(同67.1~79.9%増)、純利益7億4000万~8億円(同64.0~77.3%増)の従来見通しを据え置いている。

■マクドナルド <2702>  5,110円  -130 円 (-2.5%)  本日終値

日本マクドナルドホールディングス<2702>が反落。同社は4日取引終了後に、2月度の月次売上高を公表。既存店売上高は前年同月比1.0%増と8カ月連続で前年実績を上回ったが、1月度の伸び率(18.7%増)から大きく鈍化したことがネガティブ視されたようだ。政府による緊急事態宣言や自治体からの要請で対象地域の店舗の利用を午後8時までとしたことなどが影響し、既存店の客数は同11.3%減(1月は3.2%減)、客単価は同13.8%増(1月は22.7%増)となった。なお、全店ベースの売上高は同1.7%増(1月は19.4%増)だった。

■東京エレクトロン <8035>  41,480円  -1,050 円 (-2.5%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>やレーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連株が軒並み安い。米国株市場では長期金利の上昇を背景に、ここハイテク株への売りが目立っている。前日はナスダック総合指数が3日続落となったほか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4%を超える下げで連日の下値模索となっており、東京市場でもこの影響を受ける格好となっている。

■sMedio <3913>  1,105円  +150 円 (+15.7%) ストップ高   本日終値

sMedio<3913>がストップ高。4日の取引終了後、子会社タオソフトウエアが、高解像度画像を表示する処理速度を向上させる特許を取得したと発表しており、これが好感された。本特許は、超解像ディープラーニングを用いた、低解像度画像を高解像度画像へ変換する処理の高速化や必要メモリの改善技術に関するもの。特許の技術を使用することにより、低スペック機器においても低解像度画像を高解像度画像に変換する処理の高速化や必要メモリの改善が可能になるとしている。

■アルチザネットワークス <6778>  1,848円  +218 円 (+13.4%)  本日終値

アルチザネットワークス<6778>が3日ぶりに反発。同社は4日取引終了後に、21年7月期第2四半期累計(20年8月~21年1月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比2.6倍の6億7300万円となり、通期計画7億8000万円に対する進捗率は86.3%となった。売上高は同50.9%増の22億8100万円で着地。通信事業者向けの5G対応製品の販売や基地局メーカー向けのテストサービスが好調で、主力のモバイルネットワークソリューションが大きく伸びたことなどが寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。また、同日にはNTTドコモ(東京都千代田区)が2030年に向けて開発を進めている5G evolutionおよび6Gの分野における3GPP(Third Generation Partnership Project)標準化業務に協力することも発表しており、これも材料視されているようだ。

■昭光通商 <8090>  802円  +82 円 (+11.4%)  本日終値  東証1部 上昇率トップ

昭光通商<8090>は急反発。4日の取引終了後、丸紅<8002>系投資ファンドのアイ・シグマ・キャピタルが設立したSKTホールディングス(東京都千代田区)が、昭光通商の非公開化を目指して1株796円でTOBを実施すると発表しており、TOB価格796円を意識した動きとなった。丸紅グループのネットワークを活用した輸入品の調達支援や、物流面における丸紅グループのノウハウ活用とスケールメリットを生かした利益率の改善を図り、企業価値の向上を図ることが狙いという。買付予定数は930万8723株(下限566万2898株、上限設定なし)で、買付期間は3月5日から4月15日まで。TOB成立後、昭光通商は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は、同社株式を3月4日付で監理銘柄(確認中)に指定している。なお、同社の親会社にあたる昭和電工<4004>は、保有する昭光通商株式479万153株のうち316万306株を応募するとしている。

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