前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年3月10日 5時20分

■大黒屋 <6993>  54円 (+26円、+92.9%)

大黒屋ホールディングス <6993> [東証2]が急騰。8日の取引終了後、中国中信集団(CITICグループ)との合弁会社を解散し、単独で中古ブランド品事業を行う子会社を上海に設立すると発表しており、これが好感された。同社の持つリソースを中国子会社に集約し、アリババグループにおける越境ECで高級品販売電子商取引のプラットフォームである魅力恵(MEI.com)の責任者である劉丹氏を経営陣として迎えることにより、中国における更なる事業基盤の拡大を目指すという。なお、21年3月期業績への影響は軽微としている。

■ワタベ <4696>  396円 (+80円、+25.3%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。ワタベウェディング <4696> がストップ高。9日の寄り前に開示された3月25日開催予定の定時株主総会招集通知で、ZOZO <3092> の創業者である前澤友作氏の保有割合が0.94%を占め第8位の株主となっていることが判明。これが好材料視されたようだ。

■安永 <7271>  1,377円 (+188円、+15.8%) 一時ストップ高

東証1部の上昇率2位。安永 <7271> が急反騰。9日付の日刊工業新聞で、「トヨタ自動車と共同で、燃料電池車(FCV)のFCスタックを構成するセルの電極接合シート(MEGA)を独自のアルゴリズムで画像を解析し、検査速度を7倍にする検査ユニットを開発した」と報じられており、これが好材料視された。今回開発された技術により、検査精度が向上し、測定時間の長さや過剰判定による材料ロスが減ることで、歩留まり率を100%に近づけることに成功したという。

■アスカネット <2438>  1,088円 (+143円、+15.1%) 一時ストップ高

アスカネット <2438> [東証M]が急反騰。同社は8日取引終了後に、21年4月期第3四半期累計(20年5月-21年1月)の単独決算を発表。営業利益は前年同期比78.3%減の1億4000万円となったが、第2四半期累計時点の5600万円の赤字から黒字に浮上したことが好感されたもよう。第3四半期累計の売上高は同15.5%減の41億8900万円で着地。新型コロナウイルス感染拡大の影響で葬儀演出サービスやウェディング向け写真集の売り上げは苦戦したが、一方で空中結像を可能にする樹脂製ASKA3Dプレートの販売増でエアリアルイメージング事業は増収となった。通期業績予想については、売上高57億7500万円(前期比12.2%減)、営業利益2億円(同71.8%減)とする従来計画を据え置いている。また、同日には樹脂製ASKA3Dプレートの新サイズ(250ミリ×250ミリ)を開発し、4月1日から販売受付を開始すると発表しており、これも材料視されたようだ。

■大紀ア <5702>  978円 (+127円、+14.9%)

東証1部の上昇率3位。大紀アルミニウム工業所 <5702> が急反騰し、昨年来高値を更新した。8日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を1312億円から1348億円(前期比15.3%減)へ、営業利益を79億2000万円から89億9000万円(同16.5%増)へ、純利益を54億4000万円から57億7000万円(同3.3%増)へ上方修正し、あわせて15円を予定していた期末配当予想を18円に引き上げると発表したことが好感された。従来予想では自動車メーカーは半導体不足による生産の減少懸念があり、販売数量が減少傾向の見通しとしていたが、影響は軽微だったことから予想値を修正するとしている。なお、年間配当は28円となり、前期実績に対しては3円の増配となる予定だ。

■インプレス <9479>  237円 (+30円、+14.5%)

東証1部の上昇率4位。インプレスホールディングス <9479> が大幅に4日続伸と上値指向を強めている。同社は電子書籍やネット広告などデジタルコンテンツを展開するが、巣ごもり化で市場拡大が加速した電子コミックの配信事業で収益拡大の恩恵を享受している。21年3月期は2度の上方修正を行っており、直近修正時点で21年3月期営業利益は前期比5割増の6億5000万円を予想している。しかし、20年4-12月期営業利益は14億8900万円と既にこれを大幅に上回っている。株価が200円近辺という値ごろ感に加え、PBR0.8倍前後と指標面からも割安感があり、バリュー株としての側面も注目されている。

■Kudan <4425>  3,870円 (+390円、+11.2%)

Kudan <4425> [東証M]が急反騰。8日の取引終了後、組み込みシステムや画像処理などを手掛ける台湾ベコー社と共同で開発を進めている自律移動ロボット(AMR)について、プロトタイプである「VBoT」の一部を発表しており、これが好材料視されたようだ。「VBoT」は、ベコー社の人工知能(AI)及びロボット制御機能を兼ね備えた統合ソリューション「VHub ROSソリューション」と、Kudanのセンサー情報から周辺環境マッピングと自己位置認識を同時にリアルタイムで行う技術である「KdVisual」を組み合わせ、ベコー社のハードウェアをベースに開発。KdVisualの実装により、ロボットの自己位置推定の精度とパフォーマンスが大幅に向上するとともに、さまざまな環境下において優れたロバスト性(強靭性)が期待できるとしている。

■プロパティA <3464>  1,860円 (+169円、+10.0%)

東証1部の上昇率6位。プロパティエージェント <3464> が大幅高で5日ぶりに反発。9日正午ごろ、運営する不動産投資型クラウドファンディングサービス「Rimple(リンプル)」において、Rimple’s Selection#11に、3億9189万円の応募があったと発表しており、これが好感された。これは募集金額3710万円(出資総額5300万円のうち優先出資70%分)に対して10.6倍となる。なお、抽選結果は、3月10日午後6時以降にメールで連絡するとしている。

■アイサンテク <4667>  1,730円 (+142円、+8.9%)

アイサンテクノロジー <4667> [JQ]が続急伸。9日午後2時ごろ、つくばスマートシティ協議会が2月27日から28日に行った、「スマート・コミュニティ・モビリティ」の実証実験に参加協力したと発表しており、これが好感された。今回行われた実証実験では、高齢者などの交通弱者の移動・外出の促進を図るため、自動運転車と低速型パーソナルモビリティ(電動車いす)を連携して住宅地から最終目的地までの移動を一気通貫で提供するユースケースにおいて、自動運転車の実環境での走行性能やパーソナルモビリティとの連携性、利用者の利便性や安全・安心性などについて検証するというもの。アイサンテクは、「高精度3Dマップ作成、および、自動運転走行の統括」の内容で参加協力したという。

■ホギメデ <3593>  3,455円 (+265円、+8.3%)

ホギメディカル <3593> が急伸。8日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を190万株(発行済み株数の6.28%)、または50億円としており、取得期間は3月9日から10月31日まで。株主還元の充実や資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するためという。

■蛇の目ミシン工業 <6445>  873円 (+57円、+7.0%)

蛇の目ミシン工業 <6445> が大幅高で3日続伸。巣ごもり需要を捉え家庭用ミシンの販売が好調、業績は絶好調に推移しており、21年3月期業績予想は期中2度にわたる上方修正を経て、営業利益段階で前期比4.1倍の48億円を見込む。好業績を背景に年間配当も期初見通しから増額して25円(期末一括配当)を計画するが、それにもかかわらずPER5倍未満でPBRは0.6倍前後と割安感が際立つ。バリュー株への資金シフトが鮮明となるなか、期末配当狙いの買いも交え、同社株に対する足もとの評価が急上昇している。

■トレファク <3093>  932円 (+54円、+6.2%)

トレジャー・ファクトリー <3093> が急反発。8日の取引終了後に発表した2月度の月次売上概況(単体)で、既存店売上高が前年同月比0.6%増となり、前年より営業日が1日少なかったにもかかわらず4ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。気温の上昇などから衣料の販売が復調したほか、ブランド品が好調に転じた。また、家具、スポーツ・アウトドア用品、ホビ―用品なども引き続き好調に推移した。なお、全店売上高は同4.1%増だった。

■富士ソSB <6188>  453円 (+25円、+5.8%)

富士ソフトサービスビューロ <6188> [東証2]が3日ぶり急反発。同社は8日、大阪市から淀川区役所保険年金窓口業務などを受託したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。受託した内容は、窓口対応や申請書入力、各種報告書の作成、運営管理、その他付随する業務となっている。

■トーホー <8142>  1,922円 (+104円、+5.7%)

トーホー <8142> が続急伸。8日の取引終了後、集計中の21年1月期の連結業績について、売上高が1850億円から1860億円(前の期比19.6%減)へ、営業損益が39億円の赤字から32億円の赤字(前の期14億3300万円の黒字)へ、最終損益を41億円の赤字から36億円の赤字(同4億7400万円の黒字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高が概ね計画通りだったことに加えて、商談・研修のオンライン化、アプリの有効活用による各種経費の見直しなど、収益構造改革による損益分岐点の引き下げを推し進めたことが奏功したという。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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