前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年3月19日 5時30分

■スクエニHD <9684>  6,500円 (+300円、+4.8%)

スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> が大幅高で3日続伸。17日の取引終了後、子会社スクウェア・エニックスが、 ブロックチェーン技術を活用した「NFTデジタルシール」をdouble jump.tokyo(東京都新宿区)と共同開発し今夏に販売すると発表しており、これを好感した買いが入った。NFTデジタルシールは、ゲームのキャラクターやアイテムから、アートや権利のデジタル化といったユースケースが期待される代替性のないトークンの一種で、購入者情報がブロックチェーン上で記録され、シリアルナンバーやロットナンバー、使用状態(デジタルシールとしての使用履歴)などのデータをシール自体に紐づける技術。スクエニでは、同社初となるNFTデジタルシールを「ミリオンアーサー」シリーズでの展開を予定している。

■SCSK <9719>  6,670円 (+290円、+4.6%)

SCSK <9719> が大幅反発。大和証券は17日、同社株のレーティングを「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」へ引き上げた。目標株価は5600円から6900円に見直した。10-12月期の売上高は前年同期比8.0%増と第2四半期(7-9月)の0.6%減から好転。営業利益も10-12月期は同14.8%増と増益に転じた。幅広い業種の親密顧客案件が業績の牽引役となった。同証券では、想定より早い業績の回復を評価しており、21年3月期の同利益は会社予想と同水準の450億円に対し、22年3月期は500億円への拡大を予想している。

■メルカリ <4385>  5,640円 (+240円、+4.4%)

メルカリ <4385> [東証M]が大幅高で3日続伸。同社は18日午前、ファーストリテイリング <9983> と共同で、フリマアプリ「メルカリ」上での安心・安全な取り引き環境の構築に向けた包括連携協定である「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を締結したと発表しており、これが好感されたようだ。これにより、両社は商品情報や発売情報を事前に共有し、特定の新商品発売前後の注意喚起や権利侵害品対策などで連携していくという。同社では、今後さまざまな一次流通事業者との対話や連携を強化し、顧客に適切な情報を提供することで、誰もが安心して参加できるマーケットプレイスを目指すとしている。

■トヨタ自動車 <7203>  8,650円 (+342円、+4.1%)

トヨタ自動車 <7203> やホンダ <7267> など自動車株は強弱感対立も、買い優勢の展開となった。FOMCではFRBが2023年末までゼロ金利政策を維持する方針を表明したほか、会合後のパウエルFRB議長の記者会見も市場コンセンサスよりもハト派寄りの内容だったことから、外国為替市場ではドル売り・円買いの動きを誘発した。18日は1ドル=108円台後半まで円高方向に振れた。これを受け、為替感応度の高い自動車株は輸出採算改善の思惑が後退した。ただ、米国景気の回復が想定以上に速く今後の見通しも強気に傾いていることは、米国での新車販売需要にも追い風となることが予想され、自動車株に対する売り圧力は限定的だ。

■JTOWER <4485>  8,740円 (+340円、+4.1%)

JTOWER <4485> [東証M]が反発。17日の取引終了後、21年3月期業績予想について、売上高を34億2400万円から35億1000万円(前期比37.2%増)へ、営業利益を3億円から4億円(同5.8倍)へ上方修正しており、これが好感された。商業施設やオフィスビルの大型施設内のアンテナ、配線、中継装置などの携帯インフラを一本化して提供する国内IBS事業の新規導入物件数が順調に進んでいることが要因。また、新型コロナウイルスに対応したリモートワーク体制の実施や人材採用の後ずれによる販促費、人件費などの経費が抑えられていることも寄与する。

■野村 <8604>  689.5円 (+26.7円、+4.0%)

野村ホールディングス <8604> が大幅反発し昨年来高値を更新したのをはじめ、証券株が一斉高となった。前日18日のFOMC結果を受け米国株が買われ、これを引き継ぐ形で東京市場も朝方からリスク選好ムードが高まった。日経平均は570円を超える上昇で、一時2月16日につけた昨年来高値3万467円を上回る場面もあった。全体売買代金も活況であり、証券会社にとっては株高による運用成績の向上と商い拡大に伴う手数料増加のダブルメリットが期待できる状況にある。収益環境改善を見込んだ買いが証券セクターに流入する格好となった。

■JIGSAW <3914>  13,970円 (+540円、+4.0%)

JIG-SAW <3914> [東証M]が大幅反発。同社は18日、米国法人が米スノーフレークと IoTアプリケーションで技術提携したと発表しており、新たな買い手掛かりとなったようだ。これは、JIG-SAWのIoTマネジメントエンジン「NEQTO」を、スノーフレークのクラウド・プラットフォームに統合するパートナー提携。この統合により、ユーザーはIoTデバイスをダイレクトにスノーフレークのプラットフォームに接続し、データを送り込むことが可能になるとしている。

■インフォMT <2492>  984円 (+28円、+2.9%)

インフォマート <2492> が3日続伸。18日午前に、三井物産 <8031> と協業し、中国フードテック企業の北京博君優選網絡科技(博君)と資本業務提携契約を締結したと発表しており、これが材料視されたようだ。同社は三井物産と特別目的会社I&Mを設立し、中国フードテック企業トップの奥琦信息科技のグループ会社である博君と資本業務提携した。中国外食産業市場の拡大とDX推進をにらみ、中国事業の活性化を目指す構えだ。

■神鋼環境 <6299>  2,490円 (+70円、+2.9%)

神鋼環境ソリューション <6299> [東証2]が続伸。17日取引終了後、21年3月期連結利益予想の増額修正と増配を発表したことが好感された。売上高は1100億円(前期比12.2%増)で据え置いたが、営業利益は48億円から52億円(同48.4%増)、純利益は30億円から34億円(同24.6%増)に修正した。前回公表時からの更なる収益改善が見込め、懸念事項における費用発生も最小限にとどまる見込みとなった。また、今期の期末一括配当は従来予想の45円から15円増の年60円(前期比15円増)に増配する予定だ。

■東エレク <8035>  43,250円 (+1,150円、+2.7%)

東京エレクトロン <8035> が一時1900円を超える上昇をみせたほか、ディスコ <6146> も900円の上昇をみせるなど値がさの半導体製造装置関連株に物色の矛先が向いた。ここ最近の半導体関連セクターは調整色の強い動きを強いられていたが、18日はFOMC通過後の米株高を受けて買い安心感が広がり、押し目買いや買い戻しの動きを誘発した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も直近は3日続伸と戻り歩調を強めており、これが東京市場にもプラスの影響を与えた。

■日電産 <6594>  13,620円 (+345円、+2.6%)

日本電産 <6594> が3連騰。今月9日に下ヒゲで1万2000円大台を割り込む場面があったが、そこをターニングポイントに切り返し、時価は中期波動の分水嶺である75日移動平均線とのマイナスカイ離を埋めた。電気自動車(EV)向け駆動モーターに注力しており、世界的なEVシフトの動きを背景に同関連の有力株としてマーケットでも注目度が高い。世界的な「脱炭素」に向けた流れは米バイデン政権の発足で一段と強まっている。米国株市場では、一時大きく売り込まれたEV大手のテスラが、下げ一巡からリバウンドに転じていることも、日電産の株価にもポジティブに働いた。

■富士フイルム <4901>  6,594円 (+145円、+2.3%)

富士フイルムホールディングス <4901> が5日続伸し最高値を更新。東海東京調査センターは17日、同社株の「アウトパフォーム」を継続するとともに目標株価を7000円から8600円に引き上げた。同社は事業ポートフォリオの強化に努め、ヘルスケア事業を将来の柱にすると定め経営資源を投入し、成長させていることを評価。特に、ヘルスケア事業ではバイオCDMO(医薬品の開発製造受託)事業の21年3月期売上高が前年比5割増の1000億円となり、22年3月期中期計画で掲げていた目標を1年前倒しで達成する見通しであることなどに注目している。

■日経レバ <1570>  34,750円 (+750円、+2.2%)

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が反発、一時1300円を超える上昇で2月22日取引時間中以来となる3万5000円台を回復した。前日18日のFOMCでは強力な金融緩和政策の維持を決定、21年の米GDP成長率を6.5%に上方修正するなど景気見通しについても強気の見方を示し、これを好感する形で米国株市場ではNYダウが初の3万3000ドル台に乗せるなど強調展開をみせた。東京市場でもこのリスクオンの流れが波及し、日経平均は一時570円を超える上昇をみせ、日経平均に連動するETFで変動率が2倍に基本設定されている日経レバも大きく水準を切り上げる展開となった。

■メドレー <4480>  4,270円 (+75円、+1.8%)

メドレー <4480> [東証M]が3日続伸。17日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、営業利益を5000万~5億9000万円から1億6000万~6億6000万円(前期比59.6%減~66.7%増)へ上方修正したことが好感された。2月26日付でメディパスを連結子会社化したことによる影響に加えて、人材プラットフォーム事業及び医療プラットフォーム事業のオンライン診療が好調に推移していることが要因としている。

※18日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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