前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年4月8日 5時20分

■東芝 <6502>  4,530円 (+700円、+18.3%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。東芝 <6502> がストップ高。7日付の日本経済新聞は「英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどが東芝に買収提案することが6日分かった」と報じた。株式を非公開化して経営判断を速めることを狙っており、当局を含め合意できればTOBに乗り出す。買収額は2兆円を超えるともみられている。CVCは買収額の目安として足もとの株価の3割程度のプレミアムを提示したもようだ、という。

■北川精機 <6327>  981円 (+104円、+11.9%)

北川精機 <6327> [JQ]が鮮烈な上値追いで注目を集めた。実質新年度入りとなった3月30日から急速に株価水準を切り上げ、7日で7連騰となった。プリント基板の真空プレス機のメーカーで世界的にも高い商品競争力を誇る。高速通信規格5G向け真空プレス機の需要開拓などに期待が高い。21年6月期営業利益は前期比4%増の5億円を計画するが、上期進捗率から上振れの可能性も意識されている。また、株式需給面ではモルガンスタンレーMUFGが4月6日付の大量保有報告で同社株の5.63%を保有したことを発表、これが株高を助長している。

■三谷産業 <8285>  471円 (+47円、+11.1%)

東証1部の上昇率3位。三谷産業 <8285> が急反騰。6日取引終了後、21年3月期連結利益予想の増額修正を発表したことが好感された。売上高は800億円(前の期比3.1%増)で据え置いたが、営業利益は20億円から25億円(同1.3%減)、純利益は14億円から22億円(同33.7%増)に見直した。情報システムでは、オリジナルソリューションである「POWER EGG」の販売が好調だったほか、文教機関向け案件や基幹システムの大型更新案件を獲得できた。樹脂エレクトロニクス関連事業は車載向け樹脂成形品の需要が想定よりも回復した。空調設備工事関連事業は、首都圏や北陸で大型新築工事が順調に進捗したほか、ベトナムにおける設計・積算業務の受託も好調だった。

■放電精密 <6469>  827円 (+77円、+10.3%)

放電精密加工研究所 <6469> [JQ]が大幅に4日続伸、連日で年初来高値を更新した。6日の取引終了後、22年2月期の連結最終損益は8億7600万円の黒字(前期は28億3200万円の赤字)になりそうだと発表。3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなり、これを好感する買いが入った。今期は放電加工・表面処理部門で航空機エンジン部品の生産が徐々に回復に向かうほか、産業用ガスタービン部品の受注が引き続き堅調な見通し。機械装置等部門では前期に納入予定だったデジタルサーボプレスなどの販売を計画する。また、前期に実施したコスト改革効果に加え、固定資産売却益約11億円を計上することも利益を押し上げる。併せて、年間配当は20円と2期ぶりに復配する方針を示した。同時に、24年2月期に売上高137億1900万円(21年2月期は109億2700万円)、営業損益7億6000万円の黒字(同5億5600万円の赤字)を目標とする中期経営計画も発表している。

■ユニネク <3566>  2,064円 (+184円、+9.8%)

ユニフォームネクスト <3566> [東証M]が3日ぶりに急反発。6日の取引終了後に発表した3月度の月次業績速報で、売上高が前年同月比24.0%増の4億8600万円に伸び、今期に入り3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。全国的に気温が高い日が続いたことで、春夏物の作業服やポロシャツなどの販売が好調だった。また、医療制服や事務服においてもリピーターを中心に、期末にかけて販売が順調に進捗したという。

■東芝テック <6588>  4,605円 (+400円、+9.5%)

東証1部の上昇率4位。東芝テック <6588> や芝浦メカトロニクス <6590> が急伸。7日、東芝 <6502> に対して、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどが買収提案することが報道された。これを受け、東芝には買いが殺到した。東芝はこれまでグループ企業の再編を進めてきたが、現在も同社が大株主となっている東芝テックや芝浦メカトロニクスは、東芝が海外ファンドなどに買収された場合、その保有株は流動化する可能性もあることから思惑買いが流入した様子だ。

■エノモト <6928>  2,309円 (+194円、+9.2%)

東証1部の上昇率6位。エノモト <6928> が3日ぶり急反発、25日移動平均線をサポートラインとする上昇トレンドを継続中だ。半導体用リードフレームやコネクター部品のほか、精密金型に強みを有する。固体高分子形燃料電池用新型セパレータなど次世代電池材料分野での研究開発でも実績がある。21年3月期営業利益は従来予想の9億3000万円から15億円(前の期比11%増)に上方修正し2ケタ成長を確保。22年3月期も増収増益が有力視される。半導体関連は先駆した主力株の上値が重くなる一方、中小型株に物色が広がっており、業績面で裏付けのある同社株もその流れに乗っている。

■PSS <7707>  1,064円 (+84円、+8.6%)

プレシジョン・システム・サイエンス <7707> [東証M]が急反発。7日の午前11時ごろ、東洋紡 <3101> と新型コロナウイルスに対する迅速プール検査法の開発・実用化に成功したと発表しており、これが材料視された。同社によると、これまでは検体の前処理に人手と時間を要し、またプール検体で陽性を検出した場合の再検作業などによって検体採取から結果報告までに約2日かかっていたという。今回、同社の全自動核酸抽出装置「magLEAD 12gC」と、東洋紡が販売する全自動遺伝子解析装置「GENECUBE」(モデルC)を連携し、最適化させたプログラムを開発することで、検体到着から結果報告までを最短約1時間で行うことができるとしている。

■野村マイクロ <6254>  4,485円 (+305円、+7.3%)

野村マイクロ・サイエンス <6254> [東証2]が大幅高で昨年12月16日につけた高値4265円を払拭し、約4ヵ月ぶりに上場来高値を更新した。世界的な半導体需給の逼迫やそれに対応した半導体メーカーの設備投資増強の動きを背景に、半導体製造装置関連セクターに断続的に投資資金が流入している。そのなか、先駆した主力株を追う格好で中小型の 半導体製造装置関連株などがファンド系資金などの草刈り場となっているとの見方が出ている。半導体受託生産の世界トップのTSMCが3年間で約11兆円の設備投資計画を打ち出すなどで話題を呼んだが、野村マイクロは台湾や韓国などアジアの大手半導体メーカーの需要開拓で先駆していることもあり追い風が強い。

■大有機 <4187>  4,635円 (+315円、+7.3%)

大阪有機化学工業 <4187> が急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は6日、同社株の「バイ」を継続するとともに、目標株価は4500円から5200円に引き上げた。外部環境などを考慮すれば半導体の先端プロセス用フォトレジスト材料や半導体用溶剤の拡販などによる中長期的な成長確度はより高まっているとみている。第1四半期(20年12月-21年2月)は大幅増益となったが、21年11月通期の業績予想は据え置かれた。ただ、第2四半期以降の増額修正を予想。同証券では今期連結営業利益を前期比23.8%増の55億円(会社予想45億5000万円)を見込んでおり、22年11月期の同利益は65億円とみている。

■レーザーテク <6920>  17,670円 (+1,180円、+7.2%)

レーザーテック <6920> が急反発し連日の上場来高値更新となった。前日6日の米国株市場では半導体関連株が軟調でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4日ぶりに反落したほか、外国為替市場ではドル=110円を割り込む円高水準で推移するなど向かい風が意識された。しかし、半導体マスクブランクス検査装置で世界シェアを独占する企業として海外投資家資金の再流入が観測された。7日発表された3月上中旬の貿易統計では貿易収支が2635億円の黒字だったが、その牽引役となったのは自動車と半導体製造装置であり、そのなか半導体製造装置のグローバルニッチトップである同社の存在が改めて注目されている。

■新日本電工 <5563>  381円 (+25円、+7.0%)

新日本電工 <5563> が大幅4日続伸。3月下旬を境に急速に上放れ、7日までの直近10営業日で下げた日はわずかに1日のみ、9勝1敗。日本製鉄系の合金鉄大手で、水素吸蔵合金で実績が高く、世界的な電気自動車(EV)シフトを背景に2次電池材料や、脱炭素が世界的なテーマとなるなかで水素貯蔵システムなどへの展開に期待がかかっている。水素貯蔵システムについては燃料電池車普及のカギを握る水素ステーションのインフラ拡充と絡むだけに今後、一段と注目度が高まりそうだ。

■アルインコ <5933>  1,055円 (+66円、+6.7%)

アルインコ <5933> が急反発。6日取引終了後、21年3月期連結業績予想の増額修正を発表したことが好感された。売上高は520億5000万円から533億4000万円(前の期比4.1%減)に修正したほか、営業利益は20億5000万円から25億3000万円(同24.2%減)、純利益は13億8000万円から16億円(同25.8%減)に見直した。新型コロナウイルス感染拡大による業績への影響は当初想定より限定的だったほか、建設機材やレンタル関連事業、電子機器関連事業の業績回復が順調に推移した。また、次世代物流保管システム向けラック販売が高水準に推移したほか、住宅機器関連事業も「巣ごもり需要」で好調だった。

■古野電 <6814>  1,185円 (+73円、+6.6%)

古野電気 <6814> が4日続伸となり、1100円近辺で収れんする5日・25日移動平均線を足場に上放れる動きをみせている。同社は魚群探知機や船舶用電子機器メーカーとして世界的に抜群の商品競争力を誇るほか、無線技術を活用して医療機器や教育ICT分野などにも業容を広げている。21年2月期は業績が急回復しており、株主還元にも積極的な姿勢をみせている。6日取引終了後、前期年間配当を従来計画から20円増額修正し40円とすることを発表、これを受けて前日終値ベースで換算した配当利回りは3.6%に跳ね上がる。これを評価する形で買いを呼び込んだ。

■東京ラヂ <7235>  680円 (+41円、+6.4%)

東京ラヂエーター製造 <7235> [東証2]が3日ぶり急反発、目先調整を挟んだものの、3月下旬以降の異色の上げ足にマーケットの注目が集まっている。いすゞ自動車 <7202> 向けを主力とする熱交換器メーカーで、世界的な自動車販売好調を背景としたいすゞの業績急回復に合わせて収益環境の好転が見込まれている。21年3月期業績は営業損益が4億円の赤字見通しから1億円の黒字見通しに上方修正された。22年3月期はディーゼルエンジン用EGRクーラーの貢献もあり、市場では9~10億円程度まで急回復する可能性が指摘されている。トヨタといすゞの資本提携のインパクトも大きく、同社にはトヨタ絡みの特需が発生するとの思惑も追い風となる。PBRが0.4倍台と超割安圏にあり、600円から800円前後まで滞留出来高はほとんどなく株式需給面で真空地帯が広がっていることも投資資金の食指を動かしている。

※7日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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