前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年4月9日 5時30分

■シュッピン <3179>  1,173円 (+94円、+8.7%)

東証1部の上昇率3位。シュッピン <3179> が急反発。一時1200円台まで上値を伸ばし、1ヵ月半ぶりに年初来高値更新となった。同社はカメラや時計などを中心に専門性の高い商材をネットや一部店舗を通じて販売しているが、足もとの業績は絶好調に推移している。7日取引終了後に発表した3月の売上高は前年同月比49%増と大幅な伸びとなり2ヵ月連続で前年実績を上回った。2月も11%の2ケタ伸長を示していた。これを評価する形で投資資金の流入を誘った。

■東ラヂ <7235>  729円 (+49円、+7.2%)

東京ラヂエーター製造 <7235> [東証2]が全体地合い悪に関わらず大幅続伸、今月2日につけた年初来高値695円を上回った。21年3月期業績は営業損益段階で4億円の赤字見通しから1億円の黒字に上方修正したが、22年3月期は主要取引先のいすゞ自動車 <7202> の業績急回復が見込まれるなか、その恩恵を享受することが予想される。昨年2月下旬から3月中旬にかけてコロナ禍で短期急落に見舞われたが、そうした事情もあって600円台半ばから800円前後までの滞留出来高が極めて希薄で、株式需給面で売り圧力に乏しい。PBRが依然0.5倍前後であることも投資マネー攻勢の拠りどころとなっている。

■黒田精 <7726>  2,234円 (+144円、+6.9%)

黒田精工 <7726> [東証2]が続急伸。実質新年度入り相場となった3月30日以降、売り物を吸収し強力な上昇波を形成中だ。ここ売買代金はそれほど増加傾向を示しているわけではないが、22年3月期の業績回復期待を背景に継続的な実需買いが観測されている。精密金型や直動関連機器などを手掛け、電気自動車(EV)向けなどを含めた車載用モーター分野で実績が高いほか、同社が製造するボールねじが半導体製造装置向けに引き合い旺盛となっている。バイデン米政権が半導体サプライチェーン強化に乗り出す構えをみせるなか、商機が一段と高まるとの思惑が株高を後押ししている。

■買取王国 <3181>  672円 (+42円、+6.7%)

買取王国 <3181> [JQ]が続急伸、年初来高値を更新した。7日取引終了後、21年2月期単独利益予想の増額修正と増配を発表したことが好感された。売上高は50億7500万円から48億9300万円(前の期比横ばい)に修正したが、営業利益は1億1300万円から1億2500万円(同15.7%増)、純利益は7300万円から1億200万円(同61.9%増)に見直した。コロナ禍の影響で主要商材ファッションが不調で売上高は予想を下回るが、店舗運営費用などが想定を下回り利益を押し上げる見通しだ。また、未定としていた前期配当は6円(前の期比1円増)とすることも明らかにした。

■武蔵精密 <7220>  2,139円 (+132円、+6.6%)

東証1部の上昇率4位。武蔵精密工業 <7220> が続急伸、3月23日につけた年初来高値2060円を上回り再び新値街道に突入した。更に18年5月につけた2132.5円(分割後修正値)も上回ったことで、上場来高値も一気に更新となった。同社はギアなどを扱うホンダ系の自動車部品メーカーで、21年3月期業績は大幅営業減益見通しながら、22年3月期は急回復に転じる可能性が濃厚とみられ、決算発表を前にそれを先取りする買いを呼び込んでいる。電気自動車(EV)向けギアでも実績が高く、世界的なEVシフトのなかでも活躍余地が広がる。

■日立金 <5486>  1,901円 (+88円、+4.9%)

東証1部の上昇率9位。日立金属 <5486> が大幅続伸。8日付の日本経済新聞朝刊で「日立製作所は7日、上場子会社の日立金属を米投資ファンドのベインキャピタルと国内系ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)などの日米ファンド連合に売却する方針を固めた」と報じられており、これが材料視された。売却額は8000億円を超える見通しという。

■メニコン <7780>  6,760円 (+310円、+4.8%)

東証1部の上昇率10位。メニコン <7780> が大幅高で4日ぶりに反発。7日の取引終了後、米国のジョンソン・エンド・ジョンソン ビジョンと近視進行抑制分野におけるコンタクトレンズの事業展開でグローバルに業務提携すると発表しており、これを好感する買いが入った。同社は19年から欧州で近視進行抑制コンタクトレンズ「Bloom Night」「Bloom Day」を発売している。今回の提携により、同社は製品及びサービスの開発・製造を担うとともに、更なる顧客の拡大を目指すという。Bloom Nightは、オランダから販売を開始し、順次、承認を取得し販売地域を拡大していく予定だ。

■カネカ <4118>  4,695円 (+195円、+4.3%)

カネカ <4118> が大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が7日付で同社の投資判断を「アンダーウエイト(弱気)」から「オーバーウエイト(強気)」に2段階引き上げ、目標株価も前回の2460円から5600円へ増額したことが好材料視された。レポートでは、22年3月期はMaterial Solutions Unit部門に加え、Quality of Life Solutions Unit部門も増益が期待できるとし、営業利益はコンセンサスを上回ると予想している。また、ESGやSDGsの観点から、100%植物由来の生分解性ポリマーPHBH「Green Planet」に注目。競合企業並みの単価設定であれば、売上高営業利益率20%超が実現可能とみている。

■ディップ <2379>  2,910円 (+90円、+3.2%)

ディップ <2379> が大幅続伸。7日の取引終了後、22年2月期の連結業績は売上高428億~490億円(前期比31.7~50.8%増)、経常利益73億~114億円(同12.3~75.4%増)になりそうだと発表しており、これが好感された。今期はアルバイト求人を主力とする人材サービス事業は契約者数の拡大に注力し、下期に20年2月期並みの利益率水準に回復する想定。また、AI・RPA事業では人材サービス事業の営業人員による拡販を継続するとともに、商品ラインアップを拡充することで、売上高が大幅に増加する見込みだ。コロナ禍で落ち込んだ前期から大きく改善する見通しとなっている。

■ブランドT <7067>  1,453円 (+45円、+3.2%)

ブランディングテクノロジー <7067> [東証M]が大幅続伸。同社はきょう朝方、不動産比較サイトを運営するリビン・テクノロジーズ <4445> [東証M]と業務提携したと発表した。同提携により、中小・地方の不動産業者へのデジタルマーケティングやブランディング支援体制の強化を図る。同社では、今後両社が保有する顧客ニーズの発掘や知見の共有を行い、新規顧客の開拓や両社の強みを生かした事業連携・営業強化・セミナー開催などを予定しているという。

■Tワークス <3997>  1,081円 (+28円、+2.7%)

トレードワークス <3997> [JQ]が続伸し年初来高値を更新。7日の取引終了後、ひろぎんホールディングス <7337> 子会社の広島銀行向けに、サファリパーク・水族館の体験型ARアプリ「ひろしま Aqua safaRi」を提供開始すると発表しており、これが好感された。同アプリは5月6日にオープンする、ひろぎんHD新本社ビル1階のランドマーク「トゥモロウスクエア」内で、来客にサファリパーク、水族館を疑似的に体験することができるアプリ。今後、広島県の観光事業や広島銀行の取引先との企業コラボなど、多様なコンテンツ・サービス展開に向けて貢献していくとしている。

■栄電子 <7567>  563円 (+14円、+2.6%)

栄電子 <7567> [JQ]が続伸。全体軟調相場に抗して一時12%を超える上昇で、今月5日の戻り高値569円を上抜き上値指向を明示している。電子部品商社で半導体製造装置向けのデバイスを主力としている。現在、世界的に半導体需給の逼迫状態にあり、米国ではバイデン政権が打ち出すデジタルインフラ投資拡充において半導体の供給網強化に動き出す構えをみせている。これを背景に半導体メーカーの設備投資需要を受ける 半導体製造装置メーカーなどが買いを集めたが、更に川下の半導体製造装置向けに部品を提供するメーカーや商社に物色の矛先が向いてきた。同社はその流れに乗る形で出遅れ修正狙いの買いを呼び込んだ。

■オービック <4684>  19,890円 (+470円、+2.4%)

オービック <4684> が5日ぶりに反発。SMBC日興証券が7日付で同社の投資判断「2(中立)」を据え置き、目標株価を1万5700円から1万7500円へ引き上げており、これが好材料視された。レポートでは、24年3月期頃まではシステムサポートの強い増収傾向が継続すると予想。業績は好調に推移しており、自らの生産性を高めながら、今後も利益成長を続けるとみている。一方、コロナ環境下で急速に高まった株価バリュエーションの調整には注意が必要と指摘している。

■fonfun <2323>  548円 (+12円、+2.2%)

fonfun <2323> [JQ]が続伸。同社はきょう、パソコンで受信しているメールをモバイル端末から送受信できるサービス「リモートメール」について、米マイクロソフトが提供する「Microsoft365」の先進認証に対応したと発表しており、これが材料視されたようだ。同社では、今回の先進認証対応によってMicrosoft365アカウントとリモートメールを連携する際にリモートメールへのパスワード登録が不要となり、より安全な認証方式でメールを利用できるようになったとしている。

■MSコンサル <6555>  635円 (+10円、+1.6%)

MS&Consulting <6555> が4日続伸し年初来高値を連日更新。7日の取引終了後、22年2月期の連結業績(国際会計基準)は、売上高19億4600万円(前期比48.7%増)、税引き前損益2億800万円の黒字(前期は3億800万円の赤字)になりそうだと発表しており、これが好感された。今期は基幹サービスである顧客満足度覆面調査の復活、及び補助金の活用により前期下期に受注を進展させたSaaSの更なる拡大に軸足をおき、生産性の高い事業構造への転換を目指す。また、販管費は前期比11.1%減に抑える計画だ。なお、配当は見送る方針としている。

■富士電機 <6504>  4,945円 (+75円、+1.5%)

富士電機 <6504> が続伸。株価は1990年以来約31年ぶりの高値圏を快走する展開となっている。8日付の日本経済新聞朝刊で「富士電機は電気自動車(EV)の中核部品となるパワー半導体関連の投資計画を1年前倒しする」と報じられており、これが材料視されたようだ。記事によると、22年度までの4年間で山梨県の工場などに1200億円を投じるという。世界的なEV普及が見込まれるなか、電力を効率的に管理するパワー半導体の増産体制を整えるとしており、EV需要の取り込みが期待されている。

■郵船 <9101>  4,020円 (+60円、+1.5%)

日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など大手海運株が揃って上昇する展開。米中摩擦の問題は警戒されるが、ワクチン普及を背景とした世界的な景気回復への期待がグローバル物流需要も刺激しており、特にコンテナ船運賃の高騰などで大手海運株の収益回復色が強い。郵船は21年3月期の経常利益を従来予想の1600億円から2000億円に、商船三井は950億円から1200億円に、川崎汽は500億円から750億円にそれぞれ上方修正している。

■ライフネット <7157>  1,290円 (+16円、+1.3%)

ライフネット生命保険 <7157> [東証M]が5日ぶりに反発。7日の取引終了後、3月の新契約件数が前年同月比14%増の8833件だったと発表。20年度の新契約件数は10万587件と過去最高となり、これが好感されたもよう。また、保有契約の年換算保険料は187億1400万円、保有契約件数は43万9957件となった。

■ダイコー通産 <7673>  1,780円 (+23円、+1.3%)

ダイコー通産 <7673> が続伸。7日取引終了後、21年5月期単独業績予想の増額修正と増配を発表した。売上高は165億円から178億8000万円(前期比15.0%増)に見直したほか、営業利益は8億600万円から10億3100万円(同35.1%増)、純利益は5億7100万円から6億8700万円(同21.6%増)に修正した。ケーブルテレビ及び光ファイバーによる家庭向けデータ通信回線(ファイバー・ツー・ザ・ホーム)案件にかかる商材の販売が堅調に推移した。また、GIGAスクール構想案件や防災行政無線案件を多数受注したことも寄与した。同時に今期の期末一括配当を従来予想より8円増の45円(前期比10円増)にすることも明らかにした。

■ガーラ <4777>  326円 (+4円、+1.2%)

ガーラ <4777> [JQ]が反発。同社はきょう、韓国子会社が自社開発のPCオンラインゲーム2作品について、韓国のWAY2BIT及び韓国エンターテインメント会社Barunsonとブロックチェーンベースのメタバースプラットフォーム内で提供するゲームの開発契約を締結したと発表しており、これが材料視されたようだ。メタバースとは、インターネット上に構築された多人数参加型の3次元仮想空間のこと。同契約の締結により、Barunsonはメタバースプラットフォームの開発・実装とその提供・運営を行い、WAY2BITはメタバース内で使用可能なブロックチェーン技術開発と技術支援を担当する。同社子会社は、自社IPを使って同プラットフォーム内で提供するゲームの開発・コンテンツ制作やサービス運営を担当するとしている。

■オオバ <9765>  839円 (+9円、+1.1%)

オオバ <9765> が続伸。8日午後1時に、21年5月期の連結経常利益を従来予想の12億5000万円から13億5000万円(前期比14.7%増)へ上方修正すると発表しており、これが好感された。建設コンサルタント業務の官庁受注と民間受注がともに順調に推移していることが上振れの背景。好調な業績を受けて、今期の年間配当を従来計画の14円から15円(前期は14円)に増額修正したことも材料視された。なお、同時に発表した第3四半期累計(20年6月-21年2月)の同損益は4億5900万円の赤字(前年同期は3億9700円の赤字)だった。

■ユーザーロカ <3984>  4,880円 (+50円、+1.0%)

ユーザーローカル <3984> が全般軟調相場に抗して続伸。ビッグデータ解析や AIを活用した業務支援ビジネスを展開する。AIアルゴリズム実装、AIサービスの新規開発などに経営資源を投下し、業績も高成長路線をまい進している。12年6月期以降10年近くにわたり大幅増収増益基調を継続している点に改めて注目が集まった。

■GMO <9449>  3,495円 (+35円、+1.0%)

GMOインターネット <9449> が4日続伸。8日付の日本経済新聞朝刊で「GMOインターネットグループは『非代替性トークン(NFT)』を活用した事業へ参入する」と報じられており、これが材料視されたようだ。記事によると、希少性が証明されたアートや音楽作品などの流通プラットフォームを数ヵ月以内に構築することを目指すという。暗号資産事業で実績のあるGMOの参入で、国内でも一般向けにNFTの活用が進む可能性があるとしている。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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