前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年4月23日 5時30分

■日電産 <6594>  13,970円 (+600円、+4.5%)

日本電産 <6594> が3日ぶり大幅反発。前日21日にもみ合いを下放れかけたが踏みとどまり、22日は1万3000円台後半で収れんする5日・25日・75日移動平均線に絡む水準まで切り返す動き。22日から23日までの日程でバイデン米政権が旗振りを務める気候変動サミットが行われる。世界が脱炭素に向けた動きを一段と強めるなか、電気自動車(EV)シフトの流れも加速することになる。そのなか、EV向け駆動モーターを戦略商品として手掛ける同社の存在が改めて注目されそうだ。

■イーレックス <9517>  1,870円 (+76円、+4.2%)

イーレックス <9517> が6日ぶりに大幅反発。22日付の日本経済新聞朝刊で「独立系の新電力大手、イーレックスは2022年3月、水素を燃料にし二酸化炭素(CO2)を排出しない発電所を山梨県で稼働させる」と報じられており、これが材料視された。記事によると、水素製造のスタートアップ、ハイドロゲンテクノロジー(東京都中央区)などから水素を調達し、まず一般家庭約100世帯弱が1年間に使用する電力を賄える小型発電所を設けるとしている。経済産業省によると水素発電所の商業運転は国内初だという。

■オリエン白石 <1786>  298円 (+12円、+4.2%)

オリエンタル白石 <1786> が5日ぶりに大幅反発。21日に提出された大量保有報告書で、旧村上ファンド出身者が設立した「アクティビスト(物言う株主)」のエフィッシモ キャピタル マネージメントが同社株の大株主として登場したことが判明した。エフィッシモの保有株比率は7.62%で、保有目的は純投資としている。

■郵船 <9101>  4,055円 (+150円、+3.8%)

日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> の大手3社が揃って大きく買われたのをはじめ、海運セクターが全面高となった。業種別騰落率では東証1部33業種中で「海運」は値上がりトップに買われた。前日21日の米国株市場では景気敏感株に買いが集まり全体指数を押し上げたが、この背景には加速局面に入ったワクチン普及があり、米疾病対策センター(CDC)によると米国のワクチン接種回数が2億回を超えたという。これが世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い経済活動への影響を懸念した株式市場において、いったん弱気に傾いた流れを引き戻す背景になったとの見方がある。ワクチン普及で先駆する米国を中心とした世界経済の回復期待が、物流を担うグローバル景気敏感セクターの筆頭である海運株に物色の矛先を向けさせた。

■前田工繊 <7821>  3,360円 (+120円、+3.7%)

前田工繊 <7821> が5日ぶりに大幅反発。21日の取引終了後、集計中の21年9月期第2四半期累計(20年9月21日-21年3月20日)連結業績について、営業利益が22億4000万円から31億1200万円(前年同期比10.0%増)へ、純利益が16億円から21億1800万円(同5.4%増)へ上振れて、減益予想から一転して営業増益で着地したようだと発表しており、これが好感された。売上高は218億5000万円から216億7800万円(同微減)へ下振れた。ただ、公共工事向け製品における自社製造比率が増加したほか、子会社BBSジャパンにおける国内の自動車メーカー向けOEM供給やアフター市場向け製品が好調に推移したことも利益拡大に貢献した。また、グループ全社での販管費の削減効果も寄与した。

■三菱電 <6503>  1,655.5円 (+57.5円、+3.6%)

三菱電機 <6503> が大幅高で4日ぶりに反発。SMBC日興証券が21日付で同社の投資判断「1(強気)」を据え置き、目標株価を前回の1700円から2000円へ引き上げており、これが好材料視された。レポートでは、期待されるFA市況の回復に加え、今後はパワー半導体の中長期成長期待が上昇する局面になると予想。パワー半導体の稼働率改善による収益性上昇を期待し始める時機が到来しつつあると指摘している。

■東芝 <6502>  4,350円 (+145円、+3.5%)

東芝 <6502> が5日ぶりに大幅反発。前日21日のニューヨーク市場で半導体関連株が上昇するなか、傘下に半導体大手、キオクシアホールディングスを持ち分法適用会社として擁する同社に見直し買いが流入した。また、ロイターは21日、「ベインキャピタルが東芝買収案の策定を検討していることが、2人の関係筋の話で分かった」と報じた。ベインの計画は予備段階で変更の可能性もあるという。米プライベートエクイティ(PE)のKKR、カナダのブルックフィールド・アセットマネジメントも東芝への買収を検討している、とも伝えている。英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズによる買収・非公開の提案は検討中断が公表されたが、東芝には再び買収計画が浮上している格好だ。

■レノバ <9519>  3,240円 (+90円、+2.9%)

レノバ <9519> が続伸。一時150円高の3300円まで買われたほか、ウエストホールディングス <1407> [JQ]、エヌ・ピー・シー <6255> [東証M]、Abalance <3856> [東証2]など太陽光発電関連が軒並み高に買われた。米政府が主導する形で世界40ヵ国・地域の首脳が参加する気候変動サミットの22日夜の開幕を前に、太陽光などをはじめ再生可能エネルギー関連株に物色の矛先が向いた。

■プリマハム <2281>  3,435円 (+65円、+1.9%)

プリマハム <2281> が8日ぶりに反発。22日付の日本経済新聞朝刊で「プリマハムの2021年3月期の連結純利益は、前の期比6割増の140億円程度になったことがわかった」と報じられており、これが材料視された。記事によると、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に自宅で調理や食事する人が多く、主力のソーセージなど利益率の高い家庭用の加工食品の販売が伸びたという。従来予想の125億円を上回り、過去最高となる見通しだ。なお、21年3月期の決算発表は5月10日を予定している。

■SBG <9984>  10,100円 (+178円、+1.8%)

ソフトバンクグループ <9984> が全上場企業のなかで断トツの売買代金をこなし続伸。前日21日は日経平均が600円近い下げをみせたにも関わらず、先物絡みのインデックス売りを浴びながらプラス圏で引ける強さをみせた。22日は、その余勢を駆って上値指向を継続し1万円大台固めの動きをみせた。21日の米国株市場ではハイテク株比率の高いナスダック市場の上昇が目立ったが、同社は最近になって米ハイテク株に積極的に投資する姿勢をみせており、ナスダック総合指数との株価連動性が高い。また、傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」は未上場の段階から世界のIT関連株に投資し、その回収に成功していることで収益拡大が加速している。一部報道で同社の21年3月期の最終利益が4兆円台後半となり、国内企業では過去最高となるとの見通しが浮上していることなども堅調な株価を後押ししている。

■アマノ <6436>  2,750円 (+41円、+1.5%)

アマノ <6436> が反発。22日11時30分に、21年3月期の連結営業利益を前回の70億円から99億円(前の期比38.8%減)へ上方修正すると発表。環境事業やクリーン事業の減収幅が縮小したうえ、1月に発令された緊急事態宣言後の影響は小さく第4四半期の売上高が計画を上回ったことが要因。就業管理サービスなどを展開する子会社の業績が堅調に推移したほか、全社的な経費節減効果も上振れに貢献した。併せて、中期経営計画の業績目標を修正すると発表。22年3月期の営業利益目標は前回の140億円から125億円に引き下げたが、最終年度の23年3月期は185億円を据え置いている。

■西松屋チェ <7545>  1,708円 (+23円、+1.4%)

西松屋チェーン <7545> が反発。21日の取引終了後に発表した4月度(3月21日~4月20日)の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比14.0%増と2ケタ増で4ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。来店客数が同14.9%増と大きく伸び、半袖Tシャツや肌着、パジャマなどの夏物衣料や、入園・入学・新学期用品の売り上げが好調に推移した。なお、全店売上高は同15.6%増だった。

■JVCケンウ <6632>  225円 (+3円、+1.4%)

JVCケンウッド <6632> が3日ぶり反発。同社は21日取引終了後、21年3月期業績予想の修正を発表、最終損益は従来14億円の赤字を見込んでいたが、一転20億円の黒字に上方修正した。前の期比で倍増となる。米国や中国をはじめとする世界的な自動車販売の回復を背景に同社が手掛けるカーナビの売り上げが押し上げられる形となった。コスト削減努力も反映され、営業利益段階から会社側の想定を大きく上回る状況となった。これを材料視する形でリバウンドを見込んだ投資資金の流入を誘った。

※22日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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