前週末14日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年5月17日 5時20分

■フルッタ <2586>  248円 (+50円、+25.3%) ストップ高

フルッタフルッタ <2586> [東証M]が50円高はストップ高となる248円まで買われた。14日午前10時ごろ、カナダのトロント大学と実施した新型コロナウイルスなどに起因するNLRP3インフラマソーム誘発性炎症の重症化を抑制する効果の細胞実証実験に関し、アサイー原料がNLRP3誘発性炎症の悪化を抑制することが結論づけられたと発表しており、これが材料視されたようだ。NLRP3インフラマソームとは、タンパク質の複合体のこと。これがウイルスや細菌などの刺激物によって活性化すると、炎症の原因物質である炎症性サイトカインが細胞外へ放出され、発熱や感染局所での炎症反応が起こるとされる。同社では、今回の実証実験によってアサイーの造血機能性と共に購入動機につながる新たなエビデンスを獲得したとしており、今後アサイーの認知度向上にもつながると考えているという。

■アシックス <7936>  2,178円 (+400円、+22.5%) ストップ高

東証1部の上昇率2位。アシックス <7936> がストップ高の2178円に買われ年初来高値を更新した。13日の取引終了後、21年12月期連結業績予想について、売上高を3700億~3850億円から3850億から3950億円(前期比17.1%~20.1%増)へ、営業利益を70億~100億円から115億~135億円(前期39億5300万円の赤字)へ上方修正しており、これが好感された。第1四半期(1-3月)で、北米・欧州・中華圏・オセアニア地域を中心に増収となり、特に主力のパフォーマンスランニングの売り上げが大きく伸長したことが要因としている。また、粗利益率の改善及び販管費コントロールも寄与する。なお、最終損益は20億~35億円の黒字(同161億2600万円の赤字)の従来見通しを据え置いた。同時に発表した第1四半期決算は、売上高1065億4900万円(前年同期比24.8%増)、営業損益146億400万円の黒字(前年同期8億8200万円の赤字)、最終損益104億8500万円の黒字(同2億4300万円の赤字)だった。

■カオナビ <4435>  3,815円 (+700円、+22.5%) ストップ高

カオナビ <4435> [東証M]がストップ高。同社は13日大引け後に決算を発表。21年3月期の経常損益(非連結)は1600万円の赤字(前の期は2億8000万円の赤字)に赤字幅が縮小し、従来予想の6600万円の赤字を上回って着地。22年3月期は9300万円の黒字に浮上する見通しとなった。

■いすゞ <7202>  1,302円 (+232円、+21.7%)

東証1部の上昇率3位。いすゞ自動車 <7202> が急反騰、年初来高値を更新した。同社は13日取引終了後に、21年3月期通期の連結決算を発表。売上高は前の期比8.3%減の1兆9081億5000万円(従来予想は1兆9000億円)、営業利益は同31.9%減の957億3200万円(従来予想は900億円)で着地した。為替が円安傾向で推移したことに加え、原価低減活動による採算改善や費用削減効果が寄与した。また、期末配当は従来計画比10円増額の20円とし、中間配当10円をあわせた年間配当は30円となる。22年3月期通期の連結業績は、売上高が2兆5000億円(収益認識に関する会計基準を適用するため前期との比較なし)、営業利益が1700億円を予想。前期に大きく落ち込んだ需要が回復に転じ、車両・産業用エンジンともに販売台数が増加するとみている。年間配当については前期比28円増配の58円を計画している。

■ダブスタ <3925>  4,080円 (+700円、+20.7%) ストップ高

ダブルスタンダード <3925> がストップ高。同社は独自技術を駆使したビッグデータ解析を展開、人工知能(AI)分野を深耕し、AI身分証システム「D-trust」やAI搭載型OCR(光学式文字読取システム)などの有力商品で実績を積み上げている。連結決算を開始した14年3月期以降、トップライン、利益ともに目を見張る高成長トレンドをまい進しており注目度が高い。13日取引終了後に発表した21年3月期決算は営業利益段階で前の期比微増の11億800万円となったが、8期連続の最高利益更新を達成し、続く22年3月期営業利益は前期比44%増の16億円を見込むなど高成長路線に復帰する見通し。更に年間配当も前期実績比15円増配となる70円を計画するなど株主還元姿勢にも抜かりがない。

■アドウェイズ <2489>  882円 (+150円、+20.5%) ストップ高

東証1部の上昇率5位。アドウェイズ <2489> が150円高はストップ高に買われた。スマートフォン向け配信を主力とするアフィリエイト広告大手だが、巣ごもり消費を背景とした電子コミック系の広告需要拡大などを追い風に収益を伸ばしている。前日13日、取引終了後に発表した21年3月期決算は営業利益段階で前の期比8.2倍の16億2600万円と急増した。市場では「好業績は織り込まれていたが、事前コンセンサスを上回ったことに加え、前日までの4営業日は全体地合い悪もあって連日水準を切り下げていたことで、その分の戻しと考えれば買いやすさがあった」(ネット証券マーケットアナリスト)という。株式需給面では直近4月下旬から5月上旬にかけて、外資系証券経由で同社株の空売り残が急増していたこともあって、その買い戻し圧力も働いたとみられる。

■明星電 <6709>  902円 (+150円、+20.0%) ストップ高

明星電気 <6709> [東証2]がストップ高に買われた。13日取引終了後、同社の過半の株式を保有する筆頭株主のIHI <7013> が、同社を完全子会社化することを発表、これが投資資金の攻勢を誘った。明星電は気象・防災観測機器のほか人工衛星用観測機器も手掛け、小惑星探査機「はやぶさ2」のロケットカメラなどでもIHIと緊密な連携体制をとってきた。今回の子会社化でIHIは宇宙開発事業への注力度合いが更に高まる。IHIは株式交換方式で同社株を完全子会社化し、8月1日付で同社株1株に対し、IHI株0.42株を割り当てる。なお、明星電は7月29日付で上場廃止となる見通し。

■シンバイオ <4582>  1,382円 (+211円、+18.0%)

シンバイオ製薬 <4582> [JQG]が急反騰。同社は13日大引け後に決算を発表。21年12月期第1四半期(1-3月)の経常損益(非連結)は2億円の赤字(前年同期は9.9億円の赤字)に赤字幅が縮小した。

■JCRファ <4552>  3,330円 (+502円、+17.8%) ストップ高

東証1部の上昇率7位。JCRファーマ <4552> がストップ高の3330円に買われる人気となった。同社は遺伝子組み換え技術で先駆し、製薬会社として収益性の高さを維持しながら創薬ベンチャーならではの新薬開発力も併せ持ち、バイオ関連株のなかでも投資家の注目度が高い。天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」や間葉系幹細胞を使った細胞医薬品「テムセル」などが業績を牽引、販売を開始するハンター症候群治療薬「イズカーゴ」の収益寄与も見込める。英アストラゼネカの新型コロナワクチン原液の国内製造を受託していることもポイントで、ライセンス事業にも期待がかかっている。13日取引終了後に発表した21年3月期決算は売上高が前の期比21%増の300億8500万円、営業利益が同2.5倍の82億6900万円と大幅な伸びを達成。更に、22年3月期は売上高が前期比63%増という驚異的な伸長率で490億円を予想、営業利益は同2.3倍の187億円を予想している。年間配当も前期実績比で実質増配となる16円を計画している。予想以上の好決算を受け、買い人気が集中する格好となった。

■バルミューダ <6612>  6,790円 (+1,000円、+17.3%) ストップ高

バルミューダ <6612> [東証M]がストップ高の6790円に買われた。13日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を148億5700万円から181億円(前期比43.8%増)へ、営業利益を13億5000万円から14億5000万円(同10.1%増)へ、純利益を8億7800万円から9億3100万円(同11.6%増)へ上方修正したことが好感された。前年に続く巣ごもり需要の影響などから、スチームトースターやオーブンレンジ、空気清浄機などの出荷が堅調に推移しているほか、復調傾向にある韓国への輸出環境の更なる改善などで海外向け出荷も増加が見込まれるという。なお、第1四半期(1-3月)決算は、前年同期に四半期決算を開示していないため比較はないが、売上高37億200万円、営業利益4億5400万円、純利益3億100万円だった。同時に、5Gスマートフォンの開発及び販売を行う携帯端末事業に参入すると発表しており、これも好材料視された。同社はこれまで家電事業でデザインや機能性で差別化した製品を投入しており、スマホにおいてもこうした新機軸を打ち出せば勝機があるとの見方が強い。製造は京セラ <6971> に委託する方針で、21年11月以降に販売を開始する予定。21年12月期業績予想には売上高27億円を織り込んでいるとしている。

■KYB <7242>  3,710円 (+515円、+16.1%)

KYB <7242> が大幅高で3日続伸。同社は13日大引け後に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。21年3月期の連結税引き前損益は163億円の黒字(前の期は414億円の赤字)に浮上し、従来予想の103億円の黒字を上回って着地。22年3月期の同利益は前期比16.3%増の190億円に伸びる見通しとなった。同時に、従来未定としていた前期の期末一括配当を75円実施し、3期ぶりに復配するとし、今期も前期比15円増の90円に増配する方針とした。

■アルファP <9467>  3,250円 (+419円、+14.8%)

アルファポリス <9467> [東証M]が10日ぶり急反騰。13日大引け後に決算を発表。21年3月期の経常利益(非連結)は前の期比48.6%増の21.7億円に拡大し、22年3月期も前期比10.5%増の24億円に伸びを見込み、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。5期連続増収、増益になる。

■ジャックス <8584>  2,416円 (+293円、+13.8%)

ジャックス <8584> が続急騰。同社は13日大引け後に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比1.2%減の165億円になったが、22年3月期は前期比24.2%増の205億円に拡大を見込み、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。9期連続増収になる。

■品川リフラ <5351>  3,525円 (+420円、+13.5%)

品川リフラクトリーズ <5351> が急反騰。同社は13日大引け後に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比16.5%減の82.2億円になったが、22年3月期は前期比9.5%増の90億円に伸びる見通しとなった。

■ラクス <3923>  2,035円 (+235円、+13.1%)

ラクス <3923> が急反騰。同社は13日大引け後に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比3.3倍の38.8億円に急拡大し、従来予想の36.1億円を上回って着地。2期ぶりに過去最高益を更新した。10期連続増収となった。なお、22年3月期の業績見通しについては配当(1.9円)以外は開示しなかった。

■ケアネット <2150>  5,190円 (+570円、+12.3%) 一時ストップ高

ケアネット <2150> [東証M]が続急騰、一時ストップ高の5320円に買われる場面があった。13日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を60億円から76億6400万円(前期比44.5%増)へ、営業利益を17億円から22億1100万円(同46.4%増)へ、純利益を10億6600万円から14億円(同71.7%増)へ上方修正したことが好感された。従来予想では新型コロナウイルスの影響により、製薬企業からの受注動向に不確定な部分があったために慎重な予想としていたが、既存取引先からの受注の確定が増えたことや、新規取引先が増加したことから、予想を引き上げたとしている。なお、同時に発表した第1四半期(1-3月)決算は、売上高20億5800万円(前年同期比2.5倍)、営業利益8億4900万円(同4.5倍)、純利益5億8700万円(前年同期400万円の黒字)だった。

■シチズン <7762>  403円 (+39円、+10.7%)

シチズン時計 <7762> が急反騰、5日・25日・75日移動平均線が収れんする370円台に再浮上してきた。同社が13日取引終了後に発表した21年3月期決算は、インバウンド需要の剥落が響いて営業損益段階で95億5100万円の赤字となったが、コロナ禍で業績悪については株価に織り込みが進んでいたほか、従来計画よりは赤字幅が減少しての着地となった。続く22年3月期は営業損益が100億円の黒字と急回復を見込む。年間配当も21年3月期は前の期比7円減配となる5円としたが、22年3月期は業績の改善を背景に前期実績比9円増配の14円を計画するなど株主還元に積極的な姿勢をみせており、これを評価する買いを誘導した。

※14日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.