前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年5月27日 5時30分

■ベビカレ <7363>  8,990円 (+1,490円、+19.9%) 一時ストップ高

ベビーカレンダー <7363> [東証M]が続急騰、一時ストップ高。26日付の日本経済新聞朝刊で、「厚生労働省の統計などを基にした推計によると、2021年の出生数が過去最少を更新し、通年で戦後初めて80万人を割り込む可能性が出てきた」と報じられており、出産や子育てに関する政策が強化されるとの思惑から、同社や幼児活動研究会 <2152> [JQ]、JPホールディングス <2749> など子育て支援関連銘柄の一角に関心が向かった。なお、厚生労働省が25日に発表した人口動態統計によると、1~3月の出生数は19万2977人で前年同期比9.2%減だった。

■住友精 <6355>  2,377円 (+287円、+13.7%)

東証1部の上昇率トップ。住友精密工業 <6355> が続急騰。25日の取引終了後に24年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表しており、営業利益46億7000万円(21年3月期5億円の赤字)を目指すとしたことが好材料視された。事業ポートフォリオ構築による収益基盤の強化を図るほか、不適切事案への対応完了と、再発防止に注力するとしている。

■ジェイテック <2479>  200円 (+18円、+9.9%)

ジェイテック <2479> [JQG]が急伸。これは上値のフシである昨年6月の戻り高値218円を上回り、昨年1月以来約1年4ヵ月ぶりの高値となる222円まで買われる場面があった。自動車やIT業界向けを中心に高度なノウハウを持つ設計・開発部門の技術者派遣を手掛けている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響に伴い収益環境には逆風が吹いているが、株価は前日25日まで200円を下回る大底圏で推移しており、足もとの業績悪はほぼ織り込まれていた。そうしたなか、同社は25日取引終了後、24年3月期を最終年度とする中期経営計画発表し、これが株価を強く刺激する格好となった。今回発表された中計は、知財リース事業を強固にするため、テクノロジスト(技術者)700人体制を早期に達成して収益基盤の強化を図るということを骨子としており、数値目標としては24年3月期に営業利益段階で1億8800万円(21年3月期実績は5600万円の赤字)を掲げている。

■エアトリ <6191>  2,864円 (+253円、+9.7%)

東証1部の上昇率2位。エアトリ <6191> が続急伸、連日で年初来高値を更新した。中長期的にも同社株にとって2700円近辺は上値のフシとなっており、26日は2019年2月下旬の2708円を上抜き新局面入り。時価は18年10月以来約2年7ヵ月ぶりの高値圏に浮上した。航空券予約サイトを運営し、コロナ禍で大きな収益デメリットを被ったが、株価は既に新型コロナウイルスが取り沙汰される遥か以前の株価水準を回復している。21年9月期営業損益は13億円の黒字化を見込むが、一段の上振れが濃厚との見方が広がっている。

■デジタルHD <2389>  2,358円 (+174円、+8.0%)

東証1部の上昇率6位。デジタルホールディングス <2389> が5日続伸し年初来高値を更新。25日の取引終了後、2月10日に発表した自社株買いについて、取得枠の上限を65万株から130万株(発行済み株数の5.86%)へ、取得価額の上限を10億円から20億円へ拡大すると発表しており、これが好感された。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため変更するという。なお、取得期間も6月30日までから9月30日までに変更している。

■ミダック <6564>  6,420円 (+380円、+6.3%)

東証1部の上昇率9位。ミダック <6564> が3連騰し、連日の上場来高値更新となった。25日の取引終了後、6月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることでより投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。

■たけびし <7510>  1,589円 (+92円、+6.2%)

東証1部の上昇率10位。たけびし <7510> が大幅高で5日続伸。25日の取引終了後、株主優待制度の変更を発表しており、これが好材料視された。現行制度では継続保有期間に応じて年1回クオカードを贈呈していたが、継続保有期間の区分を廃止し、贈呈回数を年1回から年2回に増やすという。変更後は、毎年3月末と9月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて1000円または2000円のクオカードをそれぞれ贈呈する。

■シンバイオ <4582>  1,741円 (+91円、+5.5%)

シンバイオ製薬 <4582> [JQG]が大幅続伸。25日の取引終了後、同社が天然痘の予防・治療を除く全ての適応症を対象とした全世界での独占的開発・製造・販売権を供与された抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル」について、米キメリックス社が日本における特許を取得したと発表しており、これが好感された。「ブリンシドフォビル」は、サイトメガロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、BKウイルス、パピローマウイルス及び天然痘ウイルスなど広範囲のDNAウイルス感染症に対して有効な治療方法となることが期待されており、シンバイオは19年9月にキメリックス社とライセンス契約を締結している。

■三洋化 <4471>  5,600円 (+220円、+4.1%)

三洋化成工業 <4471> が大幅反発。同社の持ち分法適用会社であるAPB(東京都千代田区)は25日、全樹脂電池生産のための第1工場である「APB福井センター武生工場(福井県越前市)」の稼働開始に伴い開所式を行った。APBは、全樹脂電池の製造販売を行うスタートアップ企業で、武生工場は世界初の全樹脂電池の量産工場となる。同電池は従来のリチウムイオン電池よりも製造コスト・リードタイムの削減を実現するとともに、高い異常時信頼性とエネルギー密度を実現している。セルの大型化が可能で形状自由度も高く、定置用蓄電池や各種モビリティ用途にも対応が期待されている。今年10月からの本格稼働が予定されている。

■JAL <9201>  2,441円 (+94円、+4.0%)

日本航空 <9201> 、ANAホールディングス <9202> がいずれも買い優勢の展開。国内では新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感が依然強く、米国が日本への渡航禁止を勧告したほか、緊急事態宣言が延長される可能性も高まっている。しかし一方で、政府主導で大規模なワクチン接種施設が動き始めていることから、新型コロナウイルスの収束に向けた流れを株式市場は織り込み始めた。空運セクターはコロナ禍で最もダメージを受けた業種といってもよく、ワクチン普及に向けた環境の変化で買い戻しを誘発した。

■スクリン <7735>  10,170円 (+330円、+3.4%)

SCREENホールディングス <7735> が5日続伸。東京エレクトロン <8035> など主力の半導体製造装置関連株が高安まちまちとなるなか、強い動きをみせた。同社は26日、グリーン水素製造の低コスト化に向け、東京ガス <9531> と水電解用セルスタックを共同開発することで合意したと発表しており、これを好感した買いも入ったとみられる。水電解装置の中核部品である水電解用セルスタックの低コスト製造技術を2年で確立することを目標に、水電解用セルスタックとその製造装置の開発を行う。今後、水電解装置のシステム化に向けた技術開発も進める方針で、将来的な更なる製造コスト低減を目指す。

■サンリオ <8136>  1,816円 (+58円、+3.3%)

サンリオ <8136> が3日続伸。25日の取引終了後に24年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表しており、最終年度に営業利益30億円(21年3月期32億8000万円の赤字)を目指すとしたことが好材料視された。赤字が許容されてきた国内物販でコスト削減などを進め、利益重視の方針に転換するほか、再成長を目指してECやゲーム分野に注力するとしている。

■フリー <4478>  8,120円 (+240円、+3.1%)

フリー <4478> [東証M]が大幅続伸。26日午後1時ごろ、無料で利用でき面倒な発注・請求プロセスを効率化する「freeeスマート受発注」に、会計freeeで作成した発注書を連携ボタンから簡単に取り込み、効率的に依頼作成ができる機能をリリースしたと発表しており、これが好感された。これまで、受注者・発注者が互いにスマート受発注を使うことで、クラウド上で発注書や請求書等の作成・送付の効率化を実現してきたが、今回の新機能により、会計freeeで作成した発注書をそのままスマート受発注に取り込めるようになり、発注者から受注者に対して発注書の送付・その後の請求書の回収などをスマート受発注上でスムーズに行うことができるようになったという。

■アンジェス <4563>  1,008円 (+29円、+3.0%)

アンジェス <4563> [東証M]が3日ぶり大幅反発。25日取引終了後の読売新聞オンラインで「政府は今年度にも、新型コロナウイルスや新たな感染症に備え、ワクチンの製造拠点の整備を強化する方針を固めた」と報じられており、なかで同社などに1社あたり数十億円から数百億円の補助を行うとあることが好材料視されたようだ。

■クシム <2345>  620円 (+17円、+2.8%)

クシム <2345> [東証2]が続伸。今月17日に564円の年初来安値を形成したが、その後はリバウンド局面に移行し、直近は600円台での値固めの動きをみせていた。同社はシステムエンジニア向けeラーニングシステムの製造販売のほか、ブロックチェーン分野も深耕している。25日取引終了後、資本・業務提携先のチューリンガム社とNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスの共同開発に着手したことを発表、これを手掛かり材料に上値を見込んだ短期資金の流入を誘った。

■リコー <7752>  1,299円 (+33円、+2.6%)

リコー <7752> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は25日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに目標株価を1300円から1600円に引き上げた。オフィスプリンティングの厳しい状況は織り込み済みだが、オフィスサービスには競争優位性、成長性があり、次なる成長の柱として評価すると株価は割安、との判断を継続。デジタルサービス企業への変身に向けた構造改革は順調であることを評価している。22年3月期の連結営業利益は510億円(会社予想500億円)、23年3月期の同利益は980億円を見込んでおり、中期経営計画で示す来期目標営業利益1000億円は射程に入りつつある、とみている。

■リクルート <6098>  5,655円 (+140円、+2.5%)

リクルートホールディングス <6098> の上げ足鮮烈、一時199円高の5714円まで値を飛ばし3ヵ月ぶりに上場来高値更新となった。株価は26日で7日続伸となったが、そのすべてが陽線形成となっており、機関投資家とみられる実需買いの流入を物語っている。コロナ禍にあっても総合人材サービス企業として人材に関連する幅広い分野で実力を発揮、とりわけ求人情報検索エンジン「Indeed」が好調で収益の牽引役を担っている。22年3月期は営業利益段階で1800~2450億円のレンジ予想を出しており、下限の1800億円でも2ケタ増益を確保、中央値の2125億円で前期実績と比較した場合は30%強の増益見通しとなる。また、26日の大幅高について市場では「25日付の日本経済新聞が、同社と三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が共同で、小売店のスマートフォン会員アプリに決済機能を追加するサービスを開始すると報じたが、メガバンクとの新境地開拓で業容拡大効果が期待され、その第1弾が『無印良品』と伝えられたことで結構なインパクトがあった」(準大手証券ストラテジスト)としている。

■日製鋼 <5631>  2,918円 (+60円、+2.1%)

日本製鋼所 <5631> が3日続伸。岩井コスモ証券は25日、同社株を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は3200円に設定した。同社は総合樹脂機械メーカーの世界大手で、リチウムイオン電池用セパレータフィルム製造装置で世界シェア7割を誇る。21年3月期の連結営業利益は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり前の期比45.3%減の102億2600万円だったが、22年3月期の同利益は前期比56.5%増の160億円と急回復する見通し。電気自動車(EV)シフトをはじめとする自動車業界の設備投資拡大などを背景に樹脂製品の需要は堅調に推移する見込みだ。同証券では、170億円への増額修正を予想している。5ヵ年の中期経営計画「JPG2025」では26年3月期の営業利益270億円を目指していることも評価している。

■デクセリ <4980>  2,201円 (+45円、+2.1%)

デクセリアルズ <4980> が8日続伸し上場来高値を更新した。岩井コスモ証券が25日付で、投資判断「A」を継続し、目標株価を2300円から2500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。21年3月期は、光学フィルムや異方性導電膜など主力製品の採用がタブレットやノートパソコンから車載インパネなどへ採用が広がり、大幅営業増益で着地した。今期は「攻めの費用増」で増益率は鈍るとの見通しだが、同証券では上振れ余地があると指摘。また、中期的な成長局面に入ったと確信しており、株価は更なる上昇が期待できそうだとしている。

■日エスコン <8892>  794円 (+16円、+2.1%)

日本エスコン <8892> が9日続伸。25日の取引終了後、中部電力 <9502> 及びスプレッド(京都市下京区)と、完全人工光型植物工場の建設・運営を行う新会社設立に向けて協定書を締結したと発表しており、これが好材料視された。新会社TSUNAGU Community Farm(ツナグ コミュニティー ファーム)は7月をメドに設立の予定で、24年1月の生産開始を目指し、今年10月から静岡県袋井市の事業用地において、世界最大規模となる1日10トンのレタスを生産できる完全人工光型の自動化植物工場「テクノファーム袋井」の建設を開始する予定としている。

■ウェルス <3772>  1,542円 (+31円、+2.1%)

ウェルス・マネジメント <3772> [東証2]が続伸。25日の取引終了後、サムティ <3244> と資本・業務提携すると発表しており、これが好材料視された。サムティ社の各種資金及び投資案件の調達力と、ウェルスのグローバルな投資家ネットワークやホテルセクターにおけるアセットマネジメントの経験をそれぞれ活用することで、国内外の不動産市場における新たな展開などを通じた成長及び企業価値の向上を目指すという。また資本面では、サムティがウェルス株272万9600株(議決権ベースで32.02%)を取得するとしている。

■チェンジ <3962>  3,080円 (+50円、+1.7%)

チェンジ <3962> が続伸。26日午後1時ごろ、子会社トラストバンクが提供する国内初の行政専用ビジネスチャット「LoGoチャット」が、滋賀県及び県内自治体で共同調達され、12自治体へ導入されることになったと発表しており、これが好感された。「LoGoチャット」は、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクが19年に提供を始めた行政専用ビジネスチャット。自治体職員はパソコンやスマートフォンに入れたチャットで、庁内や他自治体の職員とメッセージや画像、ファイルの送受信のほか、日程調整やアンケートを取ることもできるという。なお、今回の共同調達では5月以降順次、各自治体で利用を開始するとしている。

■ポート <7047>  777円 (+13円、+1.7%)

ポート <7047> [東証M]が4日ぶりに反発。25日の取引終了後、キャリアバンク(東京都中央区)と人材紹介会社支援で業務提携したと発表しており、これが好材料視された。キャリアバンク社が保有する取引先に対して、ポートの送客支援サービスを提案するという。これにより、より多くの求職者と求人企業のマッチングを生み出すことが可能となり、収益機会の最大化につながると期待しているという。

■エーザイ <4523>  7,084円 (+81円、+1.2%)

エーザイ <4523> が3日ぶりに小反発も上値が重い。SMBC日興証券は25日、同社株の投資評価「2」を継続するとともに、目標株価を7500円から7000円に引き下げた。アルツハイマー型認知症治療薬「アデュカヌマブ」の承認可否は米国時間6月7日までであり、その動向に注目している。同証券ではアデュカヌマブの価格想定を下方修正し、その結果、同社株の目標株価を見直した。

※26日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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