前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年6月3日 5時20分

■イーブック <3658>  3,135円 (+500円、+19.0%) ストップ高

東証1部の上昇率2位。イーブックイニシアティブジャパン <3658> がストップ高。1日の取引終了後、「LINEマンガ」を運営するLINE Digital Frontier(東京都新宿区)と電子書籍事業で業務提携すると発表しており、これが材料視された。この提携により、イーブックは「LINEマンガ」のバックエンド業務を受託する予定で、今年度後半から業務を開始する見込み。同社では、バックエンド業務の共通化を進めることで事業効率の改善やコンテンツ力の向上を図っていく方針で、今後同業務の共通化以外での協業も進めていくとしている。

■博展 <2173>  536円 (+80円、+17.5%) ストップ高

博展 <2173> [JQG]がストップ高。1日の取引終了後、中国市場の広告会社ビューティ・ワークス社と中国市場における展示会事業と広告施策全般の協業を基軸とした業務提携基本契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。両社はこれまでもパートナーとして日本企業の中国でのイベント開催や広告展開のサポート実績が豊富にあるが、今回の協業により更に両社が有するノウハウを融合し、日本企業の中国市場での体験型マーケティング活動のサポート領域の拡大を図るとしている。

■HPCシス <6597>  4,720円 (+700円、+17.4%) ストップ高

HPCシステムズ <6597> [東証M]がストップ高。科学技術用の高性能計算システム開発を手掛けるニッチトップ企業で、ビッグデータや人工知能(AI)分野での知見を生かし幅広く商機を捉えている。スーパーコンピュータ「富岳」を計算資源とするSaaSサイエンスクラウドにも商業展開するなど、そのサービス領域を広げている。直近では効率的な新材料開発のためのマテリアルズ・インフォマティックス(MI)ソフトウェアを開発したことを発表、今後の展開に期待がかかっている。

■IMV <7760>  606円 (+70円、+13.1%)

IMV <7760> [JQ]が急反騰、86円高の622円まで買われ今年1月以来の600円台復帰を果たした。世界的な「脱炭素」への取り組みが活発化するなかで電気自動車(EV)の普及に一段と注力する国が増えている。日本でもトヨタ自動車 <7203> がEV関連投資を加速させるなど、国内大手自動車メーカーの展開も急だ。そうしたなか、同社は自動車業界を主要顧客に振動試験装置を提供し、世界的にも屈指のシェアを誇るほか、受託試験も手掛ける。自動車向けリチウムイオン電池の充放電の性能確認などでも高い実績を持っていることで、現在のEVシフトの流れに乗り収益機会拡大の思惑が浮上している。業績面も回復顕著で21年9月期営業利益は前期比2.9倍の9億9000万円予想と急変貌する見通し。

■ツナグGHD <6551>  359円 (+29円、+8.8%)

東証1部の上昇率7位。ツナググループ・ホールディングス <6551> が大幅高で4日続伸。2日午前11時ごろ、同社のオールインワン採用ソリューション「Findin(ファインドイン)」が、マルジュ(東京都豊島区)が提供するシンプル・カンタンに利用できるWeb面接システム「SOKUMEN」とシステム連携したと発表しており、これが好材料視された。「Findin」は、Webプロモーションから応募管理までオールインワンで完結できる採用ソリューション。今回の連携により、Findinの管理画面内からSOKUMENの面接予約の設定、面接の管理が可能になったとしている。

■協和キリン <4151>  3,560円 (+265円、+8.0%)

東証1部の上昇率9位。協和キリン <4151> が3日ぶりに急反発し年初来高値を更新した。同社は1日、開発中のアトピー性皮膚炎治療薬「KHK4083」について、米アムジェンと共同開発・販売に関する契約を締結したと発表しており、これが材料視されたようだ。同剤は、協和キリンが保有している「完全ヒト抗体作製技術」と抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を高める「POTELLIGENT技術」を利用したヒト型抗OX40モノクローナル抗体で、活性化T細胞を選択的に減少させることが確認されている。現在、主要7ヵ国(G7)地域で約3000万人以上が罹患しているアトピー性皮膚炎を対象として、米国や欧州、日本で開発が進められており、アトピー性皮膚炎の治療薬として画期的医薬品になりうる開発品だという。なお、今回の契約に基づき、アムジェンは同剤の開発や製造を主導し、協和キリンが単独で販売活動を担当する日本を除き、グローバルで販売するとしている。

■KeePer <6036>  2,492円 (+183円、+7.9%)

東証1部の上昇率10位。KeePer技研 <6036> が急伸し年初来高値を更新した。1日の取引終了後に発表した5月度の月次速報で、既存店売上高は前年同月比36.1%増の大幅な増収となり、13ヵ月前年実績を上回ったことが好感された。会社側によると、「人々の清潔意識」の高まりに加えて、SNSなどを通じてKeePerの評価が上がり、高価格帯の「EXキーパー」や「クリスタルキーパー」などの施工が大幅に増加していることが要因。なお、全店の売上高は42.3%増だった。

■コメ兵HD <2780>  1,244円 (+87円、+7.5%)

コメ兵ホールディングス <2780> [東証2]が急反発。2日付の日本経済新聞朝刊で「2024年3月期までに店舗を3倍の約150店に増やす」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、大都市で買い取り専門店を中心に100店開業するという。新型コロナウイルス対策の「巣ごもり」の最中に不用品を処分する「断捨離」ブームを背景に中古の雑貨や宝飾品などの品ぞろえを広げるとしている。

■ウチダエスコ <4699>  3,620円 (+230円、+6.8%)

ウチダエスコ <4699> [JQ]が大幅高で5日続伸。1日の取引終了後、21年7月期の連結業績予想について、売上高を200億円から210億円(前期比21.7%増)へ、営業利益を17億円から27億円(同57.7%増)へ、純利益を12億3000万円から19億円(同59.4%増)へ上方修正したことが好感された。第3四半期累計(20年7月21日-21年4月20日)決算は、ICTサービス事業のGIGAスクール構想に関わる案件が集中したことが寄与し大幅な増収増益となった。同案件は21年3月末までの短納期であり、また案件が集中していることから、品質確保と納期順守のための諸対策コストを見込んでいたものの、着実な案件管理を徹底したことでこれらのコストを大幅に抑制。これが、追加案件の取り込みとキッティングセンターの稼働率アップにつながり、通期業績を押し上げる見通しだ。なお、同時に発表した第3四半期累計決算は、売上高172億6500万円(前年同期比27.0%増)、営業利益28億9200万円(同88.0%増)、純利益20億4400万円(同2.0倍)だった。

■パンチ <6165>  634円 (+40円、+6.7%)

パンチ工業 <6165> が大幅3日続伸。4月1日につけた年初来高値637円を奪回、一時642円まで上値を伸ばした。金型部品製造で業界屈指の実力を持つが、景気回復期待が高まっている中国で巨大な顧客基盤を持っており、業績拡大に期待が大きい。営業利益は21年3月期が前の期比9割増の16億1300万円、続く22年3月期も36%増益の22億円と大幅増益基調を確保する見通し。株価指標面でも割安顕著で買い安心感がある。2日の急伸後の株価換算でもPERは10倍を下回っている。

■酒井重 <6358>  2,310円 (+143円、+6.6%)

酒井重工業 <6358> が大幅高で4日続伸。2日午前10時ごろ、26年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表しており、売上高300億円(21年3月期216億2400万円)、営業利益31億円(同7億100万円)を目指すとしたことから、意欲的な中計との評価が高まったようだ。売上高300億円達成のため、これまでの安定志向の経営から脱却し、北米や東南アジアを中心に需要拡大している海外市場でシェア拡大に取り組み成長を目指すとしている。また、5億~20億円規模を上限とする自社株買いも検討するという。同時に未定としていた22年3月期の配当予想を中間・期末各60円実施すると発表しており、これも好感された。年間では120円となり、前期実績の年80円に比べて40円の増配となる予定だ。

■日製鋼 <5631>  3,020円 (+185円、+6.5%)

日本製鋼所 <5631> が急反発。SMBC日興証券が1日付で、同社株の投資評価「1」を継続し、目標株価を3500円から3700円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、注目度が高いEVセパレータ用フィルムシート装置の受注動向は再び顧客の投資意欲が活発化している印象と評価。加えて中国、ロシアにおける石化プラント増設による造粒機受注の大幅増加や、グローバル景況感の改善により射出成形機受注の伸長を見込み、22年3月期第1四半期から受注は前年同期比で大きく回復すると予想している。年初来株価パフォーマンスはセクターで相対的に出遅れており、投資機会としている。

■稀元素 <4082>  1,673円 (+90円、+5.7%)

第一稀元素化学工業 <4082> が続急伸、一時5%を超える上昇で1676円まで買われ、5月24日以来約1週間ぶりに年初来高値更新となった。時価は2017年10月以来、約3年8ヵ月ぶりの高値圏を走るが、同年9月につけた上場来高値1805円奪回も視野に入ってきた。電材向けジルコニウム化合剤の大手で自動車排ガス触媒材では世界トップシェアを誇るが、このほか燃料電池材料や電気自動車(EV)向け2次電池材料などにも展開していることで注目度が高い。業績も急回復が見込まれており、22年3月期営業利益は前期比49%増の30億円を予想している。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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