前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年6月8日 5時30分

■シンバイオ <4582>  2,250円 (+290円、+14.8%)

シンバイオ製薬 <4582> [JQG]が続急騰し年初来高値を更新した。7日、米キメリックス社(ノースカロライナ州)が抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル」について、天然痘の医療用対策として米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得したと発表しており、これが好材料視された。ブリンシドフォビルは、全ての年齢層、嚥下困難な患者に承認された初の天然痘抗ウイルス剤で、広範囲のDNAウイルス感染症に対して有効な治療方法となり得るものと期待されている。シンバイオは19年9月にキメリックス社からブリンシドフォビルに関して、天然痘の予防・治療を除く全ての適応症を対象とした全世界での独占的開発・製造・販売権を取得しており、現在、造血幹細胞移植後のアデノウイルス感染症を対象とするグローバル開発を進めているという。

■芝浦 <6590>  7,970円 (+620円、+8.4%)

東証1部の上昇率4位。芝浦メカトロニクス <6590> が3連騰、年初来高値を大幅に更新した。時価は約14年ぶりの高値水準にある。東芝系の半導体製造装置メーカーでエッチング装置やチップボンダーなどで高い商品競争力を誇る。世界的な半導体需給の逼迫を背景に大手半導体メーカーの生産能力増強の動きが活発で、同社の活躍余地が広がっている。市場では「半導体受託生産で世界最大手のTSMCが開発拠点を日本国内に設けるという話が改めて浮上しているが、これに芝浦メカが参加するとの思惑が株高を後押ししているもようだ」(国内ネット証券アナリスト)という。

■アインHD <9627>  7,000円 (+540円、+8.4%)

東証1部の上昇率5位。アインホールディングス <9627> が急反発。同社は4日取引終了後に、22年4月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比37.2%増の150億円としていることが好感されたようだ。売上高は同6.0%増の3150億円を見込む。ファーマシー事業では調剤薬局の新規開発及びM&Aを積極的に活用するほか、リテール事業ではコスメ&ドラッグストア「アインズ&トルペ」を継続的に出店し、事業規模の拡大を図るとしている。なお、21年4月期通期の連結決算は、売上高が前の期比1.6%増の2973億500万円、営業利益が同32.0%減の109億3200万円で着地した。

■アトラエ <6194>  2,035円 (+120円、+6.3%)

アトラエ <6194> が急反発。5月後半から機関投資家とみられる継続的な実需買いが観測され株価は連日の年初来高値更新、7日は株式分割考慮で昨年1月以来約1年5ヵ月ぶりに2000円台に乗せてきた。IT系企業を対象に成功報酬型求人サイト「Green」を主力展開するが、企業側からの旺盛な人材ニーズを背景に需要を開拓している。また、組織改善ツールも育成し収益に大きく貢献している。21年9月期連結営業利益は5億円(今期が連結開始年度で前期比較なし)を見込むが、第2四半期時点で5億9200万円と既に超過しており、大幅な上振れが濃厚。投資会社のアセットマネジメントOneが同社株の買い増しに動き、直近約10%まで株式保有比率を高めていることも注目される。

■オリンパス <7733>  2,385円 (+117円、+5.2%)

オリンパス <7733> が急反発。前週末4日の取引終了後、祖業である顕微鏡など科学事業を分社化する検討を開始したと発表しており、分社化による収益拡大を期待した買いが入ったようだ。19年11月に発表した経営戦略に基づき、内視鏡事業及び治療機器事業を中心とした医療分野に経営資源を投入するのに伴い分社化を図るという。なお、分社の時期は22年4月1日を予定している。

■HIOKI <6866>  5,690円 (+260円、+4.8%)

HIOKI <6866> が5日続伸、4月20日の年初来高値5750円に急接近している。電気自動車(EV)モーター向け電子測定器で高水準の需要を捉えるが、2030年までの長期経営計画でもEVなど電動化分野に力を入れる方針を明示している。1-3月期業績は絶好調で、21年12月期業績予想についても営業利益を従来予想の30億円から47億5000万円(前期比92%増)に大幅上方修正している。

■QDレーザ <6613>  1,675円 (+70円、+4.4%)

QDレーザ <6613> [東証M]が4日ぶり大幅反発。7日、国内で医療機器製造販売承認を取得した「RETISSAメディカル」が、ドイツのエッセン大学における治験を終了し、安全性と有用性が確認されたと発表しており、これが好感された。「RETISSAメディカル」は、カメラ撮像の網膜投影による不正乱視向け視力補正機器。今回の治験では、18年から子会社QDレーザドイツがスポンサーとなり、ドイツのエッセン大学のA・エクスタイン医学博士が主導して治験が行われ、角膜疾患による視覚障害のある18~85歳の21人の患者が参加。通常の眼鏡による矯正視力に比べて、近方及び遠方の視力と読解力を改善したと結論したという。

■ポールHD <3657>  1,161円 (+46円、+4.1%)

ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス <3657> が大幅反発。前週末4日の取引終了後に発表した第1四半期(2-4月)連結決算が、売上高80億1500万円(前年同期比26.6%増)、営業利益8億3000万円(同36.9%増)、純利益5億3000万円(同38.3%増)と大幅増益となったことが好感された。主力のデバッグ・検証事業で海外顧客向け売り上げが増加したほか、政府のGIGAスクール構想に基づく学校ICT化サポート事業者として、タブレット端末のキッティングサービスを受注したことが寄与した。また、ネットサポート事業で非対面なECサイト活性化によりモニタリング、カスタマーサポートが増加したことや、ゲーム市場向けのカスタマーサポートの受注が増えたことも貢献した。なお、22年1月期通期業績予想は、売上高300億7700万円(前期比12.5%増)、営業利益34億5200万円(同7.3%増)、純利益21億2300万円(同0.2%増)の従来見通しを据え置いている。

■日セラ <6929>  2,993円 (+117円、+4.1%)

日本セラミック <6929> が6日続伸。赤外線センサーのニッチトップで国内シェア9割と圧倒的な商品競争力を誇る。電気自動車(EV)向けでもセンサーで高い実績を有しており、EV大国である中国向けに最適なモーター制御を補助する電流センサーの引き合いが活発だ。21年12月期営業利益は前期比16%増の33億円と2ケタ成長を見込むが、一段の上振れが有力とみられている。

■サイボウズ <4776>  2,429円 (+89円、+3.8%)

サイボウズ <4776> が大幅反発。同社は7日、船井総研ホールディングス <9757> グループの船井総合研究所とデジタルトランスフォーメーション(DX)人財を育成する研修プログラムを共同開発したと発表。7月から開始するとしており、これが買い手掛かりとなったようだ。今回の共同開発は、クラウドサービスの普及やデジタル化ツールの多様化が進展し、中小企業でもITツールを活用した新たな働き方への対応及び生産性向上の重要性が高まっていることが背景。同社はこの研修プログラムを通じて、中小企業における自社の経営課題を発見し、課題に適合するITツールが導入できる人財育成を促進するとしている。

■リコー <7752>  1,422円 (+46円、+3.3%)

リコー <7752> が5日続伸。4日の取引終了後に発表した自社株の取得状況で、積極的な買い入れを行っていることが評価されたようだ。同社は3月3日付で、上限を1億4500万株(発行済み株数の20.02%)、または1000億円とする自社株買いを22年3月3日までの期間で実施すると発表していたが、5月31日までに2183万5400株を259億2698万円で取得したとしている。

■チェンジ <3962>  2,820円 (+82円、+3.0%)

チェンジ <3962> が大幅反発。同社は7日、子会社のビーキャップが医療従事者向けに病院内外の入退室時間を打刻なしで簡単に記録・管理できる「beacapp HERE Hospital」の提供を開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。同ソリューションはビーコン技術を活用することで、従来のタイムカード型では実現できなかった院内外(病院、研究室、外出時間の把握など)での実労働時間を高精度に把握することが可能。同社では24年4月以降の医療従事者の労働管理の徹底(通称36協定)対策に向け、長時間勤務の是正、タスク・シフティング(医師は医師でなければ実施できない業務に特化する)、タスク・シェアリング(特定の医師に集中している業務をより多くの医師で分担する)の実現に貢献できるとしている。

■郵船 <9101>  4,960円 (+115円、+2.4%)

日本郵船 <9101> 商船三井 <9104> 川崎汽船 <9107> など海運大手が揃って上値追い基調を強め、業種別騰落でも「海運」は東証1部33業種中、値上がりトップに買われた。ばら積み船市況の運賃動向を表すバルチック海運指数は5月24日に2881で高値をつけてから一貫して水準を切り下げているが、需要そのものは回復傾向にあることに変わりなく、コンテナ船市況が引き続き高水準で収益環境に陰りはみられない。なお、郵船は前週3日につけた高値を上回り年初来高値を更新、5000円大台回復を目前としている。

■アルファP <9467>  3,390円 (+70円、+2.1%)

アルファポリス <9467> [東証M]が反発。前週末4日の取引終了後、同社の小説「月が導く異世界道中」のテレビアニメーションが、7月7日から放送開始されることが決定したと発表しており、これが好感された。同作は、原作小説がシリーズ累計200万部突破の大ヒット小説で、薄幸系主人公の異世界放浪を描いた作品。20年10月にテレビアニメ化を発表していた。

■マーベラス <7844>  790円 (+15円、+1.9%)

マーベラス <7844> が4日ぶりに反発。前週末4日の取引終了後、20年11月に発売したゲームソフト「天穂(てんすい)のサクナヒメ」の世界累計出荷本数が100万本を突破したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。「天穂のサクナヒメ」は、「ヒノエ島」を舞台に、島を支配する鬼とたたかう爽快なコンボアクションと、日本古来の伝統を取り入れた米作りシミュレーション要素が融合したユニークな和風アクションPRG(ロールプレイングゲーム)。発売後2週間で50万本を突破し、半年余りでミリオンセラーを達成するなど記録的な販売数となったとしている。

■オプティム <3694>  2,326円 (+44円、+1.9%)

オプティム <3694> が9日ぶりに反発。4日の取引終了後、KDDI <9433> と連携し、恩賜上野動物園(東京都台東区)内に、「OPTiM AI Camera」の混雑可視化機能の提供を開始したと発表しており、これが好材料視された。「OPTiM AI Camera」は、既設の監視カメラを活用し、クラウドで画像解析を行う人工知能(AI)画像解析サービス。同機能の提供により、来園者はWebサイトで、各エリアの混雑状況を確認できるようになり、快適な観覧の実現に寄与するという。

■リンガハット <8200>  2,281円 (+37円、+1.7%)

リンガーハット <8200> が反発。7日午後2時30分ごろに発表した5月度の月次情報で、純既存店売上高が前年同月比36.2%増と2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。主力の「リンガーハット」が同46.6%増と大幅増となったほか、「濱かつ」も同6.5%増となったことが寄与した。なお、全店売上高は同22.9%増だった。

■ヨコオ <6800>  2,345円 (+36円、+1.6%)

ヨコオ <6800> が続伸。4日の取引終了後、同社に対する原田工業 <6904> による特許権侵害訴訟で勝訴が確定したと発表しており、これが好材料視された。ヨコオが製造し国内で販売する車載アンテナ製品の一部について、原田工業の保有する特許権を侵害しているとした訴訟において、原田工業が最高裁判所に行っていた上告受理の申し立てを、最高裁が6月3日付で上告不受理を決定し、勝訴が確定したという。

■ユーグレナ <2931>  846円 (+12円、+1.4%)

ユーグレナ <2931> が反発。前週末4日の取引終了後、国土交通省が保有・運用する飛行検査機「サイテーションCJ4」にユーグレナ製造のバイオジェット燃料が使用され初フライトが実現したと発表しており、これが好材料視された。今回行われたフライトでは、バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントのBIC プロセスで製造し、外部検査機関による適合検査に合格したバイオジェット燃料を、既存石油系ジェット燃料と混合した上で使用した。同バイオジェット燃料の原料には、使用済み食用油と微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)由来の油脂などを使用しているという。なお、政府機関の航空機で国産のバイオジェット燃料が使用されるのは日本で初めて。

■デクセリ <4980>  2,295円 (+30円、+1.3%)

デクセリアルズ <4980> が続伸。7日付の化学工業日報で、「デクセリアルズの差異化製品が車載ディスプレイ市場に浸透し始めている」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、回路接続に用いられる粒子整列型の異方性導電膜(ACF)は、高い接続信頼性が評価され、採用数が拡大しているという。また、反射防止フィルムのほか、車載CMOSセンサー向けの精密接合用樹脂も伸長しており、車載分野へのシフトを急ぐとしており、車載向けの拡大による業績への貢献が期待されている。

■あさひ <3333>  1,401円 (+18円、+1.3%)

あさひ <3333> が4日ぶりに反発。7日午後1時ごろに発表した5月度(4月21日~5月20日)の月次営業速報で、既存店売上高が前年同月比13.9%増と7ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客単価が同10.3%増と2ケタ増となったほか、客数も同3.3%増となったことが寄与した。

■任天堂 <7974>  68,580円 (+820円、+1.2%)

任天堂 <7974> が4日続伸、1000円を超える上昇で一時6万9000円台に乗せた。コロナ禍でライフスタイルの巣ごもり化が進んだことで同社を筆頭にゲーム関連企業には追い風が強い。同社の22年3月期営業利益は急激な伸びをみせた前期の反動で2割程度の減益を見込んでいるが、マーケットでは大幅な増額余地を見込んでおり、株価の戻り足に反映されている。米国時間12日から世界最大のゲーム見本市「E3」がオンライン開幕されるが、同社はこの会期期間である12~15日に合わせ個別に発表会を開催する予定にあり、株価の刺激材料にも事欠かない。2007年以来約14年ぶりとなる7万円大台をにらみ、大口個人投資家などの買い攻勢が顕著となっている。

※7日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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