16日の米国市場ダイジェスト:NYダウ265ドル安、早期の金融引き締めを警戒

市況
2021年6月17日 7時47分

■NY株式:NYダウ265ドル安、早期の金融引き締めを警戒

米国株式市場は続落。ダウ平均は265.66ドル安の34033.67ドル、ナスダックは33.18ポイント安の14,039.68で取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控えた警戒感に寄り付きから下落。結果は市場の予想通り、大規模な金融緩和が据え置かれたが、同時に発表されたスタッフ予測において、成長やインフレ見通しが引き上げられ、さらに、利上げの時期の予想が前倒しされたため早期の金融引き締め警戒感が一段と強まり、相場を一段と押し下げた。ただ、パウエル議長が緩和縮小を急ぐ姿勢を見せなかったため引けにかけて、下げ幅を縮小した。セクター別では銀行や自動車・自動車部品が上昇した一方で、食・生活必需品小売りが下落した。

クルーズ船を運営するカーニバル(CCL)、ロイヤルカリビアン(RCL)、ノルウェージャンクルーズ(NCLH)は3社とも、アナリストによる投資判断引き上げを受けて上昇。また、自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)は、見通しを引き上げたほか、電気自動車のバッテリー投資を30%増やすと発表し、上昇した。銀行のJPモルガン(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)は金利の上昇が収益を押し上げるとの期待に上昇。一方、シティグループ(C)はコストの上昇や収益低下を警告したとの報道が嫌気され、下落した。

FRBのパウエル議長は、会合後の会見で、スタッフ予測は委員会の政策決定でも計画でもないと、主張した。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:ドル強含み、米国の早期利上げ観測強まる

16日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円81銭まで下落後、110円72銭まで上昇し、110円71銭で引けた。予想を下回った米5月住宅着工件数を受けてドル売りが一時優勢となった。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、市場の予想通り大規模緩和の据え置きを決定。同時に発表されたメンバー予測において、成長とインフレ見通しを引き上げ、利上げ開始時期の予想が前倒しされたため、金融緩和策の早期縮小観測が強まり、長期金利が急伸したことからドル買いが加速した。

ユーロ・ドルは1.2128ドルから1.1995ドルまで下落し、1.1997ドルで引けた。ユーロ・円は133円36銭から132円69銭まで下落。リスク回避の円買いが優勢となった。ポンド・ドルは1.4133ドルまで上昇後、1.3983ドルまで下落した。ドル・スイスは0.8982フランから0.9088フランまで上昇した。

■NY原油:時間外取引で72.15ドル、売り強まる

NY原油先物7月限はもみ合い(NYMEX原油7月限終値:72.15 ↑0.03)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+0.03ドルの72.15ドルで通常取引終了。ただし、時間外取引を含めた取引レンジは71.75ドル-72.99ドル。ニューヨーク市場の中盤にかけて72.99ドルまで買われたが、通常取引終了後の時間外取引で71.75ドルまで下落した。米長期金利の上昇や株安が嫌気されたようだ。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 41.62ドル +0.23ドル(+0.56%)

モルガン・スタンレー(MS) 91.10ドル +0.40ドル(+0.44%)

ゴールドマン・サックス(GS)371.00ドル -0.30ドル(-0.08%)

インテル(INTC) 57.22ドル -0.77ドル(-1.33%)

アップル(AAPL) 130.15ドル +0.51ドル(+0.39%)

アルファベット(GOOG) 2513.93ドル -6.73ドル(-0.27%)

フェイスブック(FB) 331.08ドル -5.67ドル(-1.68%)

キャタピラー(CAT) 217.16ドル -2.30ドル(-1.05%)

アルコア(AA) 35.36ドル -0.93ドル(-2.56%)

ウォルマート(WMT) 137.15ドル -2.85ドル(-2.04%)

《ST》

提供:フィスコ

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