前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年6月23日 5時20分

■ウェルネット <2428>  564円 (+69円、+13.9%) 一時ストップ高

東証1部の上昇率2位。ウェルネット <2428> が4日ぶり急反騰。同社はコンビニエンスストアなどを対象に電子決済及び収納代行業務を手掛け、米アマゾンへのスマートフォン決済アプリ提供など業容拡大が進んでいる。21日取引終了後、決済代行事業でソニーグループ <6758> のソニーペイメントサービスと業務提携し、ソニーペイメントサービスでスマホ決済アプリ「支払秘書」の拡販を開始することを発表、これが強力に株価を刺激する材料となった。

■ジェイリース <7187>  1,358円 (+138円、+11.3%)

東証1部の上昇率3位。ジェイリース <7187> が続急騰。21日の取引終了後、自社開発のクラウド型賃貸管理CRMシステム「カクシンクラウド」でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するウチダレック(鳥取県米子市)グループと業務提携すると発表しており、これが好材料視された。「カクシンクラウド」は、ウチダレックグループのワークデザインが提供する、入居申し込みの手続きを全てオンラインで完結することのできるサービス。今回の提携により、「カクシンクラウド」とAPI連携を開始し、「カクシンクラウド」を利用している不動産会社は、入居申し込みでジェイリースへの保証審査申し込みなどの一連の手続きをWeb上で完結することができるようになる。また、APIで取得した入居申し込み情報がジェイリースの基幹システムに連携されることから、ペーパーレスでスムーズな保証審査が可能になるとしている。

■郵船 <9101>  5,670円 (+530円、+10.3%)

東証1部の上昇率4位。日本郵船 <9101> が500円を超える上昇をみせたほか、22年3月期業績予想を大幅増額修正した商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> も急騰するなど海運株が異彩高。コンテナ船市況の改善が急で、商船三井は業績が会社側の想定を大幅に上回る状況にあるが、これは共同出資会社でコンテナ船事業を展開する郵船や川崎汽も同様の収益環境を享受することになる。新型コロナウイルスもワクチンの普及で経済正常化への期待が高まっており、グローバル物流を担う海運セクターに追い風となっている。

■商船三井 <9104>  5,300円 (+490円、+10.2%)

東証1部の上昇率5位。商船三井 <9104> が4日ぶり急反騰で年初来高値を更新。21日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について純利益を900億円から2100億円(前期比2.3倍)へ上方修正しており、純利益ベースで2008年3月期以来となる最高益更新見通しが好感されたようだ。コンテナ船事業を運営している持ち分法適用会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE社)において、荷動きとスポット賃率がいずれも想定を大きく上回ったことなどが寄与した。

■マーキュリア <7190>  791円 (+64円、+8.8%)

東証1部の上昇率9位。マーキュリアインベストメント <7190> が急反発。22日付の日本経済新聞電子版が「投資会社のマーキュリアインベストメントが運営する投資ファンドはこのほど、半導体に使われる希少金属の精錬加工を手がける東京電解(東京・江東)を買収した」と報じており、これが材料視されたようだ。記事によると、東京電解の21年3月期の売上高は100億円超。マーキュリアが設立した特別目的会社を通じて東京電解を買収したといい、特別目的会社にはマーキュリアが運用するファンドからの過半出資に加え、JX金属も共同出資しているという。なお、マーキュリアは22日正午に同件について正式発表した。

■IMV <7760>  749円 (+55円、+7.9%)

IMV <7760> [JQ]が大幅高で3連騰。21日の高値713円を大きく上回り年初来高値更新となった。21日は東証1・2部新興市場ともに波乱展開となるなか同社株は強さを発揮し続伸、22日は改めて買いを呼び込んだ。自動車業界向けを中心に振動試験装置や計測器を提供し、受託試験サービスも行う。車載用リチウムイオン電池の充放電の性能確認では世界的な電気自動車(EV)シフトで収益機会が拡大している。また、AI・IoT導入の動きが進むなか、FA監視計やIoT振動診断ユニットなどで新たな商機を捉えている。21年9月期は営業利益9億9000万円と前期比約3倍の急変貌を見込むが更なる増額余地が意識されている。

■サコス <9641>  386円 (+28円、+7.8%)

サコス <9641> [JQ]が急反発。同社は21日、リチウムイオン蓄電装置「Mobi Gen(モビ・ジェン)」について、国内総代理店であるBell Energy(茨城県つくば市)と建設業界独占レンタル契約を締結したと発表。今月下旬からレンタルを開始するとしており、これが買い手掛かりとなったようだ。レンタルを始めるのは国内最大級の可搬型蓄電装置で、電池容量は1時間当たり80キロワット(一般家庭で使用する電力の1週間分相当)。10月には蓄電容量が半分(1時間当たり40キロワット)のタイプを導入する予定で、認知度を上げながら需要に応じて増台し、可搬型大容量蓄電装置のシェア獲得を目指すとしている。

■メディカルN <3645>  605円 (+43円、+7.7%)

メディカルネット <3645> [東証M]が急反発。21日の取引終了後、デルフィーノケア(東京都目黒区)と協業して販売・施工を行う「まるごと抗菌コーティング」で用いる抗菌・防臭剤「delfino(デルフィーノ)」について、新型コロナウイルスを減少させる効果があるとの実験結果が明らかになったことを発表しており、これを好感した買いが入ったようだ。同社によると、この実験は第三者機関である日本繊維製品品質技術センターが実施したもので、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性試験において99.99%以上のウイルスが減少した結果が得られたという。

■象印 <7965>  1,740円 (+123円、+7.6%)

象印マホービン <7965> が急反発。21日の取引終了後、21年11月期の連結業績予想について、売上高を760億円から775億円(前期比3.4%増)へ、営業利益を57億円から67億円(同23.2%増)へ、純利益を40億円から44億円(同11.6%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、国内ではホットプレート、オーブントースター、コーヒーメーカーなどの巣ごもり関連商品や衛生関連商品が引き続き好調だったほか、せんとパッキンが一つになった「シームレスせん」を採用したステンレスマグがヒット化したことが貢献。海外でも特に北米市場で炊飯ジャーや電気ポット、ホームベーカリーの売り上げが伸びたほか、中国市場が堅調に推移したことが寄与した。更に、圧力IH炊飯ジャーなど高付加価値商品の販売増加やコストダウン、経費削減効果なども利益を押し上げた。

■スズキ <7269>  4,663円 (+320円、+7.4%)

スズキ <7269> といすゞ自動車 <7202> が急反発。SMBC日興証券は21日、両銘柄の投資評価をともに「2」から「1」に引き上げた。目標株価はスズキが5000円から6000円へ、いすゞは1400円から2000円へ見直した。スズキに関しては、インド市場の再評価をポイントとしている。インドは新型コロナ感染拡大で不透明感が漂うが、新規感染者数はピークアウトを控えたタイミングでインドの株価指数であるSENSEX指数はすでにボトムアウトしている。「インド=成長市場」という見方が再びフォーカスされるタイミングに備えて、強気スタンスをとっている。また、いすゞに関してはタイでのエクスポージャーが相対的に高いことなどに注目し強気評価している。

■ソフトクリエ <3371>  2,320円 (+155円、+7.2%)

ソフトクリエイトホールディングス <3371> が5日ぶり急反発。21日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を20万株(発行済み株数の1.51%)、または5億円としており、取得期間は6月21日から8月31日まで。株主還元水準の向上を図るとともに、経営環境の変化に応じて機動的な資本政策を遂行するために実施するとしている。

■ワイエイシイ <6298>  1,197円 (+78円、+7.0%)

ワイエイシイホールディングス <6298> が3日ぶり急反発。21日は日経平均株価が波乱安に見舞われるなか、しぶとくプラス圏で推移する場面があり、買い需要の高さを証明した。22日は、全体相場がリスクオフの巻き戻し局面に移行するなか、先高期待から投資資金が再攻勢をかけた。半導体製造装置や液晶製造装置などを主力にメカトロニクス関連分野を深耕、ハードディスク研磨技術では業界他社を引き離す。また、有力子会社の存在も株価上昇を後押しする。電気自動車(EV)や再生可能エネルギー分野でパワー半導体需要が盛り上がりをみせるなか、子会社でレーザー技術のスペシャリスト集団であるワイエイシイビームがパワー半導体素子用レーザアニーラ(Si-IGBTレーザアニーラ)を製造しており、その技術力が注目されている。

■TSテック <7313>  1,661円 (+101円、+6.5%)

テイ・エス テック <7313> が3日ぶり急反発。21日の取引終了後、未定としていた22年3月期の連結業績予想について、売上高4030億円(前期比16.4%増)、営業利益400億円(同49.6%増)、純利益230億円(同10.9%増)を見込み、年間配当を54円にすると発表しており、大幅増収増益で実質増配見通しであることが好感された。半導体供給不足などの自動車市場におけるサプライチェーンの混乱を受けて、業績予想を未定としていたが、上期は半導体供給不足の影響を受けた受注減を見込むものの、下期には挽回生産を見込んでいることが業績を牽引する見通しだ。

■日経レバ <1570>  15,790円 (+920円、+6.2%)

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が大商いで5日ぶり急反発に転じた。日経平均株価に連動するETFで変動率は2倍に基本設定されており、全体相場のボラティリティが高い21日や22日のような地合いでは、個人投資家など短期資金の売買が活発化する。一方、日経平均とは逆方向に連動し、変動率がマイナス2倍に設定されているNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 <1357> [東証E]も日経レバほどではないが活発な商いをこなしており、こちらは27円安の414円と、前日の上昇分を吐き出す下げとなった。米国の早期利上げ懸念に全体相場は振り回されているが、22日のところは日経平均は先物を絡めリバウンド狙いの買いに厚みが加わり戻り足が軽い。

■JBR <2453>  850円 (+49円、+6.1%)

ジャパンベストレスキューシステム <2453> が急反発。同社は21日取引終了後に、電力小売事業から撤退すると発表。業績の安定性向上につながるとの見方などから評価されたようだ。事業撤退は、昨年12月から今年1月にかけて発生した想定以上の市場電力価格高騰の影響を受けたことが背景にあり、価格高騰再発リスクの可能性を踏まえ撤退を決めたという。なお、撤退完了時期は9月末を予定しており、今後資源エネルギー庁に撤退スケジュールを提出するとしている。

※22日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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