前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年7月9日 5時30分

■ゼット <8135>  341円 (+80円、+30.7%) ストップ高

ゼット <8135> [東証2]が全体軟調相場のなか突発人気化。80円高はストップ高となる341円まで駆け上がった。 東京五輪は新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大を背景に緊急事態宣言下での開催という異例の事態となりそうだが、個別株は貸株調達を含む空売りの買い戻しなどが作用して逆に急騰するケースも増えている。直接的には米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が、日本時間8日に行われたレッドソックス戦で32号本塁打を打ち、松井秀喜(当時ヤンキース)が2004年に記録した日本人の最多本塁打記録を抜いたことが、同社の株価刺激材料となったもよう。また、東京五輪は無観客試合となる公算が大きくなっているが、開幕接近でスポーツ関連株の一角に物色の矛先が向かいやすいという面もあるようだ。そのなか、同社は業績も回復歩調で22年3月期の営業損益が5億円の黒字に転じる見通し。コロナ禍にあっても、SNSなどでゼットブランドの発信を強化しており業績への貢献が期待されている。

■Tワークス <3997>  1,017円 (+150円、+17.3%) ストップ高

トレードワークス <3997> [JQ]がストップ高。7日の取引終了後、SaaS型クラウドECプラットフォーム「Emerald Blue」を開発したと発表しており、これを好感する買いが入った。「Emerald Blue」は、ECサイトを構築する際の方法となるASPとECパッケージの両方のニーズに対応し、クラウド環境でECサイト構築から運営が可能、ECプラットフォームを事業者が持たずに低コストでサービス提供できるなどの特徴を持つ。また、受注、決済管理、配送、商品管理、動向分析などネットショップに必要な機能を集約しており、クラウド型フルフィルメントシステムの提供が可能となるとしている。

■ネクステージ <3186>  1,989円 (+189円、+10.5%)

東証1部の上昇率トップ。ネクステージ <3186> が3日ぶりに急反騰。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が7日付で同社の投資判断「Buy(買い)」を継続し、目標株価を前回の2600円から2700円に引き上げたことが好材料視された。レポートでは、大型総合店出店による中古車小売市場でのシェア拡大に注目。適正在庫水準の引き下げや設備投資見直しなど販管費の効率化で利益水準が高まり、フリーキャッシュフローに余力がでてきたこともあり、会社側は出店拡大の方針を掲げる。大型店出店の増加により中期的な利益成長は一段と高まるとみている。

■JTOWER <4485>  6,360円 (+380円、+6.4%)

JTOWER <4485> [東証M]が続急伸。同社は8日、NTT西日本(大阪市中央区)が保有する通信鉄塔71基を買い取る契約を締結したと発表。今後、鉄塔ごとの既存利用事業者の契約を、NTT西日本からJTOWERに9月から順次移管し、資産の引き渡しを行っていく予定だという。同社は通信事業者が保有する既存通信鉄塔のカーブアウト(売買)の取り組みを重要な成長戦略のひとつと位置づけており、こうした取り組みを拡大することで、5Gネットワークの早期整備、設備投資の効率化、環境負荷軽減などの社会課題の解決につなげていくとしている。

■ダイキン <6367>  21,950円 (+775円、+3.7%)

東証1部の上昇率9位。ダイキン工業 <6367> が大幅反発。世界的な電気自動車(EV)シフトが進むなか、同社はEV用エアコンで省エネ性能の高い冷媒を開発したと8日付の日本経済新聞が報じており、これを材料視する買いが集中した。エアコンに使う電力を大幅に減らすことでEVの航続距離を最大5割伸ばせるとされ、2025年をメドに実用化する方針と伝えられたことで株価を強く刺激した。会社側では「報道された内容自体は6月の学会で発表したものと変わらないが、基礎的な(冷媒の)技術でメドが立ったことは事実。商品化の時期についてはまだリリースできる段階にはない」としている。

■ユーグレナ <2931>  1,054円 (+36円、+3.5%)

東証1部の上昇率10位。ユーグレナ <2931> が5連騰。前日7日は終値ベースで4月14日以来約3ヵ月ぶりに1000円大台を回復したが、8日も買い気は衰えず、4ケタ大台を地相場とする活躍が見込める状況に。同社は微細藻類ミドリムシを栽培し、これを活用した食品や化粧品を手掛けるほか、ミドリムシを使ったバイオ燃料事業に積極展開していることが注目されている。そうしたなか、7日取引終了後に内航船舶や鉄道建設現場におけるバイオ燃料の利用促進に向けて、鉄道・運輸機構と包括連携することで基本合意したと発表、これによる業容拡大への期待が改めて投資資金の食指を動かしている。

■OSG <6136>  1,999円 (+63円、+3.3%)

OSG <6136> が大幅反発。7日の取引終了後、21年11月期連結業績予想について、売上高を1150億円から1220億円(前期比16.9%増)へ、営業利益を115億円から150億円(同78.7%増)へ、純利益を75億円から100億円(同77.3%増)へ上方修正したことが好感された。中華圏の経済状況の好転に伴う工具需要が順調に回復していることに加えて、欧州・米州製造業の景況感が改善し在庫調整が順調に進んでいることが要因。また、業績予想の修正に伴い、従来24円を予定していた年間配当を7円増額して31円にするとあわせて発表したことも好材料視された。前期実績の22円に対しては9円の増配となる予定だ。

■日立造 <7004>  763円 (+24円、+3.3%)

日立造船 <7004> が大幅反発。7日に東京ガス <9531> からメタネーション装置を民間企業で初めて受注したと発表しており、これを好感する買いが入った。カーボンニュートラルのソリューションとして水素と二酸化炭素からメタンを合成するメタネーションが注目されるなか、東京ガスは横浜テクノステーション内にメタネーション装置を設置し、21年度内に実証試験を開始する予定という。また、8日はオーストラリア子会社のOsmoflo Holdingsが、日揮ホールディングス <1963> 傘下の日揮グローバルがイラクに建設予定のバスラ製油所内に設置される水処理プラントを受注したことも明らかにしており、これも好材料視されたようだ。

■正興電 <6653>  1,737円 (+52円、+3.1%)

正興電機製作所 <6653> が全体地合い悪のなか大幅続伸、1600円台での底値もみ合いを経て浮上の気配を強めている。電力向け受変電設備などの製造販売を手掛け、IoT技術を活用した情報制御システムなどで実力を発揮する。主要顧客は九州電力 <9508> と日立製作所 <6501> で、強固な収益基盤を武器に急成長、21年12月期営業利益は前期比51%増の20億円を見込んでいる。ここ太陽光発電の目標上積みなど国策の追い風が再び強まってきた再生可能エネルギー分野では、ハイブリッド蓄電システムなどで強みを持ち、需要獲得が期待される。

■ヒトコムHD <4433>  2,380円 (+69円、+3.0%)

ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス <4433> が大幅反発。8日午前11時30分ごろ、21年8月期の連結業績予想について、売上高を730億円から810億円(前期比13.3%増)へ、営業利益を35億円から44億2000万円(同40.4%増)へ、純利益を18億8000万円から24億7000万円(同80.2%増)へ上方修正したことが好感された。EC・TC(電子商取引・テレビコマース)支援事業を中心とするデジタル営業支援セクター及びホールセールセクターが底堅く推移するほか、販売系営業支援セクターも底打ち傾向に転じたことが要因。新型コロナウイルスのワクチン接種に関連した各種支援業務など受注を獲得し売上高の増加に伴う利益の増加に加えて、経費の効率的な運用を継続したことも利益を押し上げる。同時に発表した第3四半期累計(20年9月-21年5月)決算は、売上高612億5600万円(前年同期比15.7%増)、営業利益36億4500万円(同43.0%増)、純利益22億5200万円(同69.6%増)だった。

■うるる <3979>  3,160円 (+85円、+2.8%)

うるる <3979> [東証M]が5日ぶりに反発。7日の取引終了後、電話取り次ぎサービス「fondesk(フォンデスク)」の有料契約ID数が6月末時点で2500件を突破したと発表しており、これが好感された。併せて、全国での導入をさらに加速させるため、パートナーサクセス(東京都目黒区)とアドバイザリー契約を締結したことも明らかにした。また同日、国内独立系ヘッジファンドのシンプレクス・アセット・マネジメントが大量保有報告書を提出しており、需給面での思惑も働いたようだ。報告書によれば、シンプレクスのうるる株式保有比率は5.42%となり、新たに5%を超えたことが判明した。なお、保有目的は投資一任契約または投資信託委託契約に基づく純投資としている。

■Aバランス <3856>  6,170円 (+150円、+2.5%)

Abalance <3856> [東証2]が3日続伸。7日の取引終了後、連結子会社のWWBが開発を進めてきた福島県福島市の大波第一、第二太陽光発電所が系統連系し、売電を開始したと発表しており、これが材料視された。同発電所は、一般家庭の約1320世帯分の消費電力に相当する年間予定消費量約6068MWhの出力、年間の二酸化炭素削減量約3640トンを想定し、初年度通期売電収入は暦年ベース(1年間)で約2億2000万円を見込んでいるという。

■IGポート <3791>  1,763円 (+40円、+2.3%)

IGポート <3791> [JQ]が反発。7日の取引終了後、グループ会社のプロダクション・アイジーがルーカスフィルムのアニメプロジェクト「スター・ウォーズ:ビジョンズ」にて、オリジナル短編アニメーション「The Ninth Jedi」の制作を決定したと発表。同プロジェクトは、日本のアニメと「スター・ウォーズ」がタッグを組む共同プロジェクトで、日本の7つのアニメスタジオが参加して全9作品の「スター・ウォーズ」の新たな物語が描かれる。「The Ninth Jedi」は9月22日からディズニープラスで独占配信となる予定だ。

■レノバ <9519>  5,000円 (+95円、+1.9%)

レノバ <9519> が3日続伸。前日7日は取引時間中に一貫して下値を切り上げ一時400円を超える上昇をみせ、約半年ぶりに上場来高値を更新した。8日は、その余勢を駆って目先筋の利益確定売りを吸収、全体軟調相場に抗して初の5000円大台乗せを果たした。世界的な脱炭素への取り組み加速を背景として、菅政権では2030年度までに温室効果ガスの排出量を13年度比で46%削減する目標を掲げるが、経済産業省では30年度で太陽光発電を8760万キロワットまで増強する見通しを開示している。太陽光発電を主力に再生可能エネルギーの開発・運営を手掛ける同社はその国策に乗るシンボルストックとして買われている。

■デクセリ <4980>  2,330円 (+31円、+1.4%)

デクセリアルズ <4980> が続伸。8日10時30分に、小型でありながら定格電流100アンペアの大電流対応を実現した表面実装型の電流ヒューズパワーカレントプロテクター「PTA-036100」を製品化し、販売を開始したと発表。「PTA-036100」は過電流から電子機器をまもる表面実装型電流ヒューズ。過電流が発生すると、ヒューズエレメントが自身の抵抗で発生するジュール熱によって溶断し、回路を遮断することで、発熱や発火から電子機器を保護するという。近年増加する大電流を必要とする電子機器向けの需要が期待される。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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