前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年7月21日 5時30分

■元旦 <5935>  4,870円 (+570円、+13.3%)

元旦ビューティ工業 <5935> [JQ]が急騰。同社は19日、屋根施工と同時に上から、断熱・吸音・遮音性を満たす直天井をつくる「PASTEM-Z(パステムZ)」を製品化し、正式に販売開始したと発表しており、これが好感された。従来の天井工事は、屋根工事が完了した後に内装業者によって施工されるが、パステムZは屋根と同時に上から天井の施工を行うことができ、大幅な工期短縮と内部足場などの仮設費用を低減するのが特徴。在来工法に比べて屋根・天井材と、それらの下地材の重量が軽量になるため、大スパンにも使用可能で、プロスポーツや音楽イベント開催の施設に適しているという。

■ザイン <6769>  899円 (+77円、+9.4%)

ザインエレクトロニクス <6769> [JQ]が急反発。19日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(1-6月)連結業績について、営業損益が4500万円の赤字から1億2800万円の黒字(前年同期2億3100万円の赤字)へ、最終損益が4700万円の赤字から2億3400万円の黒字(同1億7000万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。AIOT事業で一部顧客向けの製品出荷の後倒しや計画見直しの影響があり、売上高は19億5500万円から18億6400万円(前年同期比21.8%増)へ下振れたものの、LSI事業で主に国内及び中国市場向けの製品出荷が急速に回復したことで売上総利益が計画を上回り利益を押し上げた。また、コスト削減を進めたことや、保有する外貨建て資産の換算差益の計上なども寄与した。

■VIX短先物 <1552>  2,981円 (+253円、+9.3%)

国際のETF VIX短期先物指数 <1552> [東証E]が大幅に3日続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。19日の米VIX指数は前日18日に比べ4.05(21.95%)ポイント高の22.50と急伸した。同指数が警戒ラインとされる20を終値ベースで上回ったのは6月18日以来、1ヵ月ぶりのこと。19日の米株式市場はNYダウが725ドル安と大幅続落。世界で感染力が強い新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大が続いており、景気回復の先行きに警戒感が台頭した。これを受けて、東京市場では、VIX短先物は上昇した。

■キヤノン <7751>  2,708円 (+229円、+9.2%)

東証1部の上昇率トップ。キヤノン <7751> が急反発。19日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を3兆5000億円から3兆6000億円(前期比13.9%増)へ、営業利益を1980億円から2830億円(同2.6倍)へ、純利益を1400億円から2010億円(同2.4倍)へ上方修正したことが好感された。第1四半期に続き、在宅勤務と在宅学習の世界的な広がりを背景にインクジェットプリンターの販売が伸びているほか、各地域でフルサイズミラーレスカメラ及び交換レンズなどの好調な販売が続いていることが要因。また、メディカルや半導体露光装置も好調な市況を捉えて売り上げを伸ばしており、これらの製品の良好な市場環境は下期も継続が見込まれるとしている。

■アジア投資 <8518>  303円 (+23円、+8.2%)

東証1部の上昇率2位。日本アジア投資 <8518> が急反発。日経平均株価が波乱含みに下値を探るなか、大口の買い注文を集め急動意、300円大台を回復してきた。株価は6月中旬に200円台前半から318円の年初来高値まで一気に上昇し、その後は反落と再上昇を繰り返しながら200円台後半で収れんする典型的な三角もち合いを形成していた。しかし、足もとでは煮詰まり限界から急速に投資資金が流れ込み上放れる展開に。世界的に脱炭素への取り組みが本格化するなか、菅政権では2030年度までに温室効果ガスの排出量を13年度比で46%削減する目標を掲げるが、経済産業省では30年度で太陽光発電を8760万キロワットまで増強する見通しを開示し、関連銘柄を動意づかせている。そのなか、同社は太陽光発電を中心に再生可能エネルギー投資事業に傾注、売却案件は高水準で22年3月期の業績変貌期待が大きい。株式需給面でも思惑が取り沙汰されるほか、無配ながら黒字転換となれば0.7倍台のPBRも割安感につながる。

■オプトエレ <6664>  733円 (+49円、+7.2%)

オプトエレクトロニクス <6664> [JQ]が急反発。レーザー式を主力にバーコード読み取り装置などを手掛ける。売上高の過半を海外向けで占めているが、米国では医療機器メーカー向けに同社の2次元ハンディスキャナ「L―22X」が新型コロナウイルス検査装置に採用されるなどの実績を持つ。ここ米国をはじめ海外でも新型コロナウイルスの感染拡大が警戒される状況にあり、関連有力株として再び投資資金が向かっている。また、足もとの業績も回復色が鮮明で21年11月期営業損益は10億3000万円の黒字(前期実績は3億800万円の赤字)を見込んでいる。

■ワッツ <2735>  931円 (+54円、+6.2%)

東証1部の上昇率4位。ワッツ <2735> が急反発。19日の取引終了後、21年8月期の年間配当予想について15円から22円(前期実績15円)へ増額すると発表しており、これが好感されたようだ。通期の利益見通しが期初予想を大きく上回る見込みにあるほか、足もとの業績動向などを勘案し配当予想を引き上げた。

■エプソン <6724>  1,919円 (+94円、+5.2%)

東証1部の上昇率7位。セイコーエプソン <6724> が5日ぶり急反発。キヤノン <7751> が19日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想の上方修正を発表したが、その理由の一つに在宅勤務と在宅学習の世界的な広がりを背景にインクジェットプリンターの販売が伸びていることを挙げており、同じくインクジェットプリンター大手の同社に連想買いが向かったようだ。

■大泉製 <6618>  1,179円 (+41円、+3.6%)

大泉製作所 <6618> [東証M]が大幅反発。20日は地合い悪のなか前日比6%を超える上昇で1200円台まで上値を伸ばした。6月末に1239円の年初来高値を形成しているが、その更新を射程圏に捉えている。仮にここをクリアすると2018年2月以来約3年半ぶりの高値圏に浮上する。車載用を主力に温度センサーなどを手掛けるが、中国展開を強みとする半導体設投関連のフェローテックホールディングス <6890> [JQ]の傘下に入ったことで、中国での需要開拓に期待が膨らんでいる。商用化本番の5G向けエレメントも好調で収益貢献が期待される。22年3月期は増収増益見込みで上振れも視野に。

■ニコン <7731>  1,001円 (+29円、+3.0%)

ニコン <7731> が全般軟調相場のなか5日ぶり反発。同社はデジタルカメラと半導体露光装置を両軸とし、一眼レフカメラでキヤノン <7751> と双璧をなす。そのキヤノンは前日19日に通期見通しの大幅上方修正を発表、上振れの要因としてカメラや半導体露光装置の販売好調をあげたことから、ニコンに決算期待の先回り買いが向かったようだ。また同社は20日、シャープ <6753> とバイオミメティクス(生物模倣)の技術実装に関する共同開発契約を締結したと発表しており、同技術の実用化に向けた今後の展開にも期待が高まる。

■GAテクノ <3491>  1,979円 (+52円、+2.7%)

GA technologies <3491> [東証M]が続伸。20日午前10時ごろ、子会社イタンジが提供する、不動産賃貸業務のDXサービス群「ITANDI BB+」の顧客管理・自動物件提案システム「ノマドクラウド」で「電子受付機能」の利用ができるようになったと発表しており、これが好材料視された。賃貸不動産仲介店舗では、来店した入居希望者の個人情報や、部屋の希望条件などを「来店カード」と呼ばれる用紙に記入してもらうのが一般的で、そこに記入された情報は、用紙そのものを保管もしくは店舗スタッフがシステムに手入力するなどの方法で管理されていた。そのため、事前のWebからの問い合わせや再来店の顧客情報はリアルタイムで把握することが困難だったが、今回、「電子受付機能」が利用できるようになったことで、顧客情報の一元管理を更に推進し、今後のコミュニケーションや物件提案を円滑に行うことが可能になるとしている。

■極東産機 <6233>  623円 (+15円、+2.5%)

極東産機 <6233> [JQ]が反発。20日午後1時ごろ、建築業界向けクラウドツール「Goolip(グーリップ)」を10月に提供開始すると発表。Goolipは「低価格なのに高機能」をコンセプトに開発された、建築業界向け見積・請求管理クラウドツール。出力帳票に近い画面デザインで初めて利用する人でも簡単に操作が可能であることに加えて、複雑な建築工事案件を一元管理できるほか、原価管理や購買、経営分析に有用なデータ集計など、多彩な機能を搭載しているのが特徴という。

■ジェイリース <7187>  1,621円 (+28円、+1.8%)

ジェイリース <7187> が反発。19日の取引終了後、GA technologies <3491> [東証M]子会社のイタンジが提供する不動産関連電子契約システム「電子契約くん」とのAPI連携に向けて、開発を開始したと発表しており、これが好材料視された。ジェイリースでは、19年11月から基幹システムとイタンジの入居オンラインシステム「申込受付くん」とのAPI連携を行っているが、今回の「電子契約くん」と連携が実現することで、賃貸住宅の入居申し込みから契約までの手続きが、よりスピーディーにオンラインで完結させることが可能になるとしている。

■KOA <6999>  1,608円 (+25円、+1.6%)

KOA <6999> が反発。19日の取引終了後、集計中の第1四半期(4-6月)連結業績について、売上高が149億4000万円から159億6400万円(前年同期比45.8%増)へ、営業利益が10億円から19億2400万円(同5.0倍)へ、純利益が6億9000万円から14億1600万円(同9.7倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好材料視された。日本や欧州地域における産業機器用途向けなどの販売が好調だったことや、ドル及びユーロの為替レートが想定より円安で推移したことなどが寄与した。

■Sansan <4443>  8,110円 (+120円、+1.5%)

Sansan <4443> が反発。19日の取引終了後、投資有価証券を売却したのに伴い、22年5月期第1四半期業績に投資有価証券売却益9億7900万円を計上すると発表しており、これが好材料視された。保有するウイングアーク1st <4432> 株式の一部を売却したことに伴い計上するもので、営業外収益または特別利益に計上する予定という。

■オンコリス <4588>  1,287円 (+15円、+1.2%)

オンコリスバイオファーマ <4588> [東証M]が7日ぶり反発。19日の取引終了後、開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬「OBP-2011」について、治験薬製剤のGMP製造をアステナホールディングス <8095> 傘下のスペラファーマに委託することで基本合意したと発表しており、開発の進捗を好感した買いが入ったようだ。「OBP-2011」は、経口投与が可能な新型コロナ治療薬として開発が進められているもので、これまでに行われた前臨床試験によって新型コロナ変異株や重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東型呼吸器症候群(MERS)ウイルスに対する効果が確認されている。同社では、2022年上半期までに同治療薬の前臨床試験と治験薬製剤のGMP製造を完了し、その後早急に臨床試験の開始を目指すとしている。

※20日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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