来週の株式相場に向けて=お盆明け視野に「経済対策関連」など注目も
依然として、東京市場は日経平均株価の上値が重くもたつく一方、米国市場は史上最高値圏で堅調な展開が続く。
注目を集める第1四半期(4~6月)決算に関しては、「好調な滑り出し」との見方が出ている。国内有力証券では、約3分の1の企業の決算が終わった7月末時点で「製造業の8割が経常利益コンセンサスを上回った」との分析結果を明らかにした。足もとの日経平均採用銘柄の平均PERは13.1倍と割安感も出ている。
しかし、全体相場を買い上がるまでには至らない。これは、国内での新型コロナウイルス変異種(デルタ株)の感染拡大と秋に向けた政治要因への不安が連動している面が大きいだろう。8日には東京オリンピックが終わるが今後、菅政権に対する支持率の世論調査がどんな数字を示すかがポイントとなる。
お盆の夏休みを経て、8月後半から秋に向けては政治ファクターに左右される局面となる。そんななか、8月中旬にも30兆円規模とも予想される「追加経済対策」の概要が明らかになるとの観測もある。ライト工業<1926>のような国土強靭化関連株のほか、イーレックス<9517>のような環境関連、NTTデータ<9613>のようなデジタルトランスフォーメーション(DX)関連などが、経済対策関連株として注目される可能性がありそうだ。
更に、アウトドア関連のアルペン<3028>やグローブライド<7990>が好業績発表で急騰した。時期的にもキャンプ関連などは、旬のテーマとして物色されることもあり得る。スノーピーク<7816>やヒマラヤ<7514>などマークしておきたい。
来週は、海外では11日に米7月消費者物価、12日に米7月生産者物価が発表される。東京市場は9日が振替休日で休場。11日に7月工作機械受注、12日の早朝にMSCIの定期入れ替え発表がある。決算発表は終盤を迎える。10日にソフトバンクグループ<9984>、11日に楽天グループ<4755>やSMC<6273>、12日に東芝<6502>やリクルートホールディングス<6098>、13日に富士フイルムホールディングス<4901>やENEOSホールディングス<5020>などが予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは2万7500~2万8500円。(岡里英幸)