前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
■フィスコ <3807> 236円 (+50円、+26.9%) ストップ高
フィスコ <3807> [JQG]がストップ高。8月31日の取引終了後、21年12月期業績予想の修正を発表した。純利益を8億7300万円から56億8400万円(前期6600万円)へ大幅増額しており、これを好材料視した買いが向かった。同社の持ち分法適用会社であるZaif Holdings(ZaifHD)に対してCAICA <2315> [JQ]が行う株式交付に申し込んだことに伴い、48億5300万円の特別利益が発生する見込みとなったことが要因。これにより、ZaifHDはフィスコの持ち分法適用会社から外れる。なお、売上高については10億9400万円から11億2900万円(前期比0.9%増)へ、営業利益も9100万円から1億2500万円(同2.0倍)へそれぞれ引き上げた。個人向けサービスである「クラブフィスコ」の売り上げが引き続き伸長しているほか、費用削減施策などが奏功した。
■トミタ電機 <6898> 1,762円 (+300円、+20.5%) ストップ高
トミタ電機 <6898> [JQ]がストップ高。8月31日の取引終了後、22年1月期業績予想の上方修正を発表。営業利益を1200万円から1億600万円(前期1億2900万円の赤字)へ増額した。売上高見通しも12億4400万円から14億7900万円(前期比36.7%増)へ引き上げた。第2四半期において中国市場の情報通信向けの需要が大幅に拡大し、国内外で設備関連需要に回復が見られたことや半導体製造装置向けが好調に推移したことを踏まえ、今後の需要動向も勘案して通期見通しを見直した。
■明和産 <8103> 547円 (+80円、+17.1%) ストップ高
東証1部の上昇率2位。明和産業 <8103> がストップ高。化学品や樹脂を主力に扱う三菱系商社で足もとの業績は会社側想定を上回って好調に推移している。8月31日取引終了後に22年3月期業績の修正を発表、最終利益は従来予想の18億円から20億円に増額した。また今期配当について、従来無配としていた上期配当を47円(前年同期は無配)とし、下期配当は従来計画の22円から68円に大幅増額することを発表、年間配当は115円(前期実績は15円)と急増する。これがポジティブサプライズとなり株価を押し上げた。なお同日、インドネシアにおけるニッケル精錬技術支援事業にかかわるコンサルティングに関する提案申請が採択されたこともあわせて発表している。
■リビングPF <7091> 5,490円 (+705円、+14.7%) ストップ高
リビングプラットフォーム <7091> [東証M]がストップ高し連日で上場来高値を更新。8月31日の取引終了後、北海道で5施設の介護施設を運営するブルー・ケア(札幌市中央区)の全株式を10月1日付で取得し子会社化すると発表。リビングPFグループは現在、北海道内で11施設565室の介護施設を運営しているが、ブルー・ケアの子会社化により売り上げ向上やドミナント戦略の強化など、グループの成長に大きく寄与すると判断したという。なお、22年3月期業績への影響は現在精査中としている。
■VTHD <7593> 586円 (+47円、+8.7%)
東証1部の上昇率4位。VTホールディングス <7593> がマドを開けて大幅高に買われ、年初来高値を更新。2018年7月以来約3年2ヵ月ぶりの高値をつけた。ホンダ・日産系の自動車ディーラーで中古車も展開する。業績は新車販売、中古車ともに会社側の想定を上回る好調で推移しており、22年3月期業績については、営業利益段階で従来予想の80億円から86億円(前期比11.5%増)に上方修正している。PER6倍前後、配当利回り3.8%台と指標面から割安感が強い。一方、業容拡大に積極的でM&A戦略を推進しているが、「スーパーセブン」を生産する英ケータハムの子会社化で、スポーツカーの販売強化により同社の成長が後押しされる可能性がある。
■シンバイオ <4582> 1,123円 (+51円、+4.8%)
シンバイオ製薬 <4582> [JQG]が大幅反発。1日午後0時40分ごろ、シンガポール国立がんセンターと共同研究契約を締結したと発表。この研究は、抗ウイルス薬ブリンシドフォビル注射剤のエプスタイン・バール・ウイルス陽性リンパ腫に対する作用機序の解明を目的としており、新たな治療方法の開発につなげていく方針。
■東洋エンジ <6330> 931円 (+40円、+4.5%)
東洋エンジニアリング <6330> が大幅反発。業績は回復トレンドにあり、21年4-6月期営業利益は前年同期比3.2倍の18億2300万円を達成、22年3月期通期では前期比55%増の25億円を見込む。アンモニアやバイオマスなどのプラントで高実績を有し、脱炭素関連の有力銘柄としてもマーケットの注目を集めている。直近では、前週8月26日に新潟県でバイオマス発電所建設プロジェクトを受注したことを発表している。
■パーク24 <4666> 2,205円 (+82円、+3.9%)
パーク24 <4666> が大幅反発。8月31日の取引終了後、韓国で時間貸し駐車場の運営を手掛ける持ち分法適用関連会社GSPARK24の全株式を譲渡することに伴い、特別利益を計上する見込みになったと発表。譲渡先はGSPARK24の合弁相手で、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ホテルなどをチェーン展開するGSリテール。会社側では、連結決算における影響額は今回の持ち分法除外にかかる連結調整のため現在精査中としている。
■王子HD <3861> 598円 (+22円、+3.8%)
王子ホールディングス <3861> が大幅反発。1日、ネスレ社マレーシアで、海洋プラスチックごみの課題解決に向けた取り組みとして、MILO製品のパッケージ素材に同社製品がプラスチック代替として採用されたと発表。なお、今回の採用により、ネスレ社による同社紙製品の採用は3ヵ国目となる。
■アトラエ <6194> 2,830円 (+92円、+3.4%)
アトラエ <6194> の上値指向鮮明、1日でついに9連騰となり2週間ぶりに年初来高値を更新した。デジタル庁発足を契機に官民を挙げてのデジタルトランスフォーメーション(DX)投資が加速する。デジタルシフトはシステム開発や運用などのインフラ面にとどまらず、それを利活用しビジネスに浸透させるまでが重要であり、人材面の充実も必要となる。今後IT人材に対する需要が高まることが予想されるなか、IT・エンジニア向け求人メディア「Green」を運営する同社の商機拡大に期待が高まっている。21年9月期の営業利益は5億円見通しながら、第3四半期時点で9億6300万円に達しており、これを大幅に超過している。業績上方修正が濃厚視されるうえ、22年9月期についても利益成長トレンドの継続が見込めるとの見方が買いを誘導している。
■丸和運輸機関 <9090> 1,500円 (+43円、+3.0%)
丸和運輸機関 <9090> が3日続伸。8月31日の取引終了後、ANAホールディングス <9202> 傘下の貨物事業中核会社であるANA Cargo(東京都港区)と業務提携契約を締結したと発表。今回の提携は、空陸一貫物流サービスを構築し、新たな物流サービスの拡充を図るのが狙い。契約に基づき、生鮮品の産地直送航空輸送の商流拡大・共同マーケティング、緊急対応可能な輸送体制構築、付加価値商材の航空輸送への切り替えなどの検討を進めるとしている。
■ブレインP <3655> 5,430円 (+140円、+2.7%)
ブレインパッド <3655> が5連騰と上昇トレンドを加速。8月13日にマドを開けて買われた後にいったん調整を入れたが、下ヒゲでマドを埋めた同月18日を境に一気に上値追い態勢を強めている。ファンド系資金の売り買い対象となりやすい銘柄だが、18日以降は前日31日まで10営業日連続で陽線を続けており、短期トレーダー主導ではなく継続的な実需買いが流入していることを示唆している。同社は人工知能(AI)を活用したデータ分析を武器に顧客企業の経営を支援するコンサルティング事業を展開しAI人材も豊富、デジタル庁発足に伴いデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の有力株として注目度が高まっている。
■日経レバ <1570> 15,320円 (+380円、+2.5%)
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が3連騰、フシ目の1万5000円台を大きく回復してきた。日経平均株価にリンクさせたETFで価格変動率は日経平均の2倍に設定されている。ここにきて、全体相場が急速に戻り足を強めており、それに追随する形となった。8月は日経平均が乱調展開を示したこともあり、日経レバの信用買い残の整理が進捗、直近データでは買い残が大幅に減少しており需給関係が改善している。一方、日経平均とは逆方向に連動するNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 <1357> [東証E]の方は3日続落。こちらは日経平均が下げ局面の時に上昇する仕組みに組成されたETFで、ここにきて相場の地合いが強気に傾いていることから下落トレンドにある。日経Dインバの方は直近信用買い残が増勢で、信用売り残が減少する動きにあった。
■サンフロ不 <8934> 1,171円 (+27円、+2.4%)
サンフロンティア不動産 <8934> が反発。1日午前11時ごろ、ロボティクス×AIで社会課題の解決を目指すセンシンロボティクス(東京都渋谷区)と、不動産業界における攻めのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関して資本・業務提携したと発表。今回の提携により、センシンロボが運用する現場の情報を360°パノラマVRで管理できるクラウドアプリケーション「SENSYN 360」と、サンフロ不が持つ都心・中小型オフィスビルに関する現場ナレッジを掛け合わせることで、建設、プロパティマネジメント、ビルマネジメント領域における遠隔管理コラボレーションツールを共同開発する。また、センシンロボの高度なAI技術と、サンフロ不が保有する膨大な不動産の各種点検履歴を活用したAI開発も行うとしている。なお、資本提携は、センシンロボが第三者割当増資により新株式を発行し、サンフロ不がその総数を引き受けたという。
■三菱UFJ <8306> 607.5円 (+13.1円、+2.2%)
三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> などメガバンクや第一生命ホールディングス <8750> など大手生保株が堅調。前日31日の米国株市場ではNYダウなど主要株指数は軟調だったものの、シティグループ <C> 、バンカメ <BAC> など大手金融株の一角は堅調に推移した。米10年債利回りが再び上昇に転じており、終値ベースで1.3%台を回復、運用環境の改善思惑が追い風となっている。これを受けて、東京市場でも米国事業を展開する大手金融セクターは買いが優勢。特にPERの割安さと配当利回りの高さに機関投資家が着目する動きがあるようだ。
■センコーHD <9069> 989円 (+21円、+2.2%)
センコーグループホールディングス <9069> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は31日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」を継続するとともに、目標株価を1300円から1450円に引き上げた。今来期の好調な利益モメンタムを評価している。同証券では22年3月期の連結営業利益を従来予想の249億5000万円から267億5000万円(会社予想246億円)に引き上げた。(1)第1四半期(4-6月)は新規案件の寄与もあり住宅を除く物流事業の全産業向け売り上げが、20年3月期水準を超えたこと(2)第1四半期の営業利益率は5.7%と18年3月期から20年3月期の同期平均の4.1%を上回ったこと(3)第1四半期の業績トレンドは継続が見込めること――などを指摘。23年3月期の同利益予想も263億円から289億円に引き上げている。
■光通信 <9435> 19,630円 (+360円、+1.9%)
光通信 <9435> が続伸。SMBC日興証券は31日、同社株の投資評価の「1」を継続した。目標株価は2万8000円(従来2万9000円)とした。同証券では「電力の収益安定化が確認されることで、株価評価も改善しよう」と予想している。同社が手掛ける電力事業に絡み、株価は1月の電力価格高騰以降、低迷していることを指摘。ただ、同社は獲得コストを削減して電力の最終的な利回りを確保して、調達方法も多様化していることから、今下期に営業増益が確認されることで、電力のディスカウントは解消されて株価評価も回復する、とみている。
■テレ東HD <9413> 2,119円 (+38円、+1.8%)
テレビ東京ホールディングス <9413> が反発。8月31日の取引終了後、同社グループが52.6%の株式を保有し、アニメ専門のCS放送「AT-X」を運営するエー・ティー・エックス(東京都港区)の株式を追加取得し、完全子会社化したと発表。今回の完全子会社化により、テレビ東京グループの成長戦略の柱であるアニメビジネスを機動的に展開することが可能となる。これまでエー・ティー・エックスはCS放送を中心に独自のアニメビジネスを手掛けてきたが、今後はテレビ東京との連携を密にしながら、CS放送だけではなくライツ事業を含めた多角的なアニメビジネスをスピーディーに進めるとしている。なお、同件による22年3月期業績への影響は軽微としている。
■JMDC <4483> 7,660円 (+120円、+1.6%)
JMDC <4483> [東証M]が4日続伸。8月31日の取引終了後、医師向けプラットフォームを運営するアンター(東京都中央区)の全株式を取得し子会社化すると発表。アンターをグループに取り込むことで、アンターのプラットフォーム上に集った医師に対して、JMDCグループのさまざまなヘルスデータやサービスを提供することで、医師ネットワークの更なる拡大やコミュニティーの活性化を後押しするとともに、アンターに集まる医療現場の知見とJMDCの持つリアルワールドデータによる観察的研究の融合を進めるとしている。
■三栄建築 <3228> 1,914円 (+30円、+1.6%)
三栄建築設計 <3228> が続伸。8月31日の取引終了後、同社及び子会社のMAIが、ケネディクス(東京都千代田区)が開始する賃貸用戸建住宅を投資対象とするファンドへ商品を供給することで基本協定書を締結したと発表。同協定の締結により、戸建分譲事業におけるエンドユーザー以外の新規販売先の創出につなげるのが狙い。年間供給目標額は100億円としている。
■ジャスト <4686> 6,600円 (+100円、+1.5%)
ジャストシステム <4686> が4日続伸。1日、小中学校向け学習クラウド「スマイルネクスト」の提供を開始したと発表。「スマイルネクスト」は、教師のICT活用指導力を高める略案や教材をセットにした「授業パッケージ」や、児童生徒の基礎学力と情報活用能力を育成する「アプリ・教材」を多数搭載しているのが特徴。誰でも毎日直感的に使える操作性と性能を追求していることなどが評価され、栃木県那須塩原市、千葉県鎌ケ谷市、埼玉県秩父市など既に多くの自治体で採用が決定しているという。
■サイバダイン <7779> 452円 (+6円、+1.4%)
CYBERDYNE <7779> [東証M]が反発。8月31日の取引終了後、スマートフォン向けヘルスケアアプリ「熟睡アラーム」を開発・運営するC2(東京都文京区)の全株式を取得し子会社化したと発表。C2の「熟睡アラーム」は、ダウンロード数320万以上、アクティブユーザー月30万人を抱えるほか、蓄積された睡眠データが7500万件以上に及ぶヘルスケアアプリ。サイバダインは、主力の装着型サイボーグHALに加えて、疾病の予防・早期発見を目的とした小型バイタルセンサーの開発・多機能化を推進していることから、同社のデバイスとC2のヘルスケアアプリとの連携、特に「熟睡アラーム」のユーザー基盤の活用により、グループのヘルスケア分野での事業加速・企業価値の向上が見込まれると判断したという。取得価額は非開示。なお、22年3月期業績への影響は現在精査中としている。
■明電舎 <6508> 2,484円 (+26円、+1.1%)
明電舎 <6508> が5日続伸。8月31日の取引終了後、未定としていた22年3月期の配当予想について中間配当を25円にすると発表。前年同期の20円に対しては5円の増配になる予定だ。なお、期末配当予想は引き続き未定としている。
■日本管財 <9728> 2,684円 (+28円、+1.1%)
日本管財 <9728> が3日続伸。8月31日の取引終了後、給与計算や労務管理業務を受託するネオトラスト(東京都台東区)の全株式を取得し子会社化したと発表。ネオトラストの事業領域をサービスメニューに加えることで、グループにおけるシナジーや新たな収益機会の創出を図るのが狙い。なお、同件による業績への影響は軽微としている。
※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース