話題株ピックアップ【昼刊】:フロンテオ、NTT、日本郵政

注目
2021年10月26日 11時37分

■FRONTEO <2158>  2,554円  +300 円 (+13.3%)  11:30現在

FRONTEO<2158>は急反発で年初来高値を更新。25日の取引終了後、同社が開発したAIレビューツール「KIBIT Automator」をマイクロソフト<MSFT>が提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上で提供開始すると発表しており、これが好材料視されている。「KIBIT Automator」は、米国民事訴訟の公判手続きで必要となる証拠開示(ディスカバリ)のなかでも特に、電子証拠開示(eディスカバリ)における文書レビュー作業の効率向上、作業担当者の負荷軽減、費用削減を目的として開発されたAIツール。今回、「Microsoft Azure」上で稼働させることにより、Azureのクライアントが米国の民事訴訟や法規制調査に巻き込まれた際、あるいはコンプライアンス違反の調査、監査が必要となった時に、事業のダウンタイムを引き起こすことなく短期間でディスカバリを終えることが可能になるという。また、案件の規模に応じてプロジェクトの大きさも拡張・縮小できるため、コストの最適化にもつながるとしている。

■日本電信電話 <9432>  3,267円  +167 円 (+5.4%)  11:30現在  東証1部 上昇率9位

NTT<9432>が3日ぶりに反発している。同社は25日取引終了後に、グループの中期経営戦略を見直すと発表。24年3月期の1株当たり利益(EPS)目標を現在の約320円から370円(22年3月期予想は302円)に引き上げたことなどが好感されているようだ。新目標ではコスト削減(17年度からの累計削減額)についても、1兆円以上(現在の目標は8000億円以上)とした。「国内/グローバル事業の強化」「新たな経営スタイルへの変革」「企業価値の向上」を新たな戦略としてビジネスを展開するとしている。

■日本郵政 <6178>  877.6円  +40.2 円 (+4.8%)  11:30現在

日本郵政<6178>が3%を超える上昇で7日ぶり反発に転じた。政府保有株式の売り出し実施(国内外で10億2747万株強)で株式需給が緩むことへの懸念が売りを誘い、10月中旬以降急速に水準を切り下げる展開にあった。前日は売り出し価格決定を前に大きく売り込まれたが、財務省は前日取引終了後に、同社株の同日終値から2%ディスカウントされた1株820円60銭に決めたことを発表。売り出し価格の決定で不透明感が払拭され、先高を見込んだ買いが流入している。なお、同社株の売買代金は全上場企業を通じて断トツとなっている。

■日本冶金工業 <5480>  2,828円  +118 円 (+4.4%)  11:30現在

日本冶金工業<5480>が続伸している。きょう付の日刊工業新聞で、「『都市鉱山』のリサイクル原料を使うニッケル生産量を月400トンへと現状比倍増する方針だ」と報じられており、これが好材料視されている。記事によると、リサイクル原料はステンレス鋼向けに自社製錬するニッケルの4割強を占めるが、将来は100%を目指すという。原料の6割弱を担う輸入鉱石の調達リスクを回避するのが狙いで、大江山製造所(京都府宮津市)の保管施設や自動破砕機を22年度までに整備するほか、不純物除去技術も確立するとしている。

■しまむら <8227>  9,730円  +330 円 (+3.5%)  11:30現在

しまむら<8227>が反発している。25日の取引終了後に発表した10月度(9月21日~10月20日)の月次売上速報で、既存店売上高は前年同月比9.5%減と2カ月ぶりに前年実績を下回ったが、織り込み済みとの見方が強い。前年よりも気温が大幅に高く推移したことで、トレーナーやジャケットなどのアウター衣料と肌着や毛布などの実用商品で冬物の売り上げが前年実績を下回ったという。ただ、ニットやブーツなどの婦人のトレンド商品はインフルエンサー企画を中心に売り上げを伸ばしたほか、新規に品揃えした美容雑貨は売り場とチラシでの打ち出しが奏功して売れ筋商品となったとしている。なお、全店売上高は同9.8%減だった。

■日本トムソン <6480>  578円  +19 円 (+3.4%)  11:30現在

日本トムソン<6480>に継続的な買いが流入、上値追いが鮮明となってきた。国内外で半導体需給が逼迫するなか、韓国のサムスンや台湾のTSMC<TSM>など半導体メーカー世界大手が先を競って半導体設備投資を増強する動きを強めている。そのなか、半導体製造装置向けで旺盛な需要がある直動案内機器を手掛ける同社の商機拡大にマーケットの視線が向いている。半導体の微細化・高集積化が進むなか、高精度、高速性、耐熱性などの厳しい要求性能に対応した商品が求められるなか、同社は国内で初めてニードルベアリングを自社技術で開発した企業として技術力に定評があり、直動案内機器もその技術を生かした製品技術でニーズに対応している。22年3月期業績は大幅増収効果で営業損益は35億円(前期実績は5億5900万円の赤字)と大幅黒字化を予想するが、市場では更なる増額の可能性が指摘されている。

■サムティ <3244>  2,471円  +70 円 (+2.9%)  11:30現在

サムティ<3244>が6日続伸で年初来高値を更新してきた。同社は25日取引終了後、筆頭株主である大和証券グループ本社<8601>を割当先とする第三者割当により第2回無担保転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行し、差引取引概算額119億2400万円を調達すると発表しており、材料視されている。サムティでは調達資金をホテル開発プロジェクトへの投資に充当する方針。CBが全て株式に転換された場合、大和証券グループ本社の持ち株比率は28.40%から34.31%に上昇する見通し。また、サムティは大和証券グループ本社と既に資本・業務提携を締結しているが、業務提携の内容に不動産小口化商品組成に関する協働、及びセキュリティ・トークン・オファリングに関する協働を今回追加することも発表している。

■三菱マテリアル <5711>  2,266円  +57 円 (+2.6%)  11:30現在

三菱マテリアル<5711>が5日ぶりに反発。同社は25日取引終了後、保有する上場有価証券1銘柄を売却し、投資有価証券売却益203億円が発生したと発表しており、材料視されている。売却益の発生期間は8月31日から10月25日までで、資産の効率化及び財務体質の強化を図る目的。22年3月期第2四半期(4~9月)に170億円、同第3四半期(4~12月)に33億円の特別利益をそれぞれ計上する予定であり、業績に与える影響については精査中としている。

■ソフトバンクグループ <9984>  6,525円  +138 円 (+2.2%)  11:30現在

ソフトバンクグループ<9984>は目先買い戻し優勢となり反発に転じた。前日の米国株市場ではNYダウが連日で最高値更新となったほか主要株指数が揃って上昇、ハイテク株比率が高いナスダック総合指数も上値指向で最高値を視界に捉えている。米ハイテク株に積極投資する同社はナスダック市場の上昇は追い風となる。一方、同社はアリババ<BABA>をはじめ中国のネット系企業への投資にも注力しているが、最近は中国不動産大手の恒大集団の経営破綻懸念などを背景に買いが手控えられやすい状況にあった。ただ直近では、恒大集団は猶予期限を迎えた米ドル債の利払いを実施するなど、ひとまずデフォルトは回避されたこともあって過度な不安心理が後退、中国上海株市場も75日移動平均線を上回る水準での推移を続けており、これはソフトバンクGの株価にもポジティブ材料として働いている。

■ウェルスナビ <7342>  3,300円  +65 円 (+2.0%)  11:30現在

ウェルスナビ<7342>は3日続伸している。25日の取引終了後、大光銀行<8537>と対面とオンラインを融合させたハイブリッド型の投資一任サービス「たいこうNavi」の提供を開始したと発表しており、これが好材料視されている。「たいこうNavi」は、ウェルスナビが世界水準の資産運用プラットフォームを提供し、大光銀行の行員が「長期・積立・分散」による資産運用の開始や継続を対面でサポートするサービスとしている。

■トレンドマイクロ <4704>  6,470円  +110 円 (+1.7%)  11:30現在

トレンドマイクロ<4704>は続伸で年初来高値を更新。25日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、最終利益を288億円から341億円(前期比26.7%増)へ上方修正したことが好感されている。売上高は1834億円(同5.4%増)、営業利益は409億円(同3.6%増)の従来見通しを据え置いたが、持ち分法適用関連会社株式の売却に伴い第4四半期業績に特別利益を計上することが最終利益を押し上げるという。

■日清製粉グループ本社 <2002>  1,799円  +28 円 (+1.6%)  11:30現在

日清製粉グループ本社<2002>は5日ぶりに反発している。傘下の日清フーズが25日、22年1月4日の納品分から、小麦粉などの家庭用製品の価格を3~6%値上げを実施すると発表したことから、業績への寄与を期待した買いが入っている。引き上げ幅は小麦粉製品で3~6%、ミックス製品で4~6%、パン粉やその他製品で3~4%。また22年2月1日の納品分から、乾麺6%、パスタ、パスタソース製品3~9%、冷凍食品4~7%、製品価格をそれぞれ引き上げる。輸入小麦の政府売り渡し価格が10月1日に改定されたほか、一般原料や人件費なども上昇しており、これらの価格変動は企業努力だけでは吸収できないとして値上げに踏み切るとしている。

■積水化学工業 <4204>  1,787円  +13 円 (+0.7%)  11:30現在

積水化学工業<4204>が前日終値を挟んで売り買い交錯。同社は25日取引終了後、集計中の22年3月期第2四半期(4~9月)連結売上高が5483億円から5479億円(前年同期比11.8%増)へ当初計画を下回る見込みであるものの、営業利益は317億円から355億円(同58.5%増)へ上回る見通しに、また、純損益に関しては特別損失の発生により、259億円の黒字から39億円の赤字(前年同期は130億3200万円の黒字)となる見込みであると発表した。これを受け、最終赤字転落を嫌気した売りと、悪材料出尽くしとみる向きや直近での急落後の買い戻しが交錯する形となっているようだ。各セグメントにおいて原材料、部材価格の高騰は想定以上であったとしたものの、高機能プラスチックスカンパニーにおける高機能品の拡販、全セグメントにおける売り値改善、コスト削減などにより、営業利益は当初の会社計画を上回る見込み。一方、米国で航空機向け炭素繊維強化プラスチック(CFRP)など複合材成型品の開発・製造・販売を行っている子会社セキスイ・エアロスペース・コーポレーション・グループについて、航空機産業における市況回復時期の見直しを行った結果、減損損失495億円を計上する見込みであり、純損益が赤字に転落する見通しになったとしている。

■グリムス <3150>  2,730円  +15 円 (+0.6%)  11:30現在

グリムス<3150>が続伸している。25日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が93億8100万円から104億200万円(前年同期比25.0%増)へ、営業利益が15億1100万円から19億1800万円(同18.9%増)へ、純利益が10億円から13億2400万円(同17.8%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。小売電気事業やエネルギーコストソリューション事業が順調に進捗していることが要因としている。

■日本電産 <6594>  12,590円  +45 円 (+0.4%)  11:30現在

日本電産<6594>は売り買い交錯の展開となっている。精密小型モーター大手でHDD用では世界トップシェアを誇るほか、最近は車載向けに注力し、売り上げ規模は精密小型モーターに肉薄している状況。業績は好調で22年3月期通期営業利益は前期比13%増の1800億円を見込むがなお保守的との見方がある。きょう中間期の決算発表を控えており、その内容に市場の関心が集まっている。また、前日の米国株市場ではテスラ<TSLA>が13%高と急騰、連日で上場来高値を更新し、時価総額1兆ドル超えを果たした。EV用駆動モーターに戦略的に力を入れる日電産は、テスラとの株価連動性も高く足もとの株価に追い風として意識される。

●ストップ高銘柄

SDSホールディングス <1711>  393円  +80 円 (+25.6%) ストップ高   11:30現在

シーズメン <3083>  461円  +80 円 (+21.0%) ストップ高   11:30現在

以上、2銘柄

●ストップ安銘柄

グローバルウェイ <3936>  6,590円  -1,500 円 (-18.5%) ストップ安   11:30現在

以上、1銘柄

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