前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年12月8日 5時30分

■サッポロHD <2501>  2,315円 (+72円、+3.2%)

サッポロホールディングス <2501> が3日続伸。同社は7日正午ごろ、グループ企業であるサッポロビールが販売する「サッポロ生ビール黒ラベル」の缶商品の販売数量が、7日の出荷をもって前年の年間販売数量を超え、7年連続での売上アップを達成したと発表した。同社では「すでにご愛飲いただいているお客様に加え、昨年に引き続き20代・30代の支持が高まっていることも好調要因のひとつとなっています」としている。

■キヤノン <7751>  2,615.5円 (+80.5円、+3.2%)

キヤノン <7751> が反発。7日付の日本経済新聞朝刊で「暗闇でも高画質でカラー撮影できる画像センサーを開発した」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、デジタルカメラに使われるCMOSセンサーがぎりぎり感知できる明るさの10分の1程度の微弱な光まで認識でき、肉眼で何も見えない状況でも鮮明に撮れるという。22年後半にも量産を開始し、キヤノン製の防犯カメラに搭載して23年にも市場に投入するとしている。

■JR東日本 <9020>  7,225円 (+219円、+3.1%)

JR東日本 <9020> が3日続伸。25日移動平均線上に株価を浮上させてきたほか、JR西日本 <9021> も上値指向となった。このほか東急 <9005> 、京浜急行電鉄 <9006> 、京成電鉄 <9009> など電鉄株が総じて上昇している。新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の感染拡大による人流抑制の動きが警戒されたが、重症化しにくい傾向もあり、米国では景気敏感株へのショートカバーが活発化している。東京市場でも電鉄株は空売り筋の対象となりやすかったが、目先その反動で戻り足をみせる銘柄が多くなっている。

■長瀬産 <8012>  1,823円 (+55円、+3.1%)

長瀬産業 <8012> が5日続伸。同社は6日取引終了後、金属有機構造体(Metal-Organic Framework、以下「MOF」)を設計・製造する京都大学発のスタートアップ企業、Atomis(京都市上京区)と資本・業務提携を締結したと発表した。MOFは金属イオンと有機分子が特殊な配列で並び、ナノレベルの小空間を多数構成する有機無機ハイブリッド材料。提携では、長瀬産のネットワークを生かしたMOFの早期社会実装を目標にしており、長瀬産はMOFの機能による顧客製品の高付加価値化と工場などで排出される二酸化炭素の分離回収に向けた技術開発を推進するとしている。

■SMC <6273>  76,120円 (+2,120円、+2.9%)

SMC <6273> が反発。その他、ファナック <6954> 、キーエンス <6861> などFA関連株やツガミ <6101> 、牧野フライス製作所 <6135> といった工作機械株に買いが集まった。中国人民銀行が6日に預金準備率の0.5%引き下げを発表した。世界的にインフレ警戒から金融引き締め方向への動きが意識されるなかで、この金融緩和措置はサプライズとなったが、これにより中国景気が改善するとの思惑が株式市場にはポジティブ材料として働いている。中国の金融機関が融資に回せるお金が増えることで、企業の設備投資を後押しする効果が期待され、東京市場では中国向け売上比率の高い設備投資関連銘柄の株価を刺激した。

■JMDC <4483>  8,010円 (+200円、+2.6%)

JMDC <4483> が反発。6日の取引終了後、12の検査項目でカラダの健康状態が分かる指標「健康年齢」を保険薬局向けに提供を開始すると発表しており、これが好感された。「健康年齢」は、JMDCが保有する約160万人の匿名化された健診データと医療費をもとにモデル開発を行い、地域の健康サポートや健康増進など医療現場のさまざまな取り組みで利用されているサービス。この「健康年齢」のレポートを、薬局で行う健康サポート業務と合わせて活用することで、科学的根拠に基づいたより細かな支援を実現して、地域の人々の日常生活や生活習慣病予防、受診などの意識・行動変容につなげる役割を果たすとしている。なお、提供は子会社ユニケソフトウェアリサーチが行う。

■北越コーポ <3865>  812円 (+20円、+2.5%)

北越コーポレーション <3865> が3日続伸。6日の取引終了後、22年1月21日出荷分から印刷・情報用紙、特殊紙、白板紙を値上げすると発表しており、これが好材料視された。値上げ幅は15%以上。コロナ禍で印刷・情報用紙の需要は約2割減少し、生産数量の減少による固定費負担の増大をもたらしていることに加えて、直近の原燃料価格の急騰及び物流費の高騰により、企業の自助努力だけでは再生産可能な収益を確保することが困難な状況となったことが要因としている。

■ブリヂストン <5108>  4,933円 (+114円、+2.4%)

ブリヂストン <5108> が5日続伸。7日午後1時ごろ、中国におけるトラック・バス用タイヤの生産拠点を遼寧省瀋陽市の工場に集約すると発表しており、これが好材料視された。広東省恵州市のトラック・バス用タイヤ工場は12月末で閉鎖する。今年2月に発表した中期事業計画の一環で、中国国内の供給体制の最適化や競争力維持を図るのが狙い。なお、同件が21年12月期業績に与える影響は軽微としている。

■NTT <9432>  3,150円 (+70円、+2.3%)

日本電信電話 <9432> が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が6日付で、投資判断「オーバーウエイト」を継続し、目標株価を3650円から3850円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、グローバル事業(GB)やITサービスの損益改善に伴う緩やかな成長を評価。株式相場の方向感が定まらないなか、リスクリワードで魅力ある銘柄との見方を継続している。また、23年3月期に政府保有株(オーバーハング分)の売り出し及び同社による自社株買いの可能性があるほか、追加の自社株買いも考えられるとしている。業績予想は、データ通信、地域通信を中心に営業利益予想を引き上げており、22年3月期を17億4500万円から18億1000万円へ、23年3月期を17億9000万円から18億8000万円へ増額した。

■ヤマトHD <9064> 2,664円 (+54円、+2.1%)

ヤマトホールディングス <9064> が上伸。子会社ヤマト運輸が6日に発表した11月度の小口貨物取扱実績(宅配便)が前年同月比9.8%増の1億9494万個となり、22ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。小型荷物「ネコポス」が18.3%増と大幅に伸長したことが牽引した。また、宅急便・宅急便コンパクト・EAZYも同8.2%増だった。

■三菱UFJ <8306>  635.1円 (+12.5円、+2.0%)

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が反発。そのほか、三井住友フィナンシャルグループ <8316> などのメガバンクや第一生命ホールディングス <8750> など生保株が堅調な値動きとなった。前日6日の米国株市場ではオミクロン株への過度な不安心理が後退したことを背景に景気敏感株中心に買い戻しが活発化したが、一方でインフレへの警戒ムードが再び意識され、米長期金利が急反発に転じた。前日終値ベースで1.433%と1.4%台を大きく回復しており、これを背景にゴールドマン・サックス <GS> やJPモルガン <JPM> など大手金融株に買いが流入する形となった。

■クラレ <3405>  1,004円 (+17円、+1.7%)

クラレ <3405> が5日続伸。6日の取引終了後、人工皮革クラリーノを来年1月出荷分から10~15%値上げすると発表しており、採算改善への期待から買われた。また7日の午前、不織布(クラフレックス)も来年1月出荷分より価格を10%以上値上げすると発表した。対象製品の主要原材料や燃料・物流費の高騰に伴うコストの上昇が、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えるためとしている。

■マクドナルド <2702>  5,050円 (+55円、+1.1%)

日本マクドナルドホールディングス <2702> [JQ]が反発。6日の取引終了後に発表した11月度の月次IRニュースで、既存店売上高は前年同月比5.4%増と17ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。期間限定メニュー「辛ダブチ」「濃厚白ダブチ」「はみトリチ」「ダブチソーセージマフィン」を販売し好評だったほか、「チキンマックナゲット15ピース」を2種類の期間限定ソースをともに特別価格390円で販売したことなども寄与した。

※7日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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