株価指数先物 【週間展望】 ―2万8000円~2万8500円辺りでのレンジ推移を想定

市況
2022年1月16日 17時00分

「2万8000円~2万8500円辺りでのレンジ推移を想定」

今週の日経225先物は、引き続き米国の金融政策の行方や企業決算の動向に影響を受けやすく、2万8000円を目先のボトムとした、2万8000円~2万8500円辺りでのレンジ推移を想定しておきたい。

14日の米国市場では12月の米小売売上高が前月比1.9%減と市場予想(0.1%減 )を大幅に下回り、改めて高インフレが消費に与える悪影響を確認する格好となった。また、JPモルガン・チェース<JPM>が発表した2021年10-12月期決算は1株利益が市場予想を上回ったほか、今後の金利上昇に伴う利ざやの拡大は追い風と見られるものの、株価は6%を超える下落だった。今週はゴールドマン・サックス・グループ<GS>やモルガン・スタンレー<MS>など金融株の決算を控えているため、東京市場においてもTOPIX型に影響を与える可能性がありそうだ。

一方で、ナスダックやSOX指数は反発し、アプライド・マテリアルズ<AMAT>、ラムリサーチ<LRCX>、KLAコーポレーション<KLAC>などが5%を超える上昇を見せるなど、半導体株の一角が買われた。14日の米国市場全体としては3連休を控えて持ち高調整に伴うリバランスがあったと考えられるものの、東京市場においてNTショート(日経225先物売り・TOPIX先物)の巻き戻しをみせてきそうだ。先週のNT倍率は先物中心限月で14日には一時14.17倍に低下し、昨年10月以来の水準まで下げてきた。NT倍率は2018年12.5倍辺りから昨年2月には15.68倍に上昇した。各国の金融緩和政策によってグロース株への資金流入が強まり押し上られた格好だったため、金融引き締めが迫るなか修正余地はなおあるだろう。

ただし、昨年来安値水準まで低下してきたことにより、いったんはNTショートの巻き戻しを想定しておきたいところだ。また、シカゴ先物は2万8300円で終えているため、日経平均株価は1月のSQ値である2万8266円57銭を上回ってくる可能性がある。14日の東京市場で一度も捉えることができず幻のSQだったため、この水準を上回ってくることでセンチメント改善につながることが見込まれる。ゴールドマン・サックスなどの決算を受けて弱い値動きとなるようだと、よりNTショートの巻き戻しに向かいやすい。

日経225先物は2万8000円をボトムに5日線が位置する2万8384円、25日線が位置する2万8598円辺りを目先的なターゲットとした押し目狙いのスタンスで対応したい。翌週以降は国内でも決算発表が本格化し、市場の関心は業績動向に移るため、成長期待の大きいハイテク株の見直しに向かわせるきっかけとなる可能性もあり、次第にショートの動きは手控えられそうである。短期的な売買が中心になることから、売り仕掛けにより2万8000円を一気に割り込む局面においては、ショートカバーを狙ったロング対応で臨みたい。

14日のVIX指数は19.19に低下した。20.00辺りに5日、25日、75日線が集中しており、強弱感が対立しやすい水準となる。依然としてボトム水準での推移ながらも、20.00を上回る局面においてはリスクオフに向わせやすく、VIX指数の動向に過剰に反応する展開には注意しておく必要があろう。

1月第1週(1月4日-7日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続で買い越しており、買い越し額は3478億円(前週は1308億円の買い越し)だった。なお、現物株は2988億円の買い越し(同1022億円の売り越し)と3週連続の買い越しであり、先物は489億円の買い越し(同286億円の買い越し)と5週連続で買い越している。個人は現物と先物の合算で84億円の買い越しで、5週ぶりの買い越しだった。もっとも、海外投資家による年初の大幅買い越しの反動が先週の弱い動きにつながっていると見られるため、今週発表の1月第2週(1月10日-14日)の海外投資家の売買動向が注目されよう。

経済スケジュールでは、17日に中国10-12月期国内総生産(GDP)、中国12月小売売上高、18日に日銀金融政策決定会合(政策金利発表)、米国1月ニューヨーク連銀製造業景気指数、19日に米国12月住宅着工件数、20日に12月貿易統計、米国1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、21日に12月全国消費者物価指数(CPI)、米国12月景気先行指標総合指数などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値

02月限 日経225 29718.77  TOPIX  1940.02

03月限 日経225 29282.41  TOPIX  1930.42

04月限 日経225 29909.73  TOPIX  1961.13

05月限 日経225 27748.22  TOPIX  1871.53

06月限 日経225 29046.40  TOPIX  1958.82

07月限 日経225 27726.72  TOPIX  1897.15

08月限 日経225 28093.15  TOPIX  1958.27

09月限 日経225 30085.93  TOPIX  2065.84

10月限 日経225 28098.14  TOPIX  1967.56

11月限 日経225 29388.47  TOPIX  2024.92

12月限 日経225 28523.30  TOPIX  1987.25

01月限 日経225 28266.57  TOPIX  1988.69

◆日経225先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

22/03 01月14日  28530  28660  27850  28190  -360

22/03 01月13日  28710  28790  28440  28550  -190

22/03 01月12日  28150  28790  28120  28740  +590

22/03 01月11日  28490  28490  28060  28150  -300

◇TOPIX先物(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

22/03 01月14日  2005.5  2011.5  1960.0  1982.0  -23.5

22/03 01月13日  2017.0  2023.5  2003.0  2005.5  -13.5

22/03 01月12日  1983.0  2020.5  1980.5  2019.0  +35.5

22/03 01月11日  1995.0  1995.5  1970.5  1983.5  -8.0

●シカゴ日経平均 円建て

清算値  前日比

01月14日(03月限)  28300  +110

01月13日(03月限)  28275  -275

01月12日(03月限)  28650  -90

01月11日(03月限)  28455  +305

01月10日(03月限)  28185  -265

※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)

  売り   前週末比   買い    前週末比

01月07日    373億円  -346億円  3617億円  +316億円

12月30日    720億円  -841億円  3300億円  +348億円

12月24日    1561億円  +579億円  2951億円  +24億円

12月17日    982億円  -196億円  2927億円  +86億円

12月10日    1178億円  -967億円  2841億円  -727億円

12月03日    2146億円 +1687億円  3568億円  -1232億円

11月26日    458億円  +450億円  4801億円  -1800億円

11月19日     7億円  -285億円  6601億円  +513億円

11月12日    293億円  +235億円  6088億円  -25億円

11月05日     58億円  +54億円  6113億円  -1240億円

10月29日     4億円  -33億円  7354億円  -1254億円

10月22日     37億円  -198億円  8609億円  -3007億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)

売り      前日比    買い       前日比

01月12日    920万株   -193万株  1億6552万株   +1876万株

01月11日    1114万株   -205万株  1億4675万株   +522万株

01月07日    1319万株    -25万株  1億4153万株   -1716万株

01月06日    1344万株   -458万株  1億5869万株   +1158万株

01月05日    1803万株    -59万株  1億4710万株   -13万株

01月04日    1862万株   -218万株  1億4724万株   +1254万株

12月30日    2081万株   -232万株  1億3470万株   -1954万株

12月29日    2314万株   -1344万株  1億5424万株   -560万株

12月28日    3658万株   -2337万株  1億5985万株   +2743万株

12月27日    5995万株   +944万株  1億3241万株   +1179万株

12月24日    5051万株   +285万株  1億2062万株   +62万株

12月23日    4765万株   -185万株  1億1999万株   -263万株

12月22日    4951万株   +893万株  1億2263万株   -76万株

12月21日    4057万株   -1095万株  1億2340万株   +1492万株

12月20日    5153万株   +1425万株  1億0847万株   -1345万株

12月17日    3727万株   +102万株  1億2192万株   -422万株

12月16日    3625万株   -1509万株  1億2615万株   +794万株

12月15日    5134万株   -587万株  1億1820万株   -457万株

12月14日    5721万株   +890万株  1億2278万株   +164万株

12月13日    4831万株   +836万株  1億2113万株   +261万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)

【2021年】

1月4日  501億円

1月15日  501億円

1月20日  501億円

1月28日  501億円

2月26日  501億円

3月4日  501億円

3月5日  501億円

3月22日  501億円

3月24日  701億円

3月30日  501億円

4月21日  701億円

6月21日  701億円

9月29日  701億円

10月1日  701億円

【2022年】

1月14日  701億円

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