話題株ピックアップ【昼刊】:住友鉱、キョーリン、NTT

注目
2022年1月21日 11時42分

■住友金属鉱山 <5713>  5,233円  +181 円 (+3.6%)  11:30現在  東証1部 上昇率9位

住友金属鉱山<5713>が全般相場下落のなか逆行高。20日のロンドン金属取引所(LME)で、ニッケル相場の終値が前日比2.8%高の1トン=2万3795ドルと、終値ベースで11年8月以来の高水準となり、一時は2万4435ドルまで上昇したことから、ニッケル関連の代表的銘柄として物色されているようだ。ニッケルはリチウムイオン電池の正極材などに使用されていることから、世界的な電気自動車(EV)シフトによる需給の引き締まりが意識されているほか、ウクライナ情勢を巡り、主な産出国の一つであるロシアへの経済制裁が発動される可能性があることが相場上昇の背景にあるようだ。

■キョーリン <4569>  1,821円  +22 円 (+1.2%)  11:30現在

キョーリン製薬ホールディングス<4569>が反発している。20日の取引終了後、子会社杏林製薬が独占販売権を有する難治性の慢性咳嗽(がいそう)治療薬「リフヌア」について、MSD(東京都千代田区)が20日付で製造販売承認を取得したと発表しており、これが好感されている。「リフヌア」は、世界で初めて承認された選択的P2X3受容体拮抗薬。杏林製薬では、重点領域である呼吸器科領域における製品ラインアップの拡充を図り、同領域での更なるプレゼンス向上を図るとしている。

■愛知製鋼 <5482>  2,533円  +24 円 (+1.0%)  11:30現在

愛知製鋼<5482>が続伸している。20日の取引終了後、電動車用駆動ユニット「eアクスル」向け新部品(アウトプットシャフト)の生産ラインを稼働開始したと発表しており、これが好材料視されている。「eアクスル」はトランスアクスル、モータ、インバータが一体となっている電動車向け動力システム。電動車向け部品には航続距離を伸ばすための高強度・軽量化や、静粛性確保(ノイズ低減)のための高精度化が強く求められており、同社の培ってきた高い鍛造技術が生かせる分野であることから、同社では新規開発と量産体制の整備を積極的に進めており、今回の生産ライン稼働もその一環となっている。

■日本電信電話 <9432>  3,277円  +27 円 (+0.8%)  11:30現在

日本電信電話<9432>はしっかり。東日本電信電話(NTT東日本)と西日本電信電話(NTT西日本)は20日、固定電話の通話料を24年から全国一律で3分につき9円35銭に統一し、これに伴って個人や法人向けに提供してきた通話料の割引サービスを廃止すると発表した。24年1月に予定されている固定電話のIP網移行に伴うもので、「テレホーダイ」や「タイムプラス」などの通話料割引サービスを終了するほか、「マイライン」、「マイラインプラス」も提供を終了するとした。

■大幸薬品 <4574>  592円  -100 円 (-14.5%) ストップ安売り気配   11:30現在  東証1部 下落率トップ

大幸薬品<4574>がウリ気配、100円安はストップ安となる592円に張りついている。同社が手掛ける衛生管理商品「クレベリン」4商品に対し、消費者庁が景品表示法に基づく措置命令を行ったことが複数のメディアを通じ大きく報じられており、これを嫌気した売りが向かっているようだ。クレベリンに対する消費者庁の措置命令を巡っては、同社は前日20日の取引時間中に「クレベリン置き型」に関する仮の差し止めの申し立てにおける勝訴と、クレベリン置き型以外の4商品に対して措置命令を受けたことを発表している。今回の措置命令について会社側では、速やかに必要な法的措置を講じていくとしている。

■ミツウロコG <8131>  1,043円  -72 円 (-6.5%)  11:30現在  東証1部 下落率7位

ミツウロコグループホールディングス<8131>が7日続落し、連日の昨年来安値更新となっている。20日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を53億円から4億円(前期比92.4%減)へ、純利益を37億円から2億4000万円(同92.9%減)へ下方修正したことが嫌気されている。LPガス及び石油の燃料価格が長期的に高水準で推移していることから販売単価が上昇し、売上高は2200億円から2500億円(同10.4%増)へ上方修正したが、燃料価格の推移によりエネルギー事業における仕入価格が高止まりとなっていることに加え、経済回復により電力需要が増加するなかで発電用燃料の輸入価格が高騰し、電力仕入調達価格が大幅に上昇していることが利益を圧迫する。

■東京エレクトロン <8035>  57,500円  -3,810 円 (-6.2%)  11:30現在  東証1部 下落率9位

東京エレクトロン<8035>が3日続落で6万円大台を割り込んだほか、レーザーテック<6920>も大幅安で3日続落となるなど、半導体製造装置関連株への売り圧力が目立つ状況にある。前日の米国株市場では取引後半に主要株価指数が揃って値を崩す状況となったが、FRBによる金融引き締め政策前倒しを警戒してハイテク系グロース株が大きく売られた。半導体セクターにも逆風が強く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3.3%安と急落した。SOX指数は直近3営業日合計で10%以上も水準を切り下げている。これを受け、東京市場でも半導体主力株への売りがかさむ展開を余儀なくされている。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,467円  -60 円 (-1.1%)  11:30現在

ソフトバンクグループ<9984>は反落。前日の米国株市場では後半崩れ、ハイテク株への売りがかさんだことで、ナスダック総合株価指数は12カ月移動平均線も大きく下放れてきた。米ハイテクセクターに積極投資する同社にとっては逆風が強い。そうしたなか、同社は20日に個人投資家を主要対象とする劣後特約付きの社債5500億円を発行することを発表、調達資金は社債償還や借入金返済に充当する。株価面では昨年11月に最大1兆円の自社株買いを設定しており、12月はその取得枠に基づき約430億円購入したことが分かっている。これを拠りどころに、下値抵抗力を期待した押し目買いも流入している。

■宝ホールディングス <2531>  1,126円  -10 円 (-0.9%)  11:30現在

宝ホールディングス<2531>は売り先行も底堅さをみせている。傘下の宝酒造が6月1日出荷分から焼酎甲類(連続式蒸留焼酎)及び一部ソフトアルコール飲料などの参考小売価格を最大で8%程度値上げすると発表した。焼酎甲類などの原料となる粗留アルコールの価格が上昇し続けており、今後も高止まりが予想され、また燃料費、物流費なども高騰。これに対して企業努力のみでコストアップを吸収することは困難な状況にあることから値上げを行うという。

■日本製紙 <3863>  1,139円  -5 円 (-0.4%)  11:30現在

日本製紙<3863>は小幅安。子会社の日本製紙クレシアが20日、4月1日出荷分から家庭紙製品を値上げすると発表したが、全般安もあって好材料視する動きは限定的となっているようだ。対象となるのはフェイシャルティシュー、トイレットロール、ペーパータオルなど家庭紙製品全品で、値上げ幅は現行価格の10%以上という。世界的な原燃料価格の高騰、物流費や人手不足による人件費の上昇に対し、自助努力のみで再生産可能な収益を確保することが困難であることから値上げを判断したという。

■FRACTALE <3750>  1,486円  +300 円 (+25.3%) ストップ高買い気配   11:30現在

FRACTALE<3750>がストップ高カイ気配。20日の取引終了後、子会社サイトリ・セラピューティクスがカナダのバイオテクノロジー企業との間で、COVID-19感染予防治療薬の一酸化窒素点鼻薬に関して日本国内における独占販売契約を締結したと発表。これを材料視した買いが膨らんでいるようだ。この点鼻薬は、カナダのバイオ企業であるSaNOtize Research and Development(サノタイズ社)が手掛けているもので、COVID-19の感染を防ぎ、感染期間を短くし、重症度を軽減するといった効果があるという。今後、サイトリ・セラピューティクスは同契約に基づき、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と早期の承認を目指して薬事戦略相談を開始する予定としている。

■クシム <2345>  443円  +42 円 (+10.5%)  11:30現在

クシム<2345>がカイ気配スタートで全体相場に逆行高。前日の大幅高に続き投資資金が攻勢、今月13日につけた戻り高値423円を気配値のまま上回り上値追い基調を鮮明としている。eラーニングを主力とするほか、ブロックチェーンや暗号資産分野にも積極的に経営資源を投下しており、今後の展開に注目が集まっている。足もとでは20日付の大量保有報告書で、光通信<9435>がクシムの保有株式比率が5.0%を取得したことが分かり、これが株価を刺激する格好となった。光通信の保有目的は純投資としている。

■VIX短先物 <1552>  1,979円  +145 円 (+7.9%)  11:30現在

国際のETF VIX短期先物指数<1552>が急反発。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。20日の米VIX指数は前日に比べ1.74(7.30%)ポイント高の25.59に上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期金融引き締めに対する警戒感が強く、同日のNYダウが5日続落したことを反映した。これを受け、この日の東京市場ではVIX短先物が上昇する展開となっている。

■SEHI <9478>  252円  +9 円 (+3.7%)  11:30現在

SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ<9478>が続伸している。20日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を10億4000万円から13億円(前期比40.7%増)へ、純利益を6億7000万円から8億5000万円(同48.3%増)へ上方修正したことが好感されている。売上高は66億円(同4.5%増)の従来見通しを据え置いたものの、売り上げ効率や販売効率が良好であったこと、利益率の高いオンラインビジネスなどが好調であったことなどが利益を押し上げる。また、業務環境のオンライン化などによるコスト削減も寄与する。

■カイノス <4556>  1,155円  +39 円 (+3.5%)  11:30現在

カイノス<4556>は続伸している。20日の新型コロナウイルスの新規感染者数が4万6199人と過去最高となるなど急増していることを背景に、無料検査の急増から検査キットが不足していると伝えられており、遺伝子検出試薬や抗原検出試薬などを手掛ける同社に思惑的な買いが入っているようだ。

●ストップ高銘柄

アピリッツ <4174>  940円  +150 円 (+19.0%) ストップ高   11:30現在

リード <6982>  753円  +100 円 (+15.3%) ストップ高買い気配   11:30現在

など、3銘柄

●ストップ安銘柄

大幸薬品 <4574>  592円  -100 円 (-14.5%) ストップ安売り気配   11:30現在

以上、1銘柄

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