前週末21日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2022年1月24日 5時30分

■クシム <2345>  481円 (+80円、+20.0%) ストップ高

クシム <2345> [東証2]がストップ高。前日20日の大幅高に続き投資資金が攻勢、今月13日につけた戻り高値423円を気配値のまま上回り上値追い基調を鮮明とした。eラーニングを主力とするほか、ブロックチェーンや暗号資産分野にも積極的に経営資源を投下しており、今後の展開に注目が集まったようだ。足もとでは20日付の大量保有報告書で、光通信 <9435> がクシムの保有株式比率5.0%を取得したことが分かり、これが株価を刺激する格好となった。光通信の保有目的は純投資としている。

■巴川紙 <3878>  843円 (+100円、+13.5%)

東証1部の上昇率トップ。巴川製紙所 <3878> が急反騰。21日午後2時30分ごろ、22年3月期業績予想の上方修正を発表。営業利益を14億円から18億円(前期1500万円の赤字)に増額しており、これを好感した買いが入ったようだ。売上高も330億円から340億円(前期比10.5%増)へ引き上げた。半導体市場やトナー事業における好調が第4四半期も維持すると予想されることや、持ち分法適用関連会社のディスプレー向けフィルム加工事業の業績も引き続き好調が見通されることなどが業績押し上げ要因となる。あわせて、従来未定としていた年間配当予想について15円にすると発表、3期ぶりの復配となる見込みだ。

■フラクタル <3750>  1,330円 (+144円、+12.1%) 一時ストップ高

FRACTALE <3750> [東証2]が急騰、一時ストップ高。20日の取引終了後、子会社サイトリ・セラピューティクスがカナダのバイオテクノロジー企業との間で、COVID-19感染予防治療薬の一酸化窒素点鼻薬に関して日本国内における独占販売契約を締結したと発表。この点鼻薬は、カナダのバイオ企業であるSaNOtize Research and Development(サノタイズ社)が手掛けているもので、COVID-19の感染を防ぎ、感染期間を短くし、重症度を軽減するといった効果があるという。今後、サイトリ・セラピューティクスは同契約に基づき、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と早期の承認を目指して薬事戦略相談を開始する予定としている。

■VIX短先物 <1552>  1,992円 (+158円、+8.6%)

国際のETF VIX短期先物指数 <1552> [東証E]が急反発。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。20日の米VIX指数は前日19日に比べ1.74(7.30%)ポイント高の25.59に上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期金融引き締めに対する警戒感が強く、同日のNYダウが5日続落したことを反映した。これを受け、21日の東京市場ではVIX短先物が上昇する展開となった。

■SEHI <9478>  257円 (+14円、+5.8%)

SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ <9478> [JQ]が続急伸。20日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を10億4000万円から13億円(前期比40.7%増)へ、純利益を6億7000万円から8億5000万円(同48.3%増)へ上方修正したことが好感された。売上高は66億円(同4.5%増)の従来見通しを据え置いたものの、売り上げ効率や販売効率が良好であったこと、利益率の高いオンラインビジネスなどが好調であったことなどが利益を押し上げる。また、業務環境のオンライン化などによるコスト削減も寄与する。

■朝日ラバー <5162>  602円 (+32円、+5.6%) 一時ストップ高

朝日ラバー <5162> [JQ]が急伸。同社は21日午前11時に、GSIクレオス <8101> とカップ積層型カーボンナノチューブ(CSCNT)を分散したシリコーンゴムを共同で開発し、高い導電性と最適硬度の両立を達成することに成功したと発表した。クレオスの株価はこの発表後、プラス圏へ浮上している。このCSCNT導電シリコーンゴムは長期間にわたる実証試験の結果、屋内外の過酷な環境でも適用可能な自動車向け部材として採用され、今春から同関連業界向けに納入が開始されるという。なお、クレオスは26~28日に東京ビックサイトで開催される「第21回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nano tech 2022)」に出展し、導電シリコーンゴムのサンプルを展示する予定としている。

■石川製 <6208>  1,422円 (+71円、+5.3%)

石川製作所 <6208> が続急伸。そのほか、細谷火工 <4274> [JQ]が全体軟調相場のなか買われた。ここロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感が強まっている。ロシア軍によるウクライナ国境周辺での軍備増強が続いており、直近これを巡って欧米とロシアとの間で相次ぎ協議が開かれたが、いずれも大きな進展がみられなかったことが伝わっている。21日21日には米ロ外相会談が予定されているものの依然として先行き不透明な状況にあり、こうしたなか地政学リスクが高まった際に思惑物色が向かいやすい防衛関連株の一角が上昇した。豊和工業 <6203> も高かった。

■中外炉 <1964>  1,649円 (+59円、+3.7%)

中外炉工業 <1964> が大幅続伸。同社は21日午後1時に、22年3月期連結業績予想について、売上高270億円(前期比9.2%増)を据え置いたものの、営業利益を6億円から9億円(同2.3倍)へ、純利益を6億円から8億円(同2.4倍)へ上方修正すると発表した。原価・経費の低減をはじめ、利益率の向上に努めたためとしている。

■住友鉱 <5713>  5,214円 (+162円、+3.2%)

住友金属鉱山 <5713> が大幅続伸。20日のロンドン金属取引所(LME)で、ニッケル相場の終値が前日20日比2.8%高の1トン=2万3795ドルと、終値ベースで11年8月以来の高水準となり、一時は2万4435ドルまで上昇したことから、ニッケル関連の代表的銘柄として物色されたようだ。ニッケルはリチウムイオン電池の正極材などに使用されていることから、世界的な電気自動車(EV)シフトによる需給の引き締まりが意識されているほか、ウクライナ情勢を巡り、主な産出国の一つであるロシアへの経済制裁が発動される可能性があることが相場上昇の背景にあるようだ。

■コア <2359>  1,553円 (+48円、+3.2%)

コア <2359> が大幅続伸。21日午前11時30分ごろ、ベルギーのセプテントリオ社と共同で、CLAS(センチメータ級測位補強サービス)対応小型GNSS(全地球航法衛星システム)モジュール「mosaic-CLAS」を開発したと発表。同製品は日本の準天頂衛星システム「みちびき」の実環境利用とグローバル展開の推進を目的として開発。自動運転やICT施工、スマート農業、ドローンなどの分野で活用可能な、低価格・小型・組み込みに最適な低消費電力を単一モジュールで実現したという。

■空港施設 <8864>  566円 (+16円、+2.9%)

空港施設 <8864> が大幅続伸。大和証券が20日付で投資判断を「3」から「2」へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、22年3月期業績は燃料コスト増加ながら概ね利益計画通りの着地を予想。23年3月期は。燃料コスト上昇は続くものの、賃料減免の軽減や経営する京都のホテルでの収益改善などが見込まれるとして、営業利益は今期予想比17.3%増の39億3000万円を見込んでいる。なお、目標株価は660円を継続している。

■ミクシィ <2121>  2,203円 (+56円、+2.6%)

ミクシィ <2121> が大幅続伸。21日午前11時30分ごろ、総務省関東総合通信局からSub6帯域(4.8~4.9ギガヘルツ)を活用したローカル5G SA(スタンドアローン)システムの免許を取得したと発表しており、これが好感された。22日から同システムを活用した同社初の商用利用として「TIPSTAR DOME CHIBA」(千葉市中央区)で開催される千葉市主催の自転車トラックトーナメント「PIST6 Championship」の映像配信を開始するとしている。

■串カツ田中 <3547>  2,101円 (+52円、+2.5%)

串カツ田中ホールディングス <3547> が大幅続伸。同社は21日午前11時に、 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府及び各自治体からのまん延防止等重点措置を踏まえて、営業時間短縮などを行うと発表した。東京都や神奈川県など直営123店舗については、21時までの時間短縮営業は120店舗で、完全臨時休業は3店舗にとどまるとされ、目先のアク抜け感が出たようだ。なお、フランチャイズ店舗についても直営店と同様の対応を推奨するとした。

■CDS <2169>  1,605円 (+37円、+2.4%)

CDS <2169> が大幅続伸。20日の取引終了後、集計中の21年12月期の連結業績について、営業利益が8億8500万円から10億2000万円(同35.6%増)へ、純利益が6億1700万円から7億8500万円(同13.3%増)へ上振れて着地したようだと発表。売上高は84億1900万円から83億5000万円(同5.7%増)へ下振れたものの、売上高に占める教育関連の割合が大きくなったことで製造工程の効率化が図れたことや、全ての事業で販管費を抑制したことなどが利益を押し上げた。なお同時に、25円を予定していた期末配当予想を31円にするとあわせて発表した。年間配当は56円(前の期55円)となる。

■モバファク <3912>  848円 (+19円、+2.3%)

モバイルファクトリー <3912> が大幅続伸。21日午後0時15分ごろ、未定としていた集計中の21年12月期の連結業績について、売上高28億9700万円(前期比1.5%増)、営業利益8億5000万円(同1.5%減)、純利益5億3800万円(同7.5%減)になったようだと発表。営業利益で8億円前後を見込んでいた市場予想を上回ったことから、下値に買いが入ったようだ。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の発出や、まん延防止等重点措置の実施により、主力の位置情報連動型ゲームでイベントやコラボの延期や中止などの影響があったものの、新しい形式の施策の実施や機能の追加を行うことで、売上高は増収となった。ただ、事業構造の変化を受けて費用が増加したことから各利益は前期実績を下回ったとしている。

■JR東日本 <9020>  6,762円 (+117円、+1.8%)

JR東日本 <9020> が続伸。そのほか、JR東海 <9022> などJR各社が軒並み高となった。新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が21日から、首都圏や東海、九州などの13都県に適用されたが、去年の緊急事態宣言時ほどの行動抑制にはつながらないとの見方が強いことや、株価は先行して下げていたことなどから、アク抜け感が強まったようだ。また同様に、日本航空 <9201> やANAホールディングス <9202> なども買いが優勢の展開となった。

■岡藤日産HD <8705>  125円 (+2円、+1.6%)

岡藤日産証券ホールディングス <8705> [JQ]が続伸。20日の取引終了後、保有する投資有価証券の売却に伴い、投資有価証券売却益10億7000万円を22年3月期第4四半期および23年3月期第3四半期にそれぞれ特別利益として計上すると発表しており、これが好材料視されたようだ。

■東ガス <9531>  2,219円 (+27円、+1.2%)

東京ガス <9531> が反発。ここ全体相場が米金融引き締めへの警戒感からハイテク株を中心に軟調となるなか、バリュー株に位置づけられる同社株の上昇基調が続いている。今3月期業績予想はこれまでに2回上方修正が行われており、売上高は前期比11.6%増の1兆9700億円、営業利益は同28.7%増の1000億円の見通し。足もと配当利回りは3%前後、PBRは0.8倍台と依然として割安感は強い。21日には、デンマーク子会社を設立し、同子会社を通じて現地企業と共同で再生可能エネルギー事業を行うことを明らかにしており、今後の展開への期待が高まったようだ。

■キョーリン <4569>  1,821円 (+22円、+1.2%)

キョーリン製薬ホールディングス <4569> が反発。20日の取引終了後、子会社杏林製薬が独占販売権を有する難治性の慢性咳嗽(がいそう)治療薬「リフヌア」について、MSD(東京都千代田区)が20日付で製造販売承認を取得したと発表。「リフヌア」は、世界で初めて承認された選択的P2X3受容体拮抗薬。杏林製薬では、重点領域である呼吸器科領域における製品ラインアップの拡充を図り、同領域での更なるプレゼンス向上を図るとしている。

■愛知鋼 <5482>  2,538円 (+29円、+1.2%)

愛知製鋼 <5482> が続伸。20日の取引終了後、電動車用駆動ユニット「eアクスル」向け新部品(アウトプットシャフト)の生産ラインを稼働開始したと発表。「eアクスル」はトランスアクスル、モータ、インバータが一体となっている電動車向け動力システム。電動車向け部品には航続距離を伸ばすための高強度・軽量化や、静粛性確保(ノイズ低減)のための高精度化が強く求められており、同社の培ってきた高い鍛造技術が生かせる分野であることから、同社では新規開発と量産体制の整備を積極的に進めており、今回の生産ライン稼働もその一環となっている。

※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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