ボーイングが決算受け大幅安 キャッシュ喪失が予想以上で苦難が浮き彫りに=米国株個別
ボーイング<BA>が大幅安となっておりダウ平均を圧迫。取引開始前に1-3月期決算(第1四半期)を発表しており、1株損益が予想以上の赤字となったほか、売上高とも予想を下回った。民間航空機、防衛など中核事業が冴えなかった。フリーキャッシュフロー(FCF)の赤字も予想以上となり、キャッシュ喪失が顕著となっている。今回の決算は、インフレと787ドリームライナーの納入停止に直面している同社の苦難を浮き彫りにしている。
同社は777Xジェット機の生産を2023年まで一時停止し、最初の納入予定を2025年に延期した。ウクライナ危機や感染拡大を受けた787の遅れのみならず、737マックスの2件の死亡事故を受けた規制強化など、同社が直面している課題は大きい。
同社のカルフーンCEOは「われわれの中の誰もが望んでいたよりも厄介な四半期だった」と述べた。ただ、インフレと景気後退の可能性が迫る中、同CEOは今年は2018年以来初めて年間ベースでキャッシュを生み出すと楽観視している。
防衛・宇宙部門でも圧力に直面しており、10億ドルの引当金を計上したほか、長年同部門の責任者を務めたカレット氏が3月末に退任した。
(1-3月・第1四半期)
・コア1株損益:-2.75ドル(予想:-0.15ドル)
・売上高:139.9億ドル(予想:154.9億ドル)
民間航空機:41.6億ドル(予想:47.8億ドル)
防衛・宇宙・セキュリティ:54.8億ドル(予想:68.4億ドル)
グローバル・サービス:43.1億ドル(予想:41.9億ドル)
ボーイング・キャピタル:4600万ドル(予想:5980万ドル)
・FCF(調整後):-35.7億ドル(予想:-32.3億ドル)
・受注残:3710億ドル
(NY時間10:53)
ボーイング<BA> 149.21(-17.83 -10.67%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美